不器用な魔法使い (ホワイトデー) 

2017/03/13
こちらはバレンタインデーの【線路沿いの帰り道】の続編・ホワイトデーのお話となります。
(青字をクリックするとその場所に飛びます)
バレンタイン同様、今回も縞さんに素敵なイラストを描いていただきました。ありがとうございました。
バレンタインのお話、そしてこちらの拍手話と併せてお楽しみいただけると嬉しいです。



【 不器用な魔法使い 】



一つだけ荷物もなくポツンと佇む、主(あるじ)のいない机。
それを見て、まるでおれに確認するのが当たり前のようにクラスの奴らが聞いてくる。

「あれ?今日あかねは休み?」
「見たらわかんだろーが」
「そうじゃなくて。風邪?どこか悪いの?」
「そんなのおれに聞かれたって知んねーよ」
「あー、やめとけやめとけ。今日こいつ、あかねがいないから不機嫌なんだよ」
「そうそう。家に帰ればまた会えるというのに我慢の利かない男だ」
「だーっ!何勝手なこと言ってやがるっ!」

なんだよそれ。
これじゃあ、まるでおれがあかねがいなくて一人拗ねてるみてーじゃねえか。
言っとくけどなあ、おれは全然寂しくなんかねーぞ。
うん。けっして寂しいわけじゃねえ。
寧ろ怒ってる。
頭に来ているんだ。
何にって?
もちろん、あかねに対してだ。


あのバレンタインの日からちょうど一カ月。
おれとあかねの仲は少しだけその距離を縮めた。
とはいえ、周囲の人間にはまだ内緒で。
時々。ほんの時々、二人きりになった時に勇気を出してキスするだけなんだけど。
でも、このキスまでに辿り着くには途方もなく遠くって、だからこそあの日、あかねがおれの胸の中にチョコレートと共に飛び込んできてくれた時は信じらんねーくらい嬉しかったんだ。
触れるまで知らなかった柔らかい弾力。
二人の体温で上昇して香るシャンプーの匂い。
知らないでいたからこそ平気でいられたことの一つ一つがドキドキして。
おれが目を閉じる前に瞼を伏せるあかねの表情がこんなにもかわいいものなのかと、心臓を撃ち抜かれたように鼓動が跳ねたのはおれだけの秘密だ。


(こーやって親が勝手に決めただけの許嫁って関係から恋人らしい関係になんのかな)


なんて。
そんな淡い期待を抱いていたおれは、その後に待っていたドラマチックでも何でもない、忙し過ぎる日常に強い不満を感じている。
勿論、おれだって稽古や修行もあるし、生活の全てがあかねだけというわけじゃない。
けれどそれ以上に毎日あかねは忙しそうで。
今だって"三年生を送る会"の実行委員として、連日遅くまで学校に残っては式の装飾用の飾り作りに没頭している。
あのなぁ、バカじゃねーの。そんな面倒くせ―こと誰も好んでやらねーっつーの。
そう言ってやると決まってあかねは
「そんなことないわよ!高い所や大きい飾りは女の子だけだと大変だからって田中君も佐藤君も手伝ってくれてるもの」
とムキになるけど。
そこに含まれている下心なんててんで気が付いてねーんだから、ほんとタチが悪いと思う。
大体、クラスの奴らも奴らだ。
面倒くせ―こと全部あかね一人に押し付けやがって結局は知らんぷりかよ…と思いつつ、おれも他人のことを言えないだけにそれが余計に面白くない。

不器用なくせに何でもかんでも一人で全部請け負いやがって。
それで勝手に体調崩してたら元も子もねーじゃねえか。

そんな文句の一つも言ってやろうと思い、夜に足を運ぶことはあっても朝は滅多に行くことのないあかねの部屋へ「学校への提出物がねーか聞いてくる」ともっともらしい理由をつけて尋ねた今朝のことを思い出す。
おれにしては珍しく部屋の扉を手の甲で軽く叩き、それでもノックとほぼ同時に開けたドアの向こうにはベッドの上がこんもりと膨らんでいて。
閉めきったままのカーテンのせいで薄暗い部屋の中、それでもあかねが顔を赤くして苦しそうな息を吐いていることだけはわかった。


「おい。だいじょーぶかよ」
「…」

もぞりと。
おれに顔を見せないように布団の中に頭を突っ込みながら、手の先だけちょんと出して大丈夫のジェスチャーをする。

「なんか学校に持ってくもんはあるか?」
「…」
「さゆり達に伝言は?」
「…ありがと、でも特にないわ」

掛け布団の中から聞こえてくるくぐもった声。
ったくなんだよ。そんなにおれに顔を見せたくねえっつーのか。
乙女心のあれこれなんてわからねえおれは取りあえず面白くない。
面白くないから、熱を測るフリして容赦なくその布団を首の下まで引っぺがす。


