飛花の誓い (桜乱あ祭り) 

2017/03/26
こちらはポパイさん(@0430popai)が主催されている『桜乱あ祭り』へのお話になります。
高校卒業直後の二人を巡って、いつもとは少し違う妄想を広げてみました。
その後の話となる拍手話と併せて楽しんでいただけたら嬉しいです。

* 飛花(ひか)…舞い散る桜の花びらの意味



【 飛花の誓い 】



「あかね。ちょっと付き合えよ」
 
 夕飯を食べ終わってのんびりと居間で寛いでいると、突然乱馬があたしに声を掛けてきた。
 春の底冷えを前にまだ当分しまわれそうもない炬燵に足を突っ込んだまま、あたしは蜜柑の皮を剥こうとしかけていた手を止め、敢えて何でもない風を装う。

「今から?」
「ああ」
「どこに行くの?」
「いーから。行けばわかる」
「でも……」

 ちらりと視線を走らせたのは壁に掛かっている四角い時計で、その針は八時を少し回ったところを指している。
(なにもこんな時間からわざわざ家を出なくても……)
 こう見えて人一倍心配性な面があるお父さん。その顔を伺うと、手に持った新聞に視線を落としたまま湯呑みに口を付け、まるであたしの心の中を見透かしたように言う。

「あかね、行ってきなさい。乱馬くんが一緒なら安心だから」

 おじ様もおば様も何も言わない。
 かすみお姉ちゃんはともかく、あのなびきお姉ちゃんですら冷やかすことなど忘れてしまったようにゴロンと炬燵の中でうつ伏せになったままだ。そして床に置いてある雑誌のページをパラリとめくり、「行ってらっしゃーい」と視線を紙面にやったまま、こちらを見ずに手だけをひらひらさせている。

「よし。じゃー行くぞ」
「あ、ちょっと待って。あたし、こんな部屋着だし……」
「構わねえ」
「ちょ、ちょっと! せめて上着だけでも着ないと寒いからコート取ってくる!」
「ったく、早くしろよ」
「あんたねえ」

 まったく。
 なによ。
 なんなのよ。
 
 突然、自分から一方的に誘っておいてこの言い草。
 あたしは二階へドスドス階段を上り、部屋に入ると鏡の中の自分に視線をやる。
 そこに映っているのはごくごく普段着に身を包んだあたしの姿。
(……これでわざわざ着替えて行ったら、なんだか自信過剰みたいよね)
 コートを取るのに開けたクローゼットの中を覗き込みながら、端っこでお行儀よくハンガーに掛かっている洋服を見てそんなことを思う。
 あたしの視線の先にあるのは、淡い桜色したワンピース。
 それは先日、進路が決まったご褒美にと久し振りにゆかとさゆりとショッピングへ繰り出した際に衝動買いした春の新作だった。ふわりとAラインのフレアスカートがかわいらしい、見るからに女の子らしいとっておきの一枚。
 もう少し温かかくなったら、ちょっと特別な気分の日にこのワンピースを着てお出掛けしよう。密かにそう決めてから、かれこれ二週間近くこうしてクローゼットの中で眠っている。

「……」

 あたしはそのワンピースを手に取り、鏡の前でハンガーごと胸の前に当ててみる。
 うん。
 あたしだってこうしてみたらなかなか悪くないじゃない。
 
 そんな風にちょっと誇るような気持ちになりながらも、「おめー、わざわざ着替えてきたのかよ。そーかそーか、そんなにおれと出掛けるのが嬉しいのか」。そんなデリカシーのない許嫁の台詞が余裕で脳内再生され、結局はまたクローゼットに戻されるそれ。そうこうしているうちに、玄関の方から痺れを切らした乱馬の声が聞こえてきた。
 
「おーい、まだかよ! 相変わらずどんくせーなあ」
「今行くからー!」

 もう。
 ちょっとくらい待っててくれてもいいじゃない。
 これじゃあ感傷に浸る余裕もありゃしない。
 あたしはクローゼットの中からウールのコートをばさりと羽織り、さっと髪の毛を整える。
 それから、えっと……。
 
 あたしは机の上に置きっぱなしにしていた小さな丸い缶の蓋を開けると、小指ですくって唇の上にすっとひく。そしてそのままポケットに突っ込むと、すっかり口をへの字に曲げた乱馬の待つ階下へと慌ただしく駆け下りた。

 
 *

 
 カラカラカラ……。
 
 音を立てないよう、普段よりも少しだけ控えめに玄関扉を引く。その向こうは昨日までの温かさが一転し、思わず肩がすくむほど春寒の夜風が冷たく頬を撫でた。
 あたしはリボンのついたお気に入りのマフラーを口元まで引き上げると、無言で前を歩くおさげが揺れるのをぼんやりと見つめた。今まで幾度となく見つめてきた後ろ姿。その姿が今日は少しだけ霞んで見えるような気がするのは、別れの季節のせいなのだろうか。
 
 乱馬は何も喋らない。
 後ろを振り向くでもなく、勿論あたしