線路沿いの帰り道 (バレンタインデー) 

2017/02/14
またまた縞さん(イラスト)とのコラボ作品です。
と言ってもタイミングは偶然だったのですが、昨年縞さんがTwitter上にあげていた一枚目のイラストを拝見し、ふと妄想が広がって無理矢理押し付けたものになっています。
長いお話で恐縮ですが、楽しんでいただけると嬉しいです。
(最初と最後、そして拍手に幸せなイラストがございます)



【 線路沿いの帰り道 】



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それは余りにも無情な発車のベルだった。





「ああ――っ!!」


ドアに挟まれちゃうとか迷惑行為になっちゃうとか。
そんなことを考える間もなく伸ばした手の、あとほんの少し先というところで扉は閉まり、その四角い箱はさゆりやゆか、ひろし、大介といった悪友だけを乗せて動き出していく。

そう。

ホームに取り残されたのは、友人の言葉をまんまと信じて裏切られたあたしと乱馬の姿だけだった。








話は約二十分程前に遡る。


「なあ乱馬。なんでそんな機嫌が悪いんだよ?」
「うるせー。別におれはいつも通りだろ」
「ほらな、その態度が不機嫌だと言っとるんだ」
「だーっ!それはおめーらがしつけーからだろうがっ!」


……はあ。
なんで男子ってどこに行ってもあんなに元気なのかしら。
声のトーンをちっとも落とすことなく駅の改札を抜け、階段を上りながら小競り合いを繰り広げている。

…それにしても。

(小さい頃、お母さんと一緒にお出掛けした駅のホームみたい)

古ぼけて塗装が薄灰色にくすみ、所々ペンキの禿げた駅の構内。
目に映る景色がほんの少しだけセピアがかって見える気がして一人ノスタルジックに浸っていると、それを壊すようにゆかとさゆりが、あたしの腕に自分の腕を絡ませながら耳打ちしてくる。


「随分ご機嫌斜めねー、あかねの旦那さん」
「誰があたしの旦那ですって?」
「またまた照れちゃって。夫婦喧嘩でもしたわけ?」
「やめてよ、さゆりまで。あたしだっていい迷惑してるんだから」


そう。
今日のお昼頃までは何ともなかったのに。
昼食を食べる少し前くらいからだろうか?
急にじとっとした視線を感じるようになり、でも振り返った途端 パッと目を逸らしてこちらを見ようとはしない乱馬の態度に、あたし自身わけがわからないのだ。
最初は気のせいかな、とも思った。
もしくはあたし達女子が取りかかっている作業が気になるのかしら、なんて思っていたけれど、どうやらそれとも違うらしい。


(せっかく校外学習に来たのに……)


何も二月半ばの一番寒さが厳しい時期にこんな機会を設けなくとも…と思わなくもないが、「来年はいよいよ大学受験だ。今一度自分の進路を見据えるように」という学校の方針から、毎年生徒達六~七人のグループが一つとなり、丸一日実際の業務に携わる職業体験。
その受け入れ先の企業も職種も様々だったが、あたし達はというと少し意外なところで関東地方最北部にある機屋(はたや)の工場に来ている。いわゆる機械を使って布を織っている専門職だ。
その理由は「どうせだったらのんびり電車に乗ってちょっとした小旅行気分を味わおう」という、とても学校には言えない不純なものだったが、これから本格的に受験勉強の色が濃くなる高校生活。
六人で過ごすこのくらいの楽しみは、かわいいものと言えるだろう。

朝は始発近い電車に飛び乗って上野に行き、そこから二回乗り換えをしてK駅まで行くと、更にそこから在来線に乗って目的の機屋に向かう。
事前にきちんと乗り継ぎを調べたことに加えて朝の通勤時間帯だったこともあり、極力無駄のない、約三時間の電車の旅。
それでもいわゆる都会の通勤ラッシュとは違う車両内は六人まとめて座れるだけの余裕があり、向かい合って座るボックスシートに「なんだか新幹線みたい」と、目的が郊外学習ということも忘れてはしゃいでいた。


(なによ。朝はあんなに楽しそうにしてたくせに)



「思えば同世代のやつらと電車に乗って出掛けるのなんてハーブとの対決以来だな」

家を出てすぐ乱馬が口にした台詞に、当時のことを懐かしく振り返りながら、フェンスの上を見上げてみんなとの集合場所まで歩く。人気のない朝の住宅街の空気は青みがかり、やけに澄んでいるように感じた。

「あの時、もしも女のままだったらどうしてた?」と聞いたら「あほか。おれがハーブに負けるわけねーだろーが」という強気の発言のついでに「あ、でも誰かさんは疑ってたみてーだけどな。わざわざ人が風呂に入ってんのに待ちきれねーで覗いて来やがってよ」なんて言うものだから、思い出さなくてもいいその後の抱擁まで思い出しちゃったりなんかして。
お互い赤面し合いながらも、ほんのちょっとだけ良い雰囲気になったつもりでいた…のに。


(乱馬のバカ。今日は何の日だと思ってるのよ)


あたしは鞄の中にひっそりとしまってある去年よりも少しだけ大きな包みを思いながら、「こんな調子ならまず渡せそうもないわね」と一人小さく溜め息をついた。



駅の階段を下(くだ)り終え、ホームに降りた途端にびゅうっと冷たい木枯らしがあたし達と男子達の間を通り抜ける。
せっかくちょっとした遠足気分を味わうつもりで選んだ最も遠出をするコースで、突然わけもわからず不機嫌になった乱馬。
それを宥めるように半分からかいながら茶化す男子達とあたし達の距離は、とても同じグループで行動しているとは言い難い程の距離が空いている。

びゅうっとまた一つ、身を切るほどの北風が吹いてホームの紙屑がくるくると踊った。


(こんなことなら、やっぱり学校から近い職場を選べばよかったな)


もちろん、あたし一人の意思でこの場所を選んだわけではない。が、それでもそんな恨み言の一つも零したくなった時、ふとさゆりが慌てたような声を上げた。


「あれ?…うそ、どうしよう」
「どうしたの?」
「あ、ううん。なんでもないの」

なんでもないと言いつつ、自分の荷物の中をごそごそと探っては「あれ?どうして?」とその目に困ったような焦りが浮かんでいる。


「ねえ、本当に大丈夫?」

三回目に声を掛けた時、ようやくさゆりが鞄から視線を外し、諦めたような表情を見せて言った。

「うん…私、手袋を置いてきちゃったみたい」
「ええ?どこに?」
「えっと……そうだ。さっき、切符を買う時にお金を入れるのに邪魔で取っちゃったんだわ」
「じゃあ改札に置きっぱなしになってるんじゃない?すぐに取りに行こう!」
「ううん、でもいいの。ほら、もうすぐ電車も到着しちゃうし」

…確かに。
すでにホームの隣の踏切がカンカンとなり始め、黄色と黒の縞模様のバーが今にもその頭をゆっくりもたげようとしている。
だけど走ればまだ間に合うかもしれない、微妙な時間 ―。



「…あたし見てくる!」


気が付くとあたしは荷物をその場に下ろし、宣言するよりも先にホームの階段を全力疾走していた。
こう言っちゃなんだが、さゆりの足だと電車の出発時間にはまず間に合わないだろう。
だけどあたしの足なら。
スカートということも忘れ、一段飛ばしでびゅんびゅんと階段を駆け上がっていく。まるでちょっとしたハードルを跳んでいるみたいな感覚だ。
そのまま今度は反対側のホームに駆け下りると、急いで駅員のいる改札まで走っていく。


「す、すみません!あのっ、ついさっきなんですけど、改札に、手袋っ、置きっぱなしになっていませんでしたか?」

駆けるのを止めた途端に襲ってくる呼吸の乱れを落ち着かせようと、胸の前をぎゅっと摑みながら身振り手振りで駅員さんを掴まえて聞いてみる。
が、心当たりがないのか、返ってくるのはぼんやりとした反応ばかり。
その場で足踏みでもしたくなる焦りをあたしがじりじり感じていると

「おい、あかね。さゆりの手袋見つかったってよ」

突然、背後から聞き慣れた声がした。


「乱馬!?あんた、なんでここにいるのよ?」
「うるせーな。手袋が見つかったからおめーに伝えて来いって無理矢理来させられたんでぃ」

「まったくおめーは最後まで確認もしねーで飛び出しやがって」と乱馬が口を尖らすその後ろで、ゆっくりと電車がホームに滑り込んでくるのが見える。


「あーっ!電車来ちゃった!」
「げげっ!い、いーから走るぞっ!」

もしもこれが駅じゃなければ、ここからジャンプして反対側のホームへ……少なくとも、乱馬だけならそうすることも可能だったのかもしれない。
だけど流石に電車が通過するホームでそれは叶わない上に、あたしも一緒にいるからまた階段を上って下るしか手段はなく。
視線の先で揺れるおさげを見ながら、駅員に礼を述べると慌ててあたしもその後を追うように走り出す。