「おい」
「きゃあっ!ちょ、ちょっとなによっ」
「…おめー、すげー赤い顔してんな」
「当たり前でしょ。熱があるんだから」
「バーカ。熱があるくせに頭まで布団かぶってたせいだろーが」
「う…っ」
「んな茹でダコみてーな顔しやがって」
「ちょっと!?」
「あ、でもやっぱ普段とそんな変わんねーか」

わりーわりーと茶化せばすかさず拳が飛んでくる。が、もちろんその威力は普段とは比べ物にならない程弱々しくて。
その手をパシッと掴み、「いーから大人しく寝てろ」と言ったらめずらしく「うん…」と素直な返事が聞こえた。


「んじゃ、おれそろそろ学校行ってくる――」
「あ、ちょっと!」

なんだ?
おれの背中にあかねが呼び止める声がぶつかる。


「あ、あの、今日って…」
「なに?よく聞こえねー」

部屋が薄暗いと言葉まで聞こえにくく感じるのは気のせいだろうか。
口元に布団を当ててもぞもぞ喋っているせいか、いまいち声が聞き取りにくい。
おれがもう一度ベッドの近くに行こうとすると、

「や、やっぱりいい!それより、遅刻しちゃうからそろそろ行った方がいいわよ」
「…って、あ、やべ!んじゃ、ほんとに行ってくっから」
「うん。行ってらっしゃい」


普段は一緒に登校しているからこうやって送り出されることなんて滅多になくて。
行ってらっしゃいの言葉になんとなくむず痒さを感じながら、おれはようやくあかねの部屋を後にすると学校へと向かう。
視界の端に青い制服のスカートが揺れていないだけで、なんだか妙に静かで肌寒い朝のような気がした。








おれは天板の上に何も出ていない隣の机を、頬杖をつきながらぼんやりと眺める。
黒板の前ではひなちゃん先生が熱心に教鞭を振るうも、おれにとっては心地よい子守唄にしか聞こえない。
かろうじて机に突っ伏すのを堪えると何度目になるか分からない欠伸を噛み殺しながら、思い浮かべるのはあかねのことばかりだ。


(あかね…今頃何してんのかな。ちゃんと布団かぶって寝てっかな。あいつ、寝相わりーからなあ)


他の奴らが聞いたら何かと誤解を招きそうなことを思いながら、いつにも増して長くかったるく感じる授業を終える。
そしてようやく午前の授業が終わり、かすみさんの作ってくれた昼飯を広げたところに突然隣のクラスの野郎がやって来た。


「天道さん、いるかな?」
「あら、あかねなら今日は風邪で休みなのよ」
「えっ、そうなの?そう言えば昨日からちょっとだるそうにしてたからなぁ」

こいつは……確か、田中っつったっけ。
なーにが「昨日からだるそうに…」だよ、白々しい。
そこで気付いてたんだったらさっさとあかねを帰しててめえだけで作業しろってんでぃ。
おれはゆか達と田中が交わす会話に耳の全神経を集中させながら、音を立てないようにもぐ…っと弁当を一口かき込む。

「残る仕事もあと少しだったんだけどな…。ま、しょうがない。また明日って伝えておいて」

少しがっかりした態度を見せながら、田中が自分のクラスに戻っていく。
ったく、残る作業があと少しならそれこそお前一人で全部やれよっ!
おれは不機嫌さを隠さずに「けっ」と悪態をつくと、また一つから揚げを頬張った。
そんなおれの様子を見て、ひろしと大介がニヤニヤと笑みを浮かべながら絡んでくる。

「乱馬。お前は本当にわかり易い奴だな」
「あん?」
「ただでさえあかねが休みで寂しくてたまらないのに、そのうえ他のクラスの男があかねを訪ねてくる。確かに乱馬が不機嫌になるのもわからんではないが」
「はあっ!?」
「許してやれ、乱馬。田中だって必死なんだ」
「なんだよ、必死って」

行儀悪く箸を咥えながらじとっと返事をするおれを、半ば呆れたように大介が窘める。

「あのなあ、乱馬よ。今日は何の日か知っているな?」
「なんの日って…3月14日だろ」

それがどうしたのか?
真顔で尋ねるおれに、こりゃだめだと言わんばかりにひろしが額に手を当て、それでも大切なことを子どもに説明するようにわざとらしくゆっくり話し始める。

「いいか、よく聞け。今日はホワイトデーって言うんだぞ。ホワイトデー、聞いたことあるな?」
「バ、バカにするなっ!おれだってホワイトデーくらい知っとるわっ」

だけどあれってチョコを貰ったやつがお返しをする日だろ?
昨年までは知らねーが、今年は校外学習のおかげであかねが渡したチョコはおれ一人のはず…。
だったら何も問題ないんじゃねーのかと頭にクエスチョンマークを浮かべるおれに、今度こそ心底呆れた顔を浮かべた大介が割って入る。

「あまい。あのなあ、あかねと言えば乱馬との許嫁の肩書きに隠れながら、今もれっきとした学校のアイドルなんだぞ?」
「アイドルって、あんなガサツな女が――」
「他の男としたら、隙あらばイベントにかこつけてどうこうなりたいというのは当然だろ?」

っておい、おれのツッコミはスルーかよ。
大体、何だよ。イベントにかこつけてどうこうなるって。
言っとくけどおれはイベントなんかそんなもんなくったって……と思ったところで、実は自分自身もバレンタインをきっかけにこうなったものだからあまり大きなことは言えないのが悔しいところで。

「なんだ、急に黙り込んで。さては乱馬、イベントで何か身に覚えがあるのか?」
「う、うるせえっ!んなもんねーよ!」

ひろしの鋭い指摘に勢いで切り返し、頭の中では別のことを考える。
なるほどなあ。
確かに普段は何でもない関係でも、イベントをきっかけに近付きたいと考えるのはどうやら男のほうも一緒らしい。
ってことはすなわち、今日あかねが学校に来てたらまた他の男から放課後に言い寄られてたかもしんねーってことか。
そう思うと、それはそれでまた面白くなかった。

大体、あいつはスキがあり過ぎんだよ。
自分の不器用も顧みず、何でもかんでも親切心だけで首を突っ込みやがって。
三年生を送る会の飾りつけなんざ、どう考えてもおれの方が上手に手早く出来るに決まってる。
なのにあいつときたら、他の奴らが面倒くさがってやらねーことまで手を出しやがって。



……。





「…なあ。ちょっと聞きてーんだけど」


隅っこに残った米を全部掻き集めて口に放り込む。
そしておれは手に持った弁当箱と自分のプライドに蓋をし、目の前の友人に問い掛けていた。











「はあ……」


ピピ…と脇で軽やかな電子音が鳴り、その小さな表示窓を目にした途端に洩れる溜め息。
そこに映し出されたのは38.6℃の無機質な文字で、それを見た瞬間、一層と頭が重くなる感じがする。

「やっぱり熱があるわね。あとで東風先生に薬を貰ってくるから」
「ごめんね、かすみお姉ちゃん…」
「いいのよ。それより、食べられそうなら少しでもいいから食べてね」

そう言ってベッドサイドに湯気の立ったお粥を置いていくと、買い物のついでに東風先生のところへ寄ってくると家を出たかすみお姉ちゃん。
膜を張るような意識の中で玄関扉の閉まる音を聞きながら、あたしはお粥の蓋を少し開けて中身を確認すると結局一口も食べずにまた蓋をし、ベッドの上に横になる。
そう言えば。
こうして風邪を引いた時、昔はお母さんがずっと枕元で頭を撫でてくれたっけ。
遥か遠い、ずっとずっと昔の記憶。
それがいつの間にか、お母さんの代わりにかすみお姉ちゃんの役割になって。
そのかすみお姉ちゃんの口から東風先生の名前が出ても胸が痛くならなくなったのは、一体いつからなのかはあたしもよく覚えていない。
ただ、心の変化をもたらしたのは間違いなく乱馬の存在で。
赤いチャイナ服越しに揺れるおさげを思いながら、今何しているのだろうとぼんやり頭を巡らす。

今は四時間目だから、ちょうど英語の授業を受けてる頃ね。
また寝てなきゃいいけど…あ、でもひなちゃん先生だから先生のほうが寝ちゃってるかしら。
これで授業が終わったらお楽しみのお昼の時間かぁ。
もしかして、またシャンプーが特製弁当を届けに来てたりして。
そしたら「やめろよ」なんて言いつつ、また顔を赤くしてタジタジになっちゃうんだわ、きっと。


そこまで考えて、また一つ「はあ…」と溜め息をつく。
その吐いた息が熱くって。
よりによってなにもこんな日に風邪なんか引かなくてもいいじゃないと思いつつ、最近ずっと無理してきた放課後を振り返る。


(本当は今日までに全部終わらせるつもりだったんだけどな)


だけど結局終わらなくて、そのくせ体調まで崩しているのだから情けないったらありゃしない。
思えば一カ月前のバレンタイン。
あれからほんの少しだけ乱馬があたしに優しくなって。
お互い好きなんて言葉は一言も言ってないけれど、それでもあの日、確かに何かが変わったあたし達。

あの日を含めてまだ四回だけだけど、重ねた唇にあたしだけが特別な気がして期待を持たずにはいられなかった今日のホワイトデー。


(乱馬は今日が何の日って気が付いてるかしら?でも朝の様子だと全然って感じよね)