「ちょっと!少しくらい待ってくれてもいいじゃない!」
「おれが待ったって電車が待ってくれねーとどうしよーもねーだろーがっ!」

そっか。それもそうね。
なんだか的を得ている反論に妙な感心を覚えつつ、ようやく反対側のホームへ下り終える…と、ちょうど電車は発車のベルを鳴らしているところだった。
これなら一番近いドアから乗り込んで、あとは次の駅ででも車両間を移動すればいいだろう。
そう思って車内に飛び移ろうとした正にその時だった。

「乱馬!あかねっ!」

二両ほど離れた距離の車内から大介君が身体半分を出してホームの奥を指差す。
と、その一番奥のベンチの上には……。



「感謝しろよ!盗まれないように一番人気のないベンチに置いといてやったからなっ!」


ちんまりと並ぶ、あたしと乱馬の学生鞄。
一瞬呆気にとられるあたし達を前に、電車の扉がプシュッと空気を吐くような音を響かせる。

「せっかく探しに行ってくれたのに悪かったわね」

ピンクの手袋をひらひら振りながら、悪そうな顔をして笑う友人達に思わず手を伸ばしたその瞬間。




「いーからゆっくり話し合いなさい、お二人さん」



無情にも、目の前で電車の扉は閉まっていった。











「あ、あいつらぁ~!」
「し、信じられない、あの子達!」


たった今、電車が出発してしまったばかりのホームに取り残されたのは あたしと乱馬の二人だけ。
もともと人気の少ない閑散とした上りの構内には、降りたばかりの乗客を除いて猫一匹いやしない。
その向かいのホームにぱらぱらと立っている人達が「一体何事か?」というような目で見ている気がして、暫し呆然とした後にフラフラとホーム最奥のベンチへ荷物を取りに行く。

(さゆりったら。手袋を忘れてきたなんて真っ赤な嘘だったんだわ

そう思うと先程まで全力疾走していた膝から、ガクッと力が抜けていくような気がする。
おそらく乱馬も同じことを考えているのだろう。
憎まれ口を叩くことすら悔しいというように無言で自分の荷物を背負うと、そのままドカリと四つ席が連なったベンチの一番端で足を前に投げ出す。
あたしも自分の荷物を手に取り、やっぱりベンチの一番端っこに腰を下ろした。
スカート越しなのに太腿の裏がひやりと冷えて、一瞬にして肌が粟立つ。
コートを着てマフラーをしていても、寒い寒い二月の夕方…。

乱馬は何も話さない。
ただ、不機嫌そうにホームの向こうを眺めている。


(なによ。電車に乗り遅れたのだってあたしのせいじゃないでしょう?)


そう言ってやりたいけれど、まんまとさゆりの演技に騙されてしまったのはやっぱりあたしで。
かといってこちらから話し掛けるのもなんだか癪で地面の染みに視線を落としていると、ようやく乱馬が重い口を開いた。


「…次の電車って何時か見てくる」


まるで業務連絡のようにぼそりと呟き、のそのそと時刻表の看板のところまで歩いていく後ろ姿を、あたしはベンチに座ったまま見つめる。
こうして座っているだけでも足の下から隙間風が入ってくるような、まだ日が暮れているわけでもないのに膝が震えるほどの寒さに、思わずぎゅっとコートの裾まで重ね合わせる。が、もちろんそうしたところでこの底冷えする寒さはさほど変わらない。



(はあ…。もしかして家に着くまでずっとこんな調子なのかしら。もう嫌になっちゃう)


もしかしたらこの寒さは気候のせいではなく、あたし自身の沈んだ気持ちなのかもしれない。
そう思いながら、白く変わることはない息をまたひとつ吐いた時だった。



「げげっ!嘘だろっ!?」


何やら掲示板の前で大きな声を上げて慌てふためいた拍子に、かぶっていた帽子が下に落ちる。
それを拾うと今度は先程とうって変わってずんずんと大股で歩き、再びこちらのベンチに戻ってきた。その顔には「信じられない」とわかり易く書いてある。


「どうしたのよ。そんな大きな声出しちゃって」
「あのな?次の電車っていつ来ると思う?」


この聞き方だと、暫らく電車が来ないことは容易に想像できた。
あたしは少し考えるフリをしながら答える。

「20…30分くらい?」

それを聞いてバカにしたようにふ…っと笑うと、無言で首を横に振る乱馬。

「40分?」
「…」
「45分?」
「…」
「50分」
「…」
「…嘘でしょ?もしかして1時間も来ないとか?」

もしかしたらあたしのことをからかってるだけなのかしら?
そう疑いつつ聞いてみると、そこで返ってきたのは

「あめえな。次は1時間5分後だとよ」

という、とんでもない台詞だった。
これにはあたしも流石に驚きを隠せない。

「ええ!?だってまだ日も暮れてないのに?」
「それがよー、この1時間後のほうがまだ電車の本数があんだよな」

「要は仕事帰りにはまだ早いってことなんじゃねーか?」と言われると、確かにそんな気もする。



さて、どうするか。
再び二席分のスペースを空けてベンチに座るあたしと乱馬の間を、また冷たい風が容赦なくびゅうっと吹き抜ける。
たったベンチ二席分。
だけどあたしにとっては、遠い遠い二席分…。


……。



「ねえ」
「なんだよ」
「1時間後には電車の本数も少し増えるって言ったわよね」
「言ったけど、それがどーしたんだよ」

だったら。


「…あたし、歩くわ」
「へ?」
「だって乗り換えまで二駅分でしょ?こんなところで寒い中震えて待ってるくらいなら、歩いて体を動かす方がずっとマシよ」
「歩くっておめー、道わかってんのかよ?」
「そんなの、線路に沿って何となく歩いていけばいいじゃない」


それに万が一道に迷って1時間をオーバーしてしまっても、次の電車が比較的すぐにやってくるとわかっていれば心強い。
何より。
こんなところで乱馬と黙ったまま、1時間以上も過ごすなんて耐えられそうになかった。
そうと決まれば、あたしは自分の荷物を持ってさっさと構内の階段へと足を向ける。
その後ろから聞こえてくるのは呆気にとられたような、少し怒ったような乱馬の声。


「お、おい、待てって!」
「なによ」
「あかね、歩くって本気かよ」
「本気よ。大真面目」
「東京の駅の間隔と田舎の駅の間隔とは距離が全然ちげーんだぞ?」
「わかってるってば。だけど二駅先まで行けば一気に電車の本数も増えるじゃない」
「だーっ!なんでおめーはそう、じゃじゃ馬なんだよ!」
「じゃじゃ馬で悪かったわね。別にあんたもついて来てなんて言ってないでしょ」


ああ、もうなんてかわいくないあたしの態度。
だけどそれは乱馬だってお互い様で、ここであたしだけが「一緒に歩かない?」なんて誘いを持ち掛けるのはなんだか癪に障る。
乱馬が何を怒っているのかは知らないけれど、あたしだって困ってるし怒ってるんだから。
そう態度で示すように。
敢えて後ろを見ないようにしてスタスタと足早に改札を抜け、先程電車が消えていった方向に足を向けて歩き出す。




スタスタスタスタ。


ひたひたひたひた。






スタスタスタスタ。


ひたひたひたひた。




振り向かなくてもわかる。
あたしの数メートル後ろには、きっと不機嫌そうに口を尖らせたチャイナ服の許嫁の姿。

こんな時なのに楽しくお喋りの一つも出来ないことが寂しくて。
でもやっぱり追い駆けて来てくれたことが嬉しくて。

結局、どんな顔をしていいのかわからず無言で歩くあたしの後ろを、同じように乱馬も無言でついてくる。



そうして10分程歩いた時だろうか?
多少寂しい印象とはいえ、それなりに駅前の通りらしく並んだ個人商店や催事の告知が貼られた掲示板はすっかり姿を消し、目の前に広がる風景はひたすらに茶色い土の畑や田んぼだけ。その中に点々と建つ大きめの一軒家と青く澄み渡る空が、なんだか妙に懐かしい気がした。
すうっと胸いっぱいに含んだ空気が微かな土の匂いと共に肺の奥をちりりと冷やし、再び鼻から抜けていく。


(えーっと。確か、こっちの方向でよかったのよね?)