それでもいい。
別にホワイトデーだからって特別なことなんかなくてもいい。
だけどお願い、今日だけは。
今日だけは放課後、他の女の子に目もくれず真っ直ぐ帰ってきて欲しいの。

そんな勝手な願いを胸に秘めつつ、またどこからか眠気の波がやってくる。
きっと次に目を開けたらもっと時間が過ぎている。
その帰宅時間が早くやって来るように願いながら、あたしは朦朧とした意識を再び手放した。










「あら。お薬を飲んでゆっくり寝たからだいぶ熱が下がったわね」

あたしの差し出す体温計を見ながら、安心したようにかすみお姉ちゃんが微笑む。

「ありがとう、お姉ちゃん。このぶんだったら明日は学校に行けそう」
「でもあんまり無理はしない方がいいわよ。まだ微熱はあるんだから」
「卒園行事の準備があるからそうもいかないのよ」

そう。
逆に言うと、あの作業さえ終わってしまえばまだ気が楽なのだが、自分のせいで周りに迷惑を掛けてしまうと思うとなかなかゆっくりなどしていられない。
どうせ明日学校に行ったらまた休みなのだ。
あたしはカレンダーに目をやったついでにちらりと時計に目をやる。
その針はもうすぐ20時を指そうとしていた。


「…かすみお姉ちゃん。乱馬は?」
「乱馬くん?乱馬くんなら今日はちょっと遅くなるって夕方電話があったけど…」
「そう……」

遅くなるって何の用事なんだろう。
部活の助っ人…ではないわよね。そんなこと、朝は一言も言ってなかったもの。
っていうことは、考えたくないけれどやっぱりシャンプーや右京のとこかしら。
ホワイトデースペシャルだとか何とかまんまと甘い文句に誘われて。
もしかしたら夕飯もそこで済ませてくるのかもしれない。


ズキ…と胸の奥が痛くなる。



……やだな。
正式な彼女でもなんでもないのに、独占欲だけが強く顔を覗かせるこの感じ。
東風先生のことを純粋に思っていた頃とはまた違う、他の女の子に嫉妬するように疼く感情。
あたしだけが想ってるみたいでちょっと悔しくなる。
あたしが早く会いたいと思っていたこの時間、乱馬は他の場所で楽しく過ごしているのだと思うとなんだかやりきれなくて。


(時計なんて見なきゃよかった…)


そしたらこんな気持ちに気が付くこともなかったのに。
元気になりかけていた身体がまた思い出したようにずしんと重くなる。


「…もう寝ちゃおう」


あたしは誰に言うでもなく呟くと部屋の照明の明かりを落とし、汗を吸って少しだけ重くなった掛け布団を再び肩までかぶった。










不意に部屋の中に空気が流れたような気がして目が覚めた。
ギシ…と床のしなる音が聞こえる。
まだ暗闇に慣れないあたしの瞳には、瞼を開けても真っ暗な景色だけしか映らない。


「…誰?」
「あ、わりい。起こしたか?」

ふわり、と。
おでこの前に温かい手の感触がする。
洋服の袖があたしの鼻先を掠め、ほのかに柔軟剤の香りがした。


「…乱馬?」
「おー。起きたなら電気点けるか?」
「あ、い、いい、大丈夫」
「そっか」


起き上がろうとするあたしを諫めるように、また前髪を撫でられる。
記憶の中の優しい手とは違う、もっとゴツゴツして体温の高い感触は、いつもあたしを守ってくれる大きな手…。
部屋の中はレースのカーテン越しの月明かりが微かに光を運び、見慣れたおさげのシルエットが逆光にぼんやりと浮かび上がって見えた。


「…今、何時?」
「今?大体10時半くれーなんじゃないか?」
「そんなに?…まさかあんた、こんな時間に帰ってきたわけ?」
「バーカ、んなわけねーだろ。大体8時過ぎ…8時半くれーかな、家に着いたのは」

それからお姉ちゃんの作ってくれた夕飯を食べたらしく「何だかんだとやることやってたらこんな時間になっちまった」と説明するその言葉に言い澱むところはない。
あたしは自分の声が少しだけ掠れているのを誤魔化すと、独り言のように呟いた。


「…てっきり、シャンプーや右京のところでご馳走になってきたのかと思った」
「あん?なんでおれがそこで飯食わなきゃなんねーんだよ」
「…」
「そんなことより体調どーだ?」
「あ、うん、もう大丈夫。明日は学校行けそう」
「でもかすみさんが「あと一日休んだ方がいい」って心配してたぞ」
「お姉ちゃんったら大袈裟なのよ。それに」
「それに?」
「三年生を送る会の準備もあるし――」
「あー、それなら今日、もう終わったみてーだぞ」
「え?」