とにかく目に映る景色に画期的な違いがないため、やや頭上を走る線路から少し目を離すと一瞬自分の向かう先がわからなくなってくる。
きっと良牙くんだったら完全に迷子よね。
ふと頭に浮かんだ黄色いバンダナの困り顔を想像して思わずクスリと笑うと、

「おい。さっきから気が付いてんのに無視してんじゃねーよ」

と不機嫌そうな声が聞こえてきた。



「別に無視なんかしてないもん」
「してんだろーが」
「してないってば」
「嘘つけ」
「あのねー。だったらあんたが先に話し掛けてくればいいでしょ?」
「はあ!?な、なんでおれが…っ」


だってそうじゃない。
先にあたしのことを露骨に無視しだしたのは乱馬の方なのに、こんな時だけあたしから話し掛けろだなんてよく言うわよ。
それを目で伝えるようにじっと乱馬の顔を見つめると、決まり悪くなったのかふいっと目を逸らす。

あ、そう。
そういう態度なんだ。
ふーん。


……。



(もう知らない)



今度こそ本当に知らないんだから!と再び前を向いた時だった。





「じゃーんけん…ぽん!」
「えっ!?」




いきなり聞こえた大きな掛け声。


"けん"で振り向き、"ぽん!"で咄嗟に出したあたしの右手は、安直なグー。




「わはは、ばーか。いるんだよなあ、いきなりじゃんけん振られるとグーしか出せねえ奴」
「な、なによっ!」
「っつーことで。じゃあ……パ・イ・ナ・ツ・プ・ル!」


そう言うや否や、あたしの少し後ろからしゅたっとジャンプして六文字分だけ歩を進める。



「ちょっと!なんなのよ!?」
「いーからいーから。せーの、じゃんけん、ぽん!」



今度は乱馬がグーであたしがパー。
訳がわからないまま、それでも乱馬に負けないようにあたしも力一杯地面を蹴ると、やっぱり六文字分を前に進む。
だけど悔しいことに、二人の間には二文字分ほどの距離が空いたまま。



「おめー、足みじけえなあ」
「はあ?制服のスカート姿なんだからしょうがないじゃない!」

なんだか無性に悔しくて、「それにあたしは手に荷物だって持ってるし!」だなんてついムキになってしまうのはあたしの悪いクセかもしれない。


「ま、そーいうことにしといてやるか。じゃあ――」
「じゃんけんぽんっ!あ、ほら乱馬だってグー出したじゃない。あたしの勝ちね」
「あっ、あかね、きたねえぞっ!」
「ふーんだ!勝負の世界にきれいもきたないもなかったんじゃないのー?」


べーっと舌を出し、今度こそ乱馬を追い越してパ・イ・ナ・ツ・プ・ル分だけ先へ行く。
まだ後ろで何か文句を言っている乱馬を振り向き、「どうよ」と笑うあたし。
つられたように乱馬も口を開けたままニヤリと頬を緩めると、それ以上は言ってこない。



「おめーなあ…。……ま、いっか。こんな距離、三歩で詰めてやるよ」
「あ、言ったわね?」
「おー。ちなみにおれは次グー出すからな」
「なにそれ、心理戦?小学生みたい」
「うるせー。いーからおれに勝ちたかったらパーを出すんだな」
「わかったわよ」



だけど乱馬のことだ。
今さっき「勝負にきれいもきたないもない」と言ったばかりで、乱馬がグーを出すと言って本当にグーを出すとも思えない。
だけどここであたしがパー以外を出したら

「おめーは素直じゃねえな」
「かわいくねえ」

そんな風に言われてしまうのかしら?
そもそも、乱馬がグーであたしがパー、そのパーに勝つのはチョキでそのチョキに勝つのはグーで…
ああ、なんだか何を出したらいいのかわからなくなってきた。
大体、「次は○○を出すから」なんて言うのが卑怯なのよ。
あたしはたった今自分で言った台詞も忘れ、グルグルと頭の中で次の手を考える。
が、そんなあたしなどお構いなしと言ったように


「じゃーんけん、ぽん!」


大きな掛け声と同時に突き合わせたのは、力の入ったチョキとチョキ。




「…嘘つき」
「どっちがだよ。人の台詞を疑いやがって」
「なによ。実際、嘘ついたじゃない」
「あほ。勝負にきれいもきたねえもねーっつったのはあかねのほうだろうが」


結局、仕切り直しでじゃんけんぽん。
だけど悔しいことに、今度はあたしがパーで乱馬がチョキを出したため、再びあたしの隣を黒いチャイナ服が追い越していく。



「へへっ。お先~」

ぽん、と。
人をおちょくるようにあたしの頭に一瞬置かれたのは、節の太い大きな手。



「ちょ、ちょっと!髪の毛ぐしゃってなるからやめてっ」
「大していつもと変わんねーぞ?」



嘘。
本当はドキンと心臓が跳ねて。
だけどたったこれだけのことで鼓動が早くなってしまう乙女心を伝えられるほど、あたしは素直じゃないらしい。
精一杯の強がりで言い返すあたしにニカッと笑いながら前を行く乱馬の表情が、あたしからは逆光でよく見えない。



「じゃーんけん…」
「ねえ!」


さっきよりも離れた距離から右手を肩の上にあげてみせる乱馬の掛け声を、少し声を張って遮る。



「なんでさっき、怒ってたの?」
「……別に怒ってねーよ」
「なにー?よく聞こえない」
「だからっ!別に怒ってねーっつってんの!」


嘘つき。
あれが怒ってないっていったらなにが怒ってるになるのよ。

両手の親指と人差し指を付けたり離したりして乱馬が何やらブツブツ言っているけれど、残念ながらあたしの耳には届かない。



「とにかくっ、今そっちに行くから!待ってなさいよー!」
「そーゆう台詞はおれに勝ってから言えっつーの!」




そしてまた、じゃんけんぽん。




その距離は縮んだり、近くなったり。
だけどどうしても、あと一歩の距離が埋まらない。
追いついたと思っては再び離される。




「もうずるい!乱馬ばっかり!」
「あのなー。おめーの手はわかり易過ぎんだよ」
「わかり易いって?」
「だから例えばよー。一発逆転を狙ってパーかチョキばっか出すんだもん、あかね」
「嘘っ!」
「ほんと」



「おれみてーにグーばっかでも、こうやって距離は伸ばせるんだぜ」なんて。
言われてみるとまさにその通りで、どうやら自分でも気が付いていなかった無意識の作戦はとっくに見抜かれていたようだ。


だけど。
多分、きっと。




「…わかったわよ。じゃあ作戦変更」
「おう」





「じゃんけん、ぽん!」




うん。
やっぱり。

こんな風に、今回だけは素直に乱馬がチョキを出してくれる気がした。





「グー・リー・コ!」
「みじけえ足で転ぶなよ」
「大きなお世話よっ」


まるで体育の三段跳びのように目一杯力を込めて地面を蹴ると、少しだけ二人の距離がまた近くなる。
そうして二回連続でグーを出して連勝した時だった。
そこで聞こえてきたのは、耳を澄まさなければ気付かないような、小さな小さな乱馬の声。



「……あかねはおれの許嫁じゃねーのかよ」
「え?」
「……」
「なに?もう一回言って?」


ああ、もうこの距離がもどかしい。
いっそ、こんなルールなんか無視して乱馬のところまで歩いて行ってしまおうか。
だけどやっぱり持ち掛けられた勝負事は最後まで放棄できなくて。
こんな時なのに妙な正義感が頭をもたげ、どうしたものかと逡巡していると、再び乱馬がつまらなさそうに呟く。





「嫁に来いなんて言われてヘラヘラしてんじゃねーよ」
「え?」




嫁に来いって……。

それって。





「…聞いてたの?」
「聞いてたんじゃねーよ。たまたま聞こえたんでぃ」
「どっちも似たようなものじゃない」




そう。
あれは工場で、実際に機械に糸を張ったりサンプルを見せてもらっていた時のことだった。

二時間ほど簡単に工場を見学すると女子は機械の細々とした作業に当たるのに対し、男子達は倉庫のサンプルや反物の整理に取り掛かるらしく、男女別チームに分かれさせられたあたし達。
なんでも見本反だけの重量でいよいよ二階の床が抜けそうな勢いだと言っていたから、もしかしたら職業体験受け入れのもう一つの目的は若い重労働要員確保のためだったのかもしれない。