やれやれと伸びをする仕草をするシルエットに向けてあたしは聞き返す。
だって。
昨日までの感じだと、終わりそうで、でもまだまだやることが沢山残っていた気がするのに。
そんなあたしの驚きなどお構いなしというように乱馬が続ける。

「大体、おめーは不器用なくせに何でも首を突っ込み過ぎんだよ」
「なによ、失礼ね」
「田中といい佐藤といい、無駄に時間稼ぎばっかしやがって」
「ちょっと…」
「あんな大量の花飾り、もっとクラスの他の奴らにも協力しろって素直に言やあいーじゃねーか」
「…」
「ったく、だからあかねは素直じゃねえって――」
「ねえ」
「あん?」


あたしは引っ掛かったことを聞いてみる。


「なんでそんなこと、乱馬が知ってるの?」
「え…っ、そ、それは…っ」

…って。
なによ、そのわかり易い動揺は。
途端にしどろもどろになりながら、「た、たまたま偶然作業している教室の前を通りかかった」だの、「おれは嫌だって言ったのに成り行き上仕方なくだなぁっ」だの早口で捲し立てる様はあやしい以外の何者でもない。

「と、とにかく、学校のことはいーから早く寝ろっ」
「自分が起こしたくせに」
「うるせーなっ、まさかあかねが起きるなんて思わなかったんだからしょうがねーだろ」
「人を起こしといて偉そうな言い方ね」
「も、もーいいだろっ、じゃあな!」

その瞬間、枕元のヘッドボードでごとりと音がする。
あたしがそれに手を伸ばそうとするやいなや、慌てて部屋を出て行こうとする乱馬。
あたしは咄嗟にその後ろ姿を引き止める。

「あ、ねえちょっと待って!」
「……なんだよ」
「やっぱりちょっとだけ電気点けたい」
「点けりゃいーじゃねーか」
「そうじゃなくって。真っ暗で見えないから、机の上のスタンドだけ点けてよ」
「…おれが出てってから部屋の電気点けりゃいーんじゃねーの?」
「乱馬」
「…」
「お願い」
「…~っ」


「ったくわがままなやつだな」と不承不承に机上の電気を点ける乱馬。
あたしに背を向けたままで、その表情はあたしからは伺うことは出来ない。
あたしは上半身だけベッドから身を起こすとササッと髪を手で梳いて整え、枕元に目をやる。
そこにあったのは、空き瓶に詰められた何やら色とりどりの包み紙…。


「乱馬。これ……」
「……」
「これ、あたしに?」
「…おめー以外、他に誰がいるってんだよ」
「これって…その……」
「…」
「ホワイト――」
「い、言っとくけどなぁっ、おれが部屋出て行くまで開けんじゃねーぞっ!」
「なにそれ。あたしにくれたんだったらいつ見たってあたしの勝手じゃない」
「じゃーやるのやめる。返せ」
「あ、ひどい!往生際が悪いわよ」
「そ、それはおめーだろうがっ!少しは素直に人の話を聞きやがれっ」
「もう……わかったわよ。じゃあ乱馬が出て行ったら見ていいのね?」
「…別に無理して見なくてもいーけど」
「素直じゃないんだから」
「うるせー」
「意地悪」
「はあっ!?おれのどこが――」
「でも、ありがと」
「…っ」
「嬉しい…。後でゆっくり見るね。ありがとう」
「……おう」


「い、いいから今度こそほんとにもう寝ろっ」と無理矢理布団を掛けられる。
その瞬間、「おれがどんだけ我慢してるかわかってんのかよ…」と聞こえた気がしたのは、はたして気のせいだろうか。
肩の上までしっかりと掛け布団をかぶせ、大きな手があたしの前髪をもう一度ゆっくりと梳く。


「あ、あの…」
「なんだよ」
「汗、すごい掻いちゃったから…」
「そんなの、今更だろ?」

いつも道場ではもっと汗掻いてんだろーがと言われても、やっぱり好きな人に汗の匂いのする髪の毛を触れられるのは恥ずかしくて。
不意に顔の上に影が落ちてきて、あたしは慌てて布団で口元を隠す。


「…なんだよ」
「だ、だって…風邪、うつる」
「もう治ってるっつったじゃねーか」
「でも…、」
「…」


小さく溜め息をつくのが聞こえた後、おでこの上に温かい感触が降ってきた。


「…じゃ、じゃーなっ。早く寝ろよっ!」


本人は静かにしているつもりなのだろうけど、階段を滑り落ちるような音に動揺を感じて思わずクスリと笑みが零れる。
まったくもう、素直じゃないんだから。
こんな気持ちにさせておいて、早く寝ろだなんて無理がある。
あたしはヘッドボードに置かれた瓶を手に持つとそのまま勉強机のほうへ行き、椅子に掛けてあったカーディガンをパジャマの上から羽織った。


(これ…なにかしら?)