なにはともあれ、ブツブツと文句を垂れて暖房の効いていない二階の倉庫に行く男子チームの中から乱馬の余計な一言が聞こえてくる。

「ぜってーあかねより、おれのほうが器用なのにな」
「ちょっと。聞こえてるわよ」

大体、女の子に向かって「おめーの怪力の見せどころじゃねえか」とは何事よ。

「あかね、頼むから機械は壊すなよ?」
「うるっさいわねえ。いいからさっさと行きなさいよ!」



とはいえ、実際あたしが不器用なことには変わりなくて。
器用にひょいひょいと糸を掛けていくゆかとさゆりの隣で、一人作業に苦戦するあたし。
なにも家庭用の針と糸という小さな穴でもないのに、なんでこんなに手強いんだろう。
その糸が横10m以上にも続く長い道のりを目にふう…と溜め息をつくと、そこで声をかけて来てくれたのが後に工場を継ぐ工場長の息子さんだった。
歳は……おそらく二十代半ばだろうか?
ニコニコと愛想がよく、上下ベージュの作業服に身を包んだ姿と素朴な顔立ちは決して今時な感じではなかったけれど、見るからに人の良さそうな笑顔が初対面のあたしをほっと和ませてくれる。

「大丈夫大丈夫。僕も最初は慣れなかったから」
「本当ですか?」
「うん。大体、この工場の中が暗過ぎるんだよね」

「そうなんです。だから手元がよく見えなくて」とは流石に言えず曖昧な笑顔を返していると、その後ろから突然大きな声で冷やかしてくるのは、いわゆるパートのおばさんだった。
その風貌から、おそらく50歳過ぎといったところだろうか。


「あら~!なんだかお二人、いい感じじゃない?」
「え?」
「ちょ、ちょっとタカ子さん、やめてくださいよ!」

そう言えば。
最初の挨拶の時にも工場長の隣に立ってたびたび茶々を入れていたのはこのタカ子さんだったっけ。
きっとこんなやり取りも普段からしょっちゅうなのだろう。
「頼むから余計なことを言ってくれるな」というように制止する次期工場長を振り切って、尚もタカ子さんが悪びれることなく続ける。

「なに言ってんのよ、ヨシ君。工場の跡継ぎなら早くお嫁さん探すのは大事なことでしょうが」
「タカ子さん!」
「またまた、ヨシ君だって満更でもないクセに照れちゃってぇ」

遠慮なく"ヨシ君"の脇腹を小突くとあたしの胸元に貼ってある名前のシールを確認し、

「天道あかねちゃん…あかねちゃんかぁ、かわいい名前ね」
「あ、ありがとうございます」
「あかねちゃん、どう?このヨシ君。これで結構、良い人なのよ!」
「はあ…」
「ところであかねちゃん。あかねちゃんは今、恋人とかいるの?」
「それは…」


乱馬は許嫁…だけど。
恋人、ではないわよね。
本当は真面目に答える義務はないのかもしれないけど、一応職業体験をさせていただいている恩と、それから目上の方に対する礼儀として律儀に答える。

「お付き合いしている人はいませんけど…」
「だったら受験なんてしないであかねちゃんがお嫁さんに来ちゃえばいいのよ。うん、決まり!」

「よかったわね~、かわいいお嫁さん候補が見つかって。今晩はお赤飯ね!」
と、まるであたしの家族を思わすような強引さで話題を締めくくりながら、その後も業務が終わるまで事あるごとにその話題を振ってきては茶化すだけ茶化して去っていく。
果たして本気で"ヨシ君"の幸せを願っているのだろうか?と疑わざるを得ないような状況で、それでも最初は「タカ子さんには困ったな~」と頭を掻いていた"ヨシ君"の目が少しだけ本気になってきていたのも事実だ。

だけどそんなの、あくまで社交辞令。

どうせ職場体験を終えたら接点はなくなるのだし、あたしはあたし、工場では工場のいつもの日常がまた回り出す。
そんなことわざわざ言うまでもないと思っていたから、乱馬に言われるまですっかり忘れてしまっていた他愛もない出来事だ。


「ああ…」と、やっと思い出したあたしの態度を面白くなさそうに見つめながら、挑発するように乱馬が悪態をつく。


「良かったじゃねーか。さっさと就職先が見つかって」
「あのねえ。あんなの、社交辞令に決まってるでしょうが」
「どーだかな」
「ちょっと。それ以上言ったら本気で怒るわよ?」


そうよ。
あんなことでいちいち突っかかられるなんて、あたしにしてみたらたまったもんじゃない。
今度こそじゃんけんゲームなんて無視して、乱馬に一発お見舞いしてやろうかと本気で思った時だった。




「こ、恋人じゃないかもしんねーけど、一応、その…お、おれ達って、許嫁じゃねーかっ」
「え?」
「だ、だから、その…っ」
「その?」
「……っ、…やっぱいい!」
「なによそれ。言いたいことがあるなら最後まで言いなさいよ」
「うるせー!元はといえばあかねがヘラヘラしてんのがわりーんだろーがっ!」
「だからヘラヘラなんかしてないってば」


あのねえ。
ヘラヘラっていうのは三人娘に迫られてる時のあんたの表情のことを言うのよ。
今度その時が来たら手鏡でも持って見せてやろうかしら。
そこまで考えて、ふと気づく。




「…ねえ」
「なんだよっ」
「もしかしてだけど」
「あん?」
「あんた、あたしに"許嫁がいます"って言って欲しかったの?」
「……」
「ねえ、乱馬」
「…るせえなあ。いーからゲーム再開するぞ。早くしねーと次の電車が来ちまう」



ずるい。

そう思いつつ、確かにうっすらっと辺りが暗くなってきているのを感じて、取りあえずあたしも拳を頭上に振り上げる。





「じゃーんけん、ぽん!」





「ちょっとー!こんな時くらい、少しは負けたらどうなの!?」
「おめーがじゃんけん弱いのがわりーんだろーが!」






「じゃーんけん、ぽん!」





「もうっ!」
「おまえ、あれか?わざと負けてんのか?」
「そんなわけないでしょ、ばかっ!」





そして再び、じゃんけんぽん…。





冬の日が暮れる時というのはあっという間で。
夏のようにゆったりと空の色が濃く変わっていく変化を楽しむ隙もないまま、じわじわと空を覆う薄暗い膜は瞬く間にその風景を夕方から夜の訪れを感じさせる姿に変えていく。
もうとっくに互いの手の形など、目では識別できない。
それでもムキになりやすいあたし達は「やめよう」とは言い出せず、なんだったらこの駆け引きを終えるのが惜しいというようにゲームを続ける。



「じゃーんけん、グー!」
「じゃーんけん、パー!」



いつの間にか口頭で交わすようになっていたじゃんけん。
それもそのはず、日が暮れてきたというのもあったが、あたしと乱馬の間の距離は優に30m以上は離れていた。
だけどようやくあたしにも運が向いてきたのか、ここにきて急に乱馬に勝ち続けては、少しずつその距離を縮めていく。





「じゃーんけーん、…」
「じゃーんけーん、チョキ―!」
「……」
「ねえ、乱馬なんて言ったの?聞こえなかったー」
「うるせーな。どーせパーだよ!」
「やったぁ!じゃあまたあたしの勝ちね!」



また六歩分だけ近付くあたしと乱馬。




気が付くとこんな真っ暗な中で。
外灯も殆どないような畑道の暗闇で、不思議と乱馬の姿だけは見えるような気がした。




「じゃーんけん…」
「あかね」


不意にじゃんけんの掛け声を遮り、乱馬があたしの名前を呼ぶ。


「なにー?」
「今日ってさ…、その……」
「ごめん、聞こえなーい!もうちょっと大きな声で言ってー!」
「…っ」



なんだろう?


突然その場にしゃがみ込み、何やら頭をがしがし掻きむしると、いつもの帽子をかぶり直して再び立ち上がる。
そしてパンッと両手で自分の頬を叩くと、こちらを向いて声を張り上げる。




「あのなーっ、よく聞けよー!」
「うんっ」
「おれ、これからパーしか出さねーから!」
「はあっ!?」
「いーか?とにかくパーしか出さねーからな!」



何それ。
まったく、意味がわからない。
もしかすると、ここ連続で自分が負けてるからってまた心理戦?
それとも次の電車の時刻がいよいよ気になってきただけ?
またもやグルグルと考えるあたしに、ダメ押しのように乱馬が念を押す。