インスタントコーヒー程の大きさの瓶に詰め込んである、色とりどりの鮮やかな紙の包み。
あたしはその一つを手に取って広げると、その包みの中からころりと転がったのは、どこにでも売っている飴の小袋だった。
それを包んでいた鮮やかな紙の裏面は真っ白になっており、何やら見慣れた文字が書いてある。



"不器用なくせに無理すんじゃねえ"



なによそれ。
あたしは喜んでいいのか怒っていいのか分からず、飴の包みを開封して口へと放り込むと、たちまち口の中一杯にりんごの甘い味が広がった。
そしてもう一つ、今度は青い包みを手に取って広げてみる。
中から現れたのはレモンの飴と、やっぱり見慣れた少し右上がりの文字。



"今度夕飯のおかず一個よこせ"



なんなの、一体。
そしてまた一つ、カサリと包みを開ける。



"頑丈だけが取り柄なんだから早く治せ"




…あ。


そこであたしは、この見覚えのある色紙の存在を思い出した。




(これ……送る会の飾り用に用意してあった折り紙じゃないの)



誕生日に使われるようなフープ飾りを作るために用意した、少し大きめの折り紙。
それをちょうど四分の一に切った大きさで飴を包んだその紙の裏には、一枚ずつ素直じゃないメッセージばかりが書き込まれている。




『何だかんだとやることやってたら こんな時間になっちまった』




…もしかして。
やることって、これのこと?
そう思ったら急に胸の奥に温かいものが広がって。





『三年生を送る会の準備もあるし――』
『あー、それなら今日、もう終わったみてーだぞ』




そのからくりに気付いた時、更にあたしの鼓動はトクンと跳ねる。





ずるいよね。
こんなどこにでもある空き瓶と普通の飴で、ここまであたしのことを嬉しくさせちゃうなんて、本当にずるい。

あたしの手先が不器用なら、乱馬は気持ちを伝える不器用で。
だけどその不器用な魔法に、あたしはまんまと掛かってしまうんだ。

きっと乱馬のことだから、ホワイトデーのコーナーはおろか普通の飴玉を買うのだって躊躇したのかもしれない。
そう思ったら尚更愛おしさが込み上げてきて。

八個入っていた瓶の中で嵩張る包みを一つ一つ開けていく。
そのどれもが素直じゃない言葉ばかりだけど、その中にたった一つだけ。






"今度一緒にどっか出掛けるか?"


の文字。







…うん。
やっぱり風邪なんか引いてる場合じゃないわね。
だってそれを見てしまった瞬間、あたしの頭の中はもうお出掛けに着ていく洋服のことで一杯だ。
もう一度カレンダーを確認する。
明日休めば、明後日は土曜日でお休み…。





何となく予感がして窓を開けると、その下では庭で乱馬が一人拳を振り上げていた。
あたしは久し振りに外の新鮮な空気を胸いっぱい吸い込むと、声を潜めるように、それでも小さな声を張り上げるようにして、下に向かって呼び掛ける。


「乱馬!もう夜だから身体が冷えちゃうわよ!」
「おー…って、あ、あかね!?バカッ、いーから窓閉めて早く寝ろっ!」
「あのね、乱馬!」
「なんだよっ」



あたしは自分の頭の上に両手を上げ、大きな丸を作って見せる。
きっと何のことか分からなかったんだろう。
一瞬キョトンとした後、急にカアッと顔を赤らめ 辺りをきょろきょろと見渡す。




「明後日ね!」
「…おう」
「約束だからねー」
「だーっ!わかったっつーの!いーから冷えねーうちに早く寝ろっ!」
「乱馬もね!」
「へーへー」
「あのね、乱馬」
「まだなんか用かよっ」
だいすき
「…っ!」




口の形だけで初めて伝えた想いに、これ以上無いくらいに乱馬の顔が赤く染まったのが暗闇でもわかった。
と同時に、カクンとバランスを崩した乱馬が漫画のように転ぶ。


「あっ」
「あっ」



バチャーン!!
瞬間、派手な水しぶきが上がる。


そして暗闇の中、池から這い上がってきたのは赤いおさげ姿の女の子…。





「ちょっとー!早くお風呂入んないと風邪引くわよー」
「わ、わかって…ううっ、さ、さみ~っ!」
「いいから早く早く!」
「う、うううるせえっ、お、おおおめーこそ、は、早くへ、へへ部屋に…」
「もうっ」



ほんと、最後までロマンチックにはいかないあたし達。
それでも心の中はぽかぽかと温かくて。
自分だって寒くて堪んないくせに、あたしが部屋の中に引っ込むのを見届けようとやせ我慢する乱馬。
それをからかうようにもう一度「好きよ」と口の形だけで伝えると、今度こそ怒った顔で「わかったからさっさと部屋に入れ」と手で払われた。
まったく失礼しちゃう。
こんな時くらい、「おれも」と言ってくれてもいいじゃない。

だけど。
やっぱり嬉しくて。


全身びしょ濡れの美少女に向かってニコニコ微笑む奇妙な二人の姿を、さっきあたしが掲げたみたいに丸い大きな月が明るく照らしている。
本当はもっと見つめていたかったけれど、乱馬の身体を心配して今回は仕方なくあたしが折れてあげることにしようか。


ぶんぶんと手を振り、窓を閉めてカーテンも閉める。
その隙間からそっと庭の様子を伺うと、ようやくホッとしたのかジャーッと着ていた服の水を絞り、それからボタボタと水滴を垂らして玄関口へと走っていく後ろ姿が見えた。



あたしは机の上に散らばった飴の包み紙をまた一つ手に取ると、口の中に放り込む。
途端に広がるイチゴの味はフルーティーで。

そしてとびきり甘かった。





ホワイトデー







< END >




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comment (12) @ 高校生編 イベント編

   
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comment

好きだー!(≧∇≦)💕 : ひなた @-
おはようございます✨朝から叫ばせて頂きます!
師匠✨私この、このお話惚れ込みました!興奮覚め止まず~好きだー!(≧∇≦)💕
乱馬のあかねちゃんに対する不器用ながらの気遣い✨この乱馬かなりツボです!ホワイトデーのお返しの素直に口で伝えない憎い演出その素直じゃない心配の仕方✨完全ノックアウトしました❤拍手話にふたりのズレた感じに思わず、もーだめぇ……✨た、堪らないと悶えてゴロゴロ転がってます。あ、またくらくらしちゃう~(笑)もう一回読みかえして今日は幸せな一日を過ごします✨
イラストもた、た、堪りませんでしたぁ!あのオデコキッス✨好きぃ✨(。>д<)💕💕素敵なお話読ませて頂いて本当にありがとうございました✨
本当に朝からうざい文面すみません💦失礼しましたぁ!
2017/03/14 Tue 07:40:03 URL
管理人のみ閲覧できます : @
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017/03/14 Tue 07:48:41
おはようございます(*゚▽゚)ノ : ようこ @-
手作り?のプレゼント折り紙でメッセージ付きなんて胸キュンしちゃいました(〃艸〃)

そんなプレゼントをもらったあかねちゃんの対応がさらに胸キュン(〃艸〃)

朝から胸キュンありがとうございました(*≧∀≦*)


2017/03/14 Tue 10:53:20 URL
可愛いのぅー! : 憂すけ @-
もう、高校生ならではの初々しい感じが堪りません!焼きもち焼いても一応隠そうと意地を張るとことかね。おまけに、乱馬のやる事がまたーっ!!可愛すぎるやろー!?瓶詰の飴ちゃんに手書きメッセージって・・・惚れてまうやろ―!!(byチャン河合)オバちゃん、キュンキュンしてまうでー!?(埼玉県民ですが) そして!ナニ!?縞さんのめっちゃ可愛い乱あイラストさん達ー!!萌えたよ・・萌えつきた・・・まっちろにぃぃー!!か-わーいーいー!(るさい)拍手話も可愛かったー!ごっつ―堪能させて頂きやした!はぁ。メイドの土産にえ~モン拝ませて貰いました!(ナマンダブっス)m(__)m
2017/03/14 Tue 14:40:14 URL
管理人のみ閲覧できます : @
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017/03/14 Tue 22:07:05
☆⁂\(⁎⁍̴̆∀⁍̴̆⁎)神コンビ(⁎⁍̴̆∀⁍̴̆⁎)/⁂☆ : RA♪ @-
きゃっほーーーーい☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆
バレンタインに続くすっごい良い話ーーーー‼︎‼︎‼︎
キャワキャワしながら読みました(*^▽^*)♡
なんでこんな素敵な話が思い付くのか…
kohさんの頭の中は愛と夢が詰まってるーーーー(*´꒳`*)
ビンとアメ…☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ キャー♡
1つづつにメッセージ書いて包むなんて、手がこんでるー♡愛情表現ー♡いちいち素直じゃないメッセージが乱馬くんらしくてこっちまでキュンキュンー♡
そして、縞さんのイラスト‼︎もおおお可愛い(((o(*゚▽゚*)o)))♡繊細なタッチがヤバイですね‼︎見入っちゃう(⁎⁍̴̆∀⁍̴̆⁎)
おでこにチューされてるあかねちゃんの表情っ‼︎‼︎
めったくそきゃわゆすぎてハアハアもんです(*´Д`*)
kohさん縞さんコラボ大好きです(*⁰▿⁰*)♡神コンビ♡♡♡