「いーから。おめーは勝つことだけ考えりゃいーんだよ!」
「言ったわね!今度こそ嘘ついたら承知しないんだから!」


本当は。
また乱馬の引っ掛けかもしれないとグーやパーを出そうかな、なんて一瞬思ったけれど。

「かわいくねえ」

なんだかそう言われる気がして。
そして今日だけはそう言われたくなくて、あたしはご丁寧に手の形までチョキにする。





「じゃーんけん、パー!」
「じゃーんけん、チョキ!」



あ、本当だ。
今度は本当に乱馬がパーを出したから、その分だけあたしは勢いをつけて土を蹴る。





「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト!」





六文字分、近付いて。







「じゃーんけん、パー!」
「じゃーんけん、チョキ!」





チ・ヨ・コ・レ・イ・ト







また六文字分、近付く。







「じゃーんけん、パー!」
「じゃーんけん、チョキ!」





チ・ヨ・コ・レ・イ・ト





近付いて。
近付いて。







「じゃーんけん、パー!」
「じゃーんけん、チョキ!」





チ・ヨ・コ・レ・イ・ト…








気が付いたら、もうほんの数メートル先に乱馬の姿を捕らえていた。
お互い、精一杯手を伸ばしたら手が届いてしまいそうな、ほんの僅かな距離。

少しだけ息の上がったあたしは、手に持った鞄を持ち替えると口を開く。



「あのね」
「なに」
「乱馬はあたしの許嫁よ」
「…」



だけど。
それは親が勝手に決めただけの許嫁であって、二人の意思でもなければ恋人同士でもない。
ただ、肩書きだけの"許嫁"。



「許嫁だけど…」
「…」




そろそろ、それだけじゃあ物足りないの。
そんな風に言ったら、この煮え切らない許嫁はどんな顔をするのかしら。

あたしは鞄の奥底にしまってある包みに勇気をわけてもらうように、そっと上から撫でる。




「…あのね。もう乱馬は無理やりパーを出さなくていいから」
「へ?なんだよ、いきなり」
「だけどあたしは……次もチョキを出そうと思ってる」
「あかね…?」
「…」




だって今日はこんな日だから。






暗闇とはいえ、お互いの手の形がはっきりと見える距離であたしはすっと右手を差し出す。



「いい?じゃあいくわよ」
「…おう」





「じゃーんけん…」
「じゃーんけん…」







"ぽん"の合図で差し出した手の形は。

やっぱり乱馬がパーで、あたしがチョキ。





きっともう、想いは伝わっているはずで。




「言っとくけど」
「なんだよ」
「…受け取っちゃったら、もう返品はきかないんだからね」
「……おう」



お互い少しだけ照れくさくて笑った後、





「じゃあ。行くね」











「チ・ヨ・コ・レ・イ…」








最後の二歩は乱馬のことを追い抜かさないように小さな歩幅になって。



そして「ト」を言った瞬間。
ぼすんと。



あたしの身体は、チャイナ服の胸の中。








ぎゅっと顔を押し付けられた胸。
背中に回された逞しい腕。


(あ…なんか土の匂いがする……)


その背中に手を回すことはなんとなく躊躇われ、それでも急速に火照ってくる頭でぼんやりと乱馬の鼓動を感じる。
二人の間に短い沈黙が訪れ、それを破ったのは乱馬の方だった。




「おい。これって、その……」
「…なに?」
「だ、だからっ!そ、そーいうことでいいんだよな?」
「なによ、そういうことって」


本当はわかっているけれど。
お昼から理不尽に無視されたんだから、このくらいの意地悪な仕返しは許して欲しい。
だけどそこはやっぱり乱馬で、こんなあたしの態度が気に入らないらしくあからさまにムッとした声を出す。



「ったく、おめーは相変わらずにぶいな!」
「はっきり言わないあんたが悪いんでしょうが」


それにしても、こんなぎゅうぎゅうと抱きしめといて「にぶい」はないんじゃないの?
そう言ってやりたかったけれど、この腕を離されるのはなんだか惜しくてその言葉は飲み込んだ。



(どうしようかな。やっぱり少しは助け船を出した方がいいのかしら)


ほんの少し、情け心が湧いてきた時だった。
再び意を決したように乱馬が口を開く。



「だ、だから、ほら!今日は世間一般ではいわゆる、その……」
「その?」
「だから、えっと…」
「…なに?」
「お、おめー、完全に遊んでるだろ!?」
「遊んでないもん。真剣に聞いてあげてるだけよ?」
「その声が既にふざけてるっつーんだよ!」


ああ、ほんと面倒くさいんだから。
バレンタインデーの単語すらスマートに言えないなんて、おばさまが知ったらまた刀を抜きそうね。
その図を思い浮かべるだけでふふっと笑ってしまうあたしの頭を「笑ってんじゃねー!」と大きな手が押さえつける。


「もう…。わかってるわよ。今日はバレンタインデーって言いたいんでしょ?」
「ま、まあ、そうだな」



そしてそれをわかって乱馬の胸に飛び込んだあたしと、それを受け止めた乱馬。




「…なによ。今更やっぱりいらないなんて言っても知らないんだから」
「ん、んなこと、誰も言ってねーだろうがっ!」
「そう?」
「……でも」





でも?





「…ョコにしては、なんか甘いのが足んねー気がする……」




…その言葉を耳が認識した瞬間、あたしの顔に影が落ちてきた。





重なったのは、少しカサついているけれど柔らかな唇。
ほんのちょっと押し付けられた後、ゆっくりと離れていく。




「あ…」
「……見んじゃねーよ、おれの顔」



こんな時なのに意地悪くて。
自分がかぶっていた帽子であたしの顔を覆うようにすっぽり隠すと、また温かい感触が唇に降ってくる。



他に誰もいない真っ暗な畑道。
あたしもそっと乱馬の背中に腕を回すと、そのままもたれかかるように聞いてみる。


「……ねえ。これって、チョコの代わりになるの?」
「…さあな」

「っつーか…チョコより甘い」なんて。
きっとこれも、バレンタインの魔法なのかもしれない。


お互い顔を見るのがなんだか恥ずかしくて、ぎゅっと抱き合ったままトクトクと聞こえる鼓動に耳を傾ける。
…と、そこであたしは手に持った鞄の中身を思い出した。




「乱馬」
「なに?」
「一応、本物のチョコも用意してあるんだけど……」
「え…、そ、それって、おれに…、だよな?」


あのねえ。
ここで「ううん、お父さん用よ」なんて言ったらそれこそおかしいでしょうが。
そんなどこまでも不器用で、恋愛にはとんと鈍い乱馬が少しだけかわいいと思ってしまうなんて、これも惚れた弱みというものなのかしら。


「あ、あのな?一応確認しとくけど」
「なによ」
「それってまさか、あかねの手作り……」
「うん、手作り」
「えっ!」
「…じゃなくて、残念ながら既製品よ。ガッカリした?」


なによ、その心底ホッとした表情は。
これがついさっきキスをしたばかりの相手に見せる表情だなんて本当に失礼極まりないんだから。



「…やっぱりやめようかな、このチョコあげるの」
「へ?」
「だってどうせなら手作りのチョコあげたいし」
「だーっ!待て待て!い、いいから落ち着けっ!」


「わざわざ忙しいのに悪いから」とか「おれは既製品でも充分嬉しいんだ」とか。
いつになくあたしを気遣う台詞を並べながら、

「あ、でもやっぱり今はいらねえ」

と予想外なことを口にする。



「なんで?せっかく持ってきたのに」
「い、いや、その…だな」
「…心配しなくても、ちゃんと買ったやつよ?」
「だ、だから、そーいう意味じゃねーっつーの!」

情けないくらい、自分の気持ちがシュルシュル小さくなって落ち込んでいくのを感じる。
そんなあたしの様子を見て、「なんでそう鈍いんだよっ」と悪態をつくと

「きょ、今日の夜!家帰ったら、その、あかねの部屋に貰いに行く…から」

ぼそりと。
呟いたその表情は、残念ながら帽子の影になってよく見えない。


「ねえ、それって…」
「…っ」
「乱馬?あの…」
「いーからほら、帰るぞ!ほんとに次の電車の乗り遅れちまう」



もう、ずるい。
いつも言いたいことだけ言って、最後はこんな風に誤魔化してしまうんだから。
ずんずんと前を早足で歩きだした乱馬に、引きずられるようにしてあたしも歩く。



だけど。


さっきまでと違ってぎゅっと繋がれた手の先から感じるのは、少しこそばゆいような乱馬の気持ち。
なによ。
そんな態度したって、後ろから見える耳の裏まで真っ赤に染まっているのはバレバレなんだからね。




「…ふーんだ。スケベ」
「ス…っ!お、おれのどこがスケベだっつーんだよ!?」
「だってそうじゃない。年頃の女の子の部屋に夜わざわざ尋ねに行くなんて」
「ばか。あかねが来て欲しそうだったから用事を作ってやったんじゃねーか」
「よく言うわよ」



ああもう。
ああ言えばこう言う、どこまでも素直じゃない乱馬にかわいくないあたし。
だけど心はほかほか温かくて。
繋いだ手をぎゅっと握り返すと、目の前の乱馬を追い抜くように歩を速める。


「なんだよ」
「別にぃ」
「おい、みじけえ足で無理すんな」
「あんたってどうしてそう、一言多いのよ」


とびっきり甘いムードになれないあたし達は、チョコはチョコでもビターチョコ。
それでも精一杯の勇気を振り絞り、何でもないことのように言ってみる。


「だって」
「なに」
「今晩、あたしの部屋に来るんでしょ?」
「え…っ、ま、まあ…」
「……だったら早く帰らないと」
「…っ!」



気が付くと二人で手を繋いだまま駆け出していて。
口から吐く息が白い塊となって夜の闇に溶けては、またぶつかる。


もしかしたらもう次の電車はとっくに行ってしまったのかもしれない。
だけどそれでもいい。
今度は二人で待っている時間もきっと楽しいはずだから。




「乱馬」
「なんだよ」
「……やっぱりなんでもない!」
「変なヤツ。あ、変なのは元からか」
「だから、どうしてそう一言多いのかって聞いてるの!」





また夜、あたしにも甘いのを分けてくれる?なんて。



少しだけ先の未来を考えて笑みが零れるあたしを、頭上に輝く銀色の月だけが見ていた。



Cv4au2NUMAAdLKj[1]



< END >

※ ホワイトデー話【不器用な魔法使い】へ続きます。





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comment (27) @ 高校生編 イベント編

   
4. 大好きな二人  | スイッチ 

comment

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2017/02/15 Wed 07:00:45
キィィ~ヤァァ~~~ッッ!!! : 憂すけ @-
朝っぱらから、謎の奇声を上げております!!やだもう!kohさん&縞さんの超最強コンビ!!また、是非・・・と熱望していた矢先にぃぃぃーっ!!良いー!イラストもー!お話もー!・・・正直、この年でね、こんなにドキドキしたり萌え萌えしたりって、実際無いんす。(当たり前?)なのに・・・あたしゃー、幸せモンです!妄想オタで、本当に良かったー!!(>_<) 思わず、PCから目を離せず。子供達が登校する時も、一切席を立たず。(鬼母)夢中で拝読させていただいたです!田舎の工場でのやり取りもねー、”あぁ、有りそう!”と。タカ子さんもよし君も、リアルにいるよー、と。だから、素敵な縞さんのイラストの相乗効果バリバリで、もう、読みながら、全てが脳内で映像再生しまくりです!よし君、最初は”こんな可愛いJKなんて、まさか”って思ってたんだろーなぁ。だけど、あかねちんの素直で真面目な性格に気が付いちゃって、マジになってちゃったんだろうなぁ。そして、そこを目撃した乱馬。・・・・イヤァーー!誰か―!ドラマにして放送して下さーい!!(≧◇≦) 初々しくて、やっぱ、乱あは可愛いと再認識したっス!・・・その後の、(主に帰宅後)二人も想像を掻き立てられ捲りで!ニヤニヤでございます。あぁもう!アンチエイジングを有難うございましたー!(また宜しくっス)m(__)m
2017/02/15 Wed 08:14:24 URL
言葉にならない……✨ : ひなた @-
し、師匠✨おはようございます✨今日は日頃の行いのお陰で急遽ゆっくりタイムが✨
ゆっくり読めて、私……溶けました✨✨✨
もう、今でろんでろんの顔しています。

( ・`д・´)キリッ✨映画にしましょう!
でっかいスクリーンで見たい!勿論縞さんのイラストでやってください~!切に切に願います!
あぁ~💕どうしよう蕩けて固まらない💦
バレンタインなんてぇ~!なんて素敵な話なんだぁ!
何気ない『グリコ』のじゃんけんにこ、こんな萌えがぁ~(≧∇≦)✨夕暮れの二人の影があたしには見える……✨映画に!ドラマに!誰かー!師匠に知り合いを紹介してー!!見たいよー!!

またまたのコラボ楽しみに待たせていただきますね!
くわー(≧∇≦)堪らない……✨✨✨
2017/02/15 Wed 10:07:17 URL
No title : あんず @-
こんにちは。
昨日に引き続き、縞さんとの素敵なコラボ作品 楽しませていただきました!
縞さんのイラストは、以前からpixivや気まぐれで乱あを求めてひっそり徘徊する(笑)Twitterで拝見させていただくことがあって(+αの楽しいツイートも…うわぁ勝手にすみません💦)、毎回繊細で美しくて素敵なイラストを描かれる方だなぁと思っていたのですが(実は今回使われたイラスト達も拝見したことありです♡)、そこにkohさんの文章が加わるなんて、こちらまで嬉しくなりました〜!
グリコとか懐かしいですね(^o^)二人の近づいたり離れたりの距離感とか頭脳戦みたいなやりとりとか、やきもち焼いてる乱馬とか、思い切って乱馬の胸に飛び込むあかねちゃんとか…全部可愛くて微笑ましかったです!若さっていいっ(笑)。その後お部屋での様子も気になります♪
電車ドアが閉まる瞬間の二人のイメージがお話とイラストでとても合っていて、最後のキス寸前の乱馬の表情とか、拍手ページの照れた乱馬と幸せそうなあかねちゃんが抱き合ってるのなどもう最高でした〜(´∀`艸)♡
お二人の素敵な作品、ありがとうございました✨
2017/02/15 Wed 15:24:14 URL
: yoko @-
近付いたり離れたりの感じがすごく好きですー(*^^*)
イラストも相変わらず美しい…(*´∀`)ほぅ
悪い顔してる友達らもいい(笑)
ちょっと二、三日落ち込んでたので元気と萌えもらえましたー(≧▽≦)
2017/02/15 Wed 20:59:08 URL
あまーーー(♡▽♡)ーーーい : RA♪ @-
もおおおおおおお
ズッキュンドッキュンヤバあーーーーイッッ‼︎‼︎‼︎
(♡▽♡)♡(♡▽♡)
前回に引き続き縞さんとのコラボ最高(((o(*゚▽゚*)o)))♡
縞さんの繊細な美しいイラストがkohさんの躍動感ある文章と相まってより作品にのめり込めますヽ(*^ω^*)ノ
悪友の裏切り最高!
嫉妬する乱馬くん最高!
線路沿いをグリコする乱あ最高!
ワザと負けて薄々VDに気付かせようとする乱馬くん最高!
ワザとに気付かず持ち前の健気な真面目でジャンケンするあかねちゃん最高!
チ.ヨ.コ.レ.イ.ト最高!
チョコよりも甘いもんって…あるんですね☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆←目ぇキラッキラで
きゃーいーないーな乱あいーな♡
可愛すぎ♡
夜はあかねちゃんの部屋で甘〜いVDの続きをしちゃってください(≧∀≦)
はぁ〜今回もすごくすごくすごく面白かったです♡
ズッキュンドッキュンでした♡♡
2017/02/15 Wed 23:50:51 URL
No title : 縞 @-
あれ。すぐにコメントしたはずなのにまた弾かれちゃった…?
もー、バレンタインでグリコじゃんけんを使うなんて、思いもよらなかったです~/////
思えば、診断メーカーが出したお題で「あなたは電車に乗り遅れて怒る乱あの絵を描きましょう」だったんですね。
で、田舎者の私は山手線なんか2、3分だし、ほかの線だって長くて10分待てば次が来るのに怒ることなんて有るかなぁ?と思ってゆかやダイスケに嵌められた乱あが思い付いたのでした←苦し紛れwww
だがしかし、良くやった!私!!
こんな胸熱な話にしてくれて、後は下描きの線ぐらい消しとけぇ~。゚(゚´ω`゚)゚。ピーってぐらいですかね……!!www
描き直ししてますがやはり雰囲気が変わっちゃうので中々進みません:;(∩´///`∩);:
気長にお待ちください~♡♡
2017/02/16 Thu 00:20:02 URL
Re: No title : koh @-
> 2017/02/15 Wed 07:00:45 コメント主様

こんばんは☆

> 萌え萌え萌えーーー!!!