2017/03/15 Wed 08:50:23 URL
Re: 好きだー!(≧∇≦)💕 : koh @-
> ひなたさん

おはようございます。
このバレンタイン~ホワイトデーのお話は私も個人的に設定が気に入っているので「好き」と言って
もらえて嬉しいです(´艸`*)。
密かなMYルールがあって、高校生編はとにかくお金を(出来るだけ)掛けないを徹底しているため、
おばちゃん的には毎回ネタに困るのです…(;´∀`)。
だからこそ、ぴたっと着地すると気持ちがいいのです(笑)。←自己満足

今回は3月2日に書き上げて、強引に縞さんにお話を持ち掛けてしまいました(´艸`*)。
おでこキス、かわいいでしょ~♡
最初にイラストを拝見した時、スマホ持ちながら叫びましたもん(´▽`*)。
今回もお話にお付き合いいただき、ありがとうございました✨。
2017/03/16 Thu 10:02:23 URL
Re: タイトルなし : koh @-
> 2017/03/14 Tue 07:48:41 コメント主様

了解です(´▽`*)☆
2017/03/16 Thu 10:03:08 URL
Re: おはようございます(*゚▽゚)ノ : koh @-
> ようこさん

おはようございます。
高校生の乱馬って口で思いを伝えるのは相当難しい気がして…(´ε`;)。
でもバレンタインのこともあったし、少しは頑張ってくれたらいいなあと思ってこんな不器用な方法に
なりました。
高校生編…書くのが未だ苦手なのに、書いた後に少しだけ自分がピュアになった気がするのは何でだろう(笑)。
最近R-18系(ちょっと新幹線っぽい 笑)ばっかり続いてたからなぁ(^▽^;)。

今日は久し振りのお休みなのでまたちょこちょこ創作したいと思います。
出せるのはしばらく先かと思うのですが、また投稿したらよろしくお願いします✨。
2017/03/16 Thu 10:17:59 URL
Re: 可愛いのぅー! : koh @-
> 憂すけさん

おはようございます。
今回のお話は、私がバレンタインの続きが書きたくて創作したものを勝手に縞さんに送りつけた代物に
なっています(´艸`*)✨。
イラストは完全にお任せだったのですが、最初にいただいたのがおでこチュー乱で。
もう叫んだ。夜中にシャウトしました、本当に。
ちなみに窓辺とひろ大のイラストは投稿当日にくださったんですよ(´▽`*)。
こんなイラストを描けてしまう縞さん、すごすぎる…。
ちなみに拍手話は私も書いててニヤニヤしました。
高校生編は鈍く甘くすれ違いつつ、仲良くしてればいいよ~と色々妄想を広げています(´艸`*)♡
2017/03/16 Thu 10:34:02 URL
Re: No title : koh @-
> 2017/03/14 Tue 22:07:05 コメント主様

おはようございます。
最近の投稿の流れからか、この高校生乱馬が特に健全に感じますよね(笑)。
もうピュアな高校生編のイベントって本当に難しい💦。なのについ書きたくなってしまうんですよね~(^▽^;)。
とにもかくにも久し振りの高校生編、私自身書いていてとても楽しかったです。

そこに素敵な花を添えてくださった縞さんにはもう感謝しかありません✨。
イラストがあるとお話の情景がより浮かんできますよね(´艸`*)♡
2017/03/16 Thu 10:38:07 URL
Re: ☆⁂\(⁎⁍̴̆∀⁍̴̆⁎)神コンビ(⁎⁍̴̆∀⁍̴̆⁎)/⁂☆ : koh @-
> RA♪さん

おはようございます。

> なんでこんな素敵な話が思い付くのか…
> kohさんの頭の中は愛と夢が詰まってるーーーー(*´꒳`*)

おはようございます。
もうなんですか、この最高の褒め言葉は(/ω\)///。
やはり、愛とピュアに包まれた私の素性は隠しきれないのですね✨。←主人へのバレンタインの仕打ちW

なぜだか、私は高校生の乱馬にはあまりお金を使わせたくないんです。
だからこそ、自動販売機で奢ってもらうペットボトル1本が嬉しかったり肉まんを半分こするのが幸せだったり
するのかなぁ、と(´艸`*)♡
…って、ちょっと待って。今、
『半分こするのが→半分擦るのが』とナチュラルに誤変換され、ここ最近のr-18傾向を反省するとともに
擦るにハレンチな想像をしてしまった自分を大いに恥じております…。←ピュアどこいった

縞さんのイラストの繊細なタッチ、本当に素敵ですよね~♡
私、縞さんの淡い色の置き方や、髪の毛一本一本まで空気感を感じられるところが大好きなんです✨。
今回、図々しくも私からお願いしてイラストを描いていただいたのですが、大好きと言っていただけて
本当に嬉しいです。
ありがとうございました♡
2017/03/16 Thu 10:49:21 URL

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