この勢いのあるコメントが目に飛び込んできて、朝から私もすっごく元気になりました♡
いつもありがとうございます✨。

久々の高校生乱あ。
なんだか自分自身、懐かしいような初々しい気持ちになっちゃいました(´▽`*)。
じゃんけんグリコとか本当に懐かしいですよね♪
「もしもわからない世代の方がいたらどうしよう…」と思ったりもしたのですが、思わず書いてしまいました。

> 大学生編や社会人編なら確実にピンク展開行きそうなシチュエーション♡

ほら、私って清純華麗で清らかじゃないですか✨。
そんな、チョコが溶けて「ああ…」とか、なんだったらホワイトチョコがどーたらこーたらとか、
そんなことちっとも思いつかなかったんです。
思いつかなかったんですってばぁ♡
2017/02/16 Thu 03:08:02 URL
Re: キィィ~ヤァァ~~~ッッ!!! : koh @-
> 憂すけさん

こんばんは☆
い、いや、だからね?
なぜか憂すけさんのメッセージだけまた後半が文字化けして、私に届く最初のメッセージでは漢字オンリーで
表示されるのですが、その勢いと破壊力たるや(笑)。
憂すけさんが興奮している時は大体文字化けするこのコメントがツボ過ぎて毎回お腹痛くなる💦。

このお話の工場はもう、今までの経験を身バレしないようにいくつもミックスしながら人物・場所・規格を
少し捏造して書きました。ふふふ♡
しかし、一枚目のイラストを拝見して瞬時に脳がここまで妄想を広げるとは…他に考えることないんかい!って
自分で自分に突っ込まざるを得ません。
そして最後と拍手のイラスト、やられたでしょ?
今回も私にとって幸せ過ぎる創作でした~♡
2017/02/16 Thu 03:16:56 URL
Re: 言葉にならない……✨ : koh @-
> ひなたさん

こんばんは☆
私自身、らんまの高校生編や大学生編、社会人編を書いていて楽しいと思うのは、高校生編ならではの
お金を掛けず、だけど初々しい二人のやり取りが頭の中に浮かんだ時なんです。
これって絶対社会人編ではあり得ないな。
だからこそ、寒い冬の日に澄んだ空の下で大きな声出して二人がじゃんけんしていたらと思うと愛おしくて。

一枚目のイラストを拝見してここまで妄想が飛躍する自分もどうなんだ?と思わなくもないのですが、
不思議とこれは瞬時にしてパッとこのお話の風景が浮かんだんです♡
普段pixivでリアルタイム投稿されるお話以外は他の方からの影響を受けないように、私は乱あのお話や
イラストを極力目にしないようにしているです。
「もしもネタがかぶったら…」とか考えると過去のお話に遡れなくて…。
(なので自分が創作を終えたらきっと今まで他の方が書いたお話を読み漁ります)。

だけど私の中で大好きなイラストを描かれる方が数人いらっしゃり、その方のイラストはついつい
拝見してしまうんですよね。
で、この一枚目を拝見した時「こ、これは!」と妄想の神が降りてきまして。
どうしてもバレンタインに投稿したいお話となったので、とっても楽しかったです♡
思いがけずすごく長いお話になってしまったのですが、読んでいただいてありがとうございました✨。
2017/02/16 Thu 03:26:39 URL
Re: No title : koh @-
> あんずさん

こんばんは☆
縞さんのイラスト、そうだったんですね!
私もpixiv時代から縞さんのことは存じていたのですが、Twitterで探す方法が最初はわからなくて💦。
最近、Twitterのメディアというところから画像だけ(?)を遡れることを知って感激しているくらい
遅れてる感が否めないながらも、素敵なイラストを楽しませていただいています♡

こちらの高校生編はなんだか優しい気持ちで書いていました。
あかねちゃん視点って私にとっては課題というか、毎回難しくて「ああ、やっぱり乱馬視点にしときゃ
よかったか?」なんて思うこともしょっちゅうなのですが、やっぱりバレンタインですからね。
女の子視点で描くじゃんけんグリコに、私ももどかしくなりながらも楽しく創作することが出来ました♡

一枚目のイラストから生まれたこちらのお話ですが、ラストと拍手のイラストがもう…♡という
感じですよね(´艸`*)。
その後のお部屋では、どうか天道家の邪魔が入らず甘い夜になることを願っています(笑)。
2017/02/16 Thu 03:32:50 URL
Re: タイトルなし : koh @-
> yokoさん

こんばんは☆
幼い頃は何気なくやっていたじゃんけんグリコも、乱あの手に掛かればこの萌えですよ。
すごいな、この二人(笑)。
なにやってもかわいいなんてずるい(^▽^;)。

どこまでもどこまでも、乱あの幸せを応援してくれる悪い顔した(?)四人組が愛しくてたまりません♡
本当はね、この四人も幸せに…と思いつつ、そんなスピンオフ的なものを書いている余裕はないので(おいっ)
頭の中でいつもこの四人の幸せを祈っています(笑)。

実は私も二月上旬から(六花創作中)から色々と思うところがあって、六花はともかくその後がなかなか
苦戦してたのですが←セツブンを書いておいてどの口が言う 汗
今回は素敵なイラストの力をお借りして書き上げることが出来ました✨。
2017/02/16 Thu 03:38:23 URL
Re: あまーーー(♡▽♡)ーーーい : koh @-
> RA♪さん

こんばんは☆
思えば最初のイラストや、お話のスタートからどうやってバレンタインに絡んでくるんだ?って
感じでしたよね(´▽`*)。
でもなんだか、今年はピンク色のない初々しい乱あのバレンタインが書きたくて浮かんだお話です♡

RA♪さんのコメントにある通り、登場人物みんなの"わざと"が重なり合って少しずつ二人の距離が
縮んでいく感じが個人的に萌えておりまして(´艸`*)。
一枚目のイラストで乱馬が冬ならではの帽子をかぶっているのに気付いた時、「この帽子を使って
何かアクションを起こしたいな~」なんて思ったのです。

ただのチョコレートじゃありきたりかな、と思った時に浮かんだアイデアだったので
「チ・ヨ・コ・レ・イ・ト」はわたしも気に入っていて(´▽`*)♡
それをこんな風に温かいコメントで受け入れていただけて、私もとっても幸せなバレンタインになりました。
ありがとうございました✨。
2017/02/16 Thu 03:45:03 URL
Re: No title : koh @-
> 縞さん

こんばんは☆
この度は急なイラスト使用のお願いにも関わらず、快諾していただき本当にありがとうございました✨。
実はメールをした後に「やっぱりあとの二枚はこんな急になってからお願いするなんて図々しいにも
程があるよなぁ」と我に返り、「すみません、さっきの戯言は忘れてください!」と打っているところに
縞さんからのお返事だったので感激しました✨。

あのイラストは診断メーカーだったんですね!診断メーカー、GJです(´▽`*)b☆
ちなみに…天道家のある練馬区だったら、電車を逃してもせいぜい10分ほどで次が来るんですよね。
それでこんな怒るかなぁ?と思った時に、妄想がぶわーっと広がり、だったら電車の本数の少ない地方に
行かせちゃおう、あ、でもさゆり達も一緒なら学校行事だな。でもってそこそこ少人数じゃないと
乗り遅れた他の同級生と喋って次の電車を待ってしまうようなぁ…ならば校外学習だ!みたいな。
そして車も通らないような線路沿いの畑道だったら、勝負事でムキになりやすい二人はただ歩くよりも
じゃんけんグリコしそうだなぁとか、「グリコ・パイナツプル・チヨコレイト」…あっ!となったわけです。

こういう、ストンと妄想が降りてきた時ってすごく楽しいんですが、他の方のイラストをお借りする以上
その世界観を壊さないようにと思うと緊張してなかなかキーが進まなくなってしまったり💦。
でも結果的に、私個人としてもお気に入りの一作になったのでホッとしています(´▽`*)✨。
「チョコはチョコでもそうきたか!?」
読んでくださった方がそんな風に裏切られた気持ちになってくれたら、もう大満足~♡

あと…せっかく「描き直しを~」と言ってくださっている縞さんに言うのは本当に心苦しいのですが、
じ、実は私は少し下描きの線があるくらいのイラストのほうが好きなんです…(/ω\)///。
もちろん、きれいに清書されて色の塗られたのも大好きなんですが、あの鉛筆とペン入れだけの
ふわりと空気をはらむような線の動きが"絵が生きている"感じがするんです。
これはもしかしたら絵を描かれる方とそうじゃない者で感じ方が異なるのかもしれませんね💦。
なので、ラストや拍手のイラストはあの雰囲気のまま…というのもいいな、なんて個人的に思ったりします。
そもそも一枚目も私にしてみたら「え?これで描き直したいの?なぜ?」という感じなのですが(^▽^;)。

とにかく、創作していてとても幸せな気持ちになるバレンタインとなりました。
本当にありがとうございました✨。

PS. なんでコメント弾かれているんでしょう💦。
ちょっとこちらでも設定をみてみますね。お手数をお掛けしちゃってすみません(>_<)!
2017/02/16 Thu 04:06:30 URL
No title : 縞 @-
あ、ほ、ホントですか?。゚(゚^ω^゚)゚。

いや、自分でもアレがおかしいコレがおかしいとは思うものの、既にkohさんの目に入っている以上、この雰囲気を壊しちゃいけない。違和感にしかならないはず~……と思うので余計苦戦しちゃうんですが…www
じゃあコレはこのままって事で~(๑´ڡ`๑)テヘ♡♡

コメント送る時に4桁の数字入力の場面で広告踏んだりして送信失敗する事も多いんです。
広告踏んだ後ブラウザバックして画面に戻ると送れてないのに、時間を置いて下さい、とか前回の投稿と中身が被ってますとか言って弾かれる事があります。
ソレは自分のせいなので仕方ないですが、今回は2/15の0:20か0:40くらいにコメント送信して「送信しました」の画面も見たはずなのにな~???と不思議でした…。

後、先にコメント頂いてる方で私にも暖かいメッセージを送って下さってる方ありがとうございます(:D)┓ペコリンチョ♡♡
今回は全てkohさんのご好意で私も素敵な体験が出来ました~/////󾭛
本当にありがとうございました~♡♡
2017/02/16 Thu 07:55:08 URL
Re: No title : koh @-
> 縞さん

早々のご返信、ありがとうございます(*‘ω‘ *)。
絵を描かれる方にはその方なりのこだわりがあるだろうから、あまり余計なことは言わない方がいいかな、と
思いつつ、ついつい本音を書いてしまいました(/ω\)//。
でもあのままのイラストを使うことを快諾していただいてとっても嬉しいです♡
やっぱりあの雰囲気が好きなんですよねえ…♡

私もあるあるなのですが、意外とざっと描いた一回目の方が表情とかちょっとしたところが良かったりとか
ありませんか?
なのに、「ああ~、なんでこんな雑に塗ってしまったんだぁ」とか「ペン入れで失敗した!下描きのままに
しておけばよかった~!」とか。
私は人物ではないのですが、仕事の幾何柄や花柄でよくこの症状が起こります(笑)。
流石に一本線にしないと機械が認識しないので清書を余儀なくされますが、人物とかってラフな感じや
優しい鉛筆の跡の残るモノクロも好き♡
むしろ最近はそういうイラストが減ってきている気がするので、個人的にはそういうのをもっとみたいなって
思ったりします。なので今回の三枚は好みにドンピシャで。
あ、でも縞さんのコピック使いも好きなんです。
特に髪の毛や服の陰影、あとあかねちゃんの唇の塗り方が。…え?引いちゃダメです。引かないでください。

あと!コメントの件ですが、先程ちょっと変えてみました。
まずNGワードをなくしたのと、認証キーをやめてみました。
これで改善されるといいのですが…すみません💦。
2017/02/16 Thu 08:25:03 URL
懐かしい(*´艸`) : ようこ @-
小さいときよくやった記憶が蘇りました(*´艸`)

やっぱり乱馬君、ヤキモチからの機嫌悪かったんですね(〃艸〃)ムフッ
チ・ヨ・コ・レ・イ・トで抱きしめるところ♡(//*■*///)キューン♡ってしちゃいました(*´艸`)

久しぶりに覗いてみたら更新されてて出遅れちゃいました(*ノ-;*)エーン
2017/02/16 Thu 12:04:50 URL
Re: 懐かしい(*´艸`) : koh @-
> ようこさん

こんにちは♪
じゃんけんグリコ、やりましたよねえ(´▽`*)。
今の子達って知ってるのでしょうか?
歩道の狭い道では難しいけれど、こういう遊びは続いて欲しいですね(´艸`*)♡
そしていつか、リアルでこんなバレンタインを…くう~、いいっ!
ああ~💦、学生時代にこのネタが降って来れば…。←やる気だな、こいつ

> チ・ヨ・コ・レ・イ・トで抱きしめるところ♡(//*■*///)キューン♡ってしちゃいました(*´艸`)

そう言っていただけて嬉しいです(/ω\)//。
もうね、ほんとさっさと付き合っちゃいなさい。
みんな許すからっ!
あ、でも何歳になってもヤキモチ乱でいてね。
うん、やっぱり高校生乱あはかわいいなぁ(´▽`*)♡
2017/02/16 Thu 13:56:12 URL
素敵です~。 : ネコタ @-
甘いーー!そして、良いですね~☆
縞さんとのイラストコラボ^^
アナログは温かみがあって良いですよね~。私も好きですv
最近はCGなので、久々にアナログで描きたくなりました(ウズウズ)

素敵なイラストとお話をありがとうございました!
2017/02/16 Thu 22:42:46 URL
Re: 素敵です~。 : koh @-
> ネコタさん

こんばんは☆
わああ~、ネコタさんからそんな風に言っていただけるなんて💦。
嬉しいです(/ω\)///。(いや、私が絵を描いているわけではないのに…)

CGにはCGの良さが、アナログにはアナログの良さがそれぞれありますよね♡
でも今ってCGの上手な方が多くて感心しちゃいます。
私の大学時代なんてPhotoshopやIllustretorを何とか駆使してプレゼン…という感じだったので、
時代の変化についていけない💦。←…。

またネコタさんのCGやアナログも拝見したいです♡♡♡
是非是非!そしたらpixivに覗きに行っちゃいますよ~(´▽`*)♪
2017/02/16 Thu 23:52:36 URL
連続投稿失礼します : ネコタ @-
連続投稿失礼します。
あわわ~。kohさんに『イラストを拝見したいです。』と言っていただくとは…。もったいないお言葉です><
ドリルの用に高速で地面に埋め込みます。あばばばっっ~ドッドッドッ。←乱れてすみません。
でも、誉められると調子つくやつなので、何かお題を頂ければ何かしら描かせて頂きますヨ^^

それでは、連続投稿並びにお見苦しいコメント失礼いたしました。
また、お話お待ちしていますーヾ(≧▽≦)ノ

あっ。余談ですが、kohさんから『PhotoshopやIllustretor』という単語が出るとは…。何かしら近い職種を感じました(笑)
2017/02/17 Fri 02:19:19 URL
Re: 連続投稿失礼します : koh @-
> ネコタさん

おはようございます♪
え、え、ええ~っ!!
あ、あの、そんなこと言っていただけたら本当に調子づきますよ?このおばさんは。
あー、どうしよう…。
ネコタさんの絵柄で描いて欲しいお話がパッと浮かんでしまった…。(朝の5時だというのに…)
ど、どうしよう…もしも書けたらこそっと相談します(笑)。
あ、でも本当にこのおばちゃんは図々しいので、「無理」と思われたらきっぱりさっぱり言ってください。

ちなみにPhotoshopやIllustretorは大学のプレゼンで必須だったんですよ。
それが出来なければ話にならないっていう感じで、当時は独学ながら必死でMacと格闘してました💦。
『サルでもわかるPhotoshop』とかいちいち本も高くて(懐)、でも楽しかったなぁ✨。←遠い目
まさかスキャナー&プリンター&コピーが複合機として一つになるなんて考えられない時代でした(笑)。
2017/02/17 Fri 05:39:14 URL
管理人のみ閲覧できます : @
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017/02/17 Fri 16:15:10
Re: 連、連、連続投稿失礼します。 : koh @-
> 2017/02/17 Fri 16:15:10 コメント主様

了解致しました♪
ありがとうございます✨。
2017/02/17 Fri 23:36:07 URL
ステキすぎます✨✨ : おきゅう @-
萌えハゲるとはこのことか…orz✨というくらい好きですっ( ;∀;) 丸ハゲにされました〜💕

もうずっとグリコやっててほしいw
ただのゲームだけどそれが心の距離とリンクしているこの仕掛けがステキでした(*´꒳`*)
お部屋でのやりとりも覗き見したいくらいですw

突然のコメント失礼しましたm(_ _)m








2017/02/19 Sun 22:50:35 URL
Re: ステキすぎます✨✨ : koh @-
> おきゅうさん

おはようございます✨。
もしかして昨年も一度コメントをいただいたでしょうか?(人違いでしたらすみません💦)
当時のメッセージにも、とても励まされたものでつい…。
丸ハゲ、嬉しい…でいいのでしょうか(^▽^;)。とりあえず、こちら(リ○ップ)渡しておきますね✨。

高校生乱あには高校生なりの、この頃にしかない可愛さがありますよね♡
チョコレートのでてこないバレンタインのお話を書きたかったので、仕掛けがステキと言っていただけて
嬉しいです(´艸`*)♡

あー、でも来年は王道の社会人編バレンタインかしら。←早くもネタ切れ感
もしくはその後の部屋でのやり取りも美味しいなあ♡
なにはなくとも妄想の尽きない二人です(´▽`*)。
コメント、ありがとうございました✨。
2017/02/20 Mon 05:12:05 URL
わぁっ ゚+.(*゚д゚*).+ ゚ : おきゅう @-
わっ💦 昨年コメントさせて頂いた者です😊💦
覚えていただけてたのですか(●゚◇゚●) 恐縮です。

いつも素敵だわ~好き💓って思いながら拝見させてもらってるのですが、人見知りで筆不精なのでなかなかコメントをさせて頂くチャンスがなく😭💦

今後のおいしい展開(❤)ものんびりと待機させてもらってますね😆🎶

お返事は大丈夫ですので😊
2017/02/21 Tue 00:24:40 URL

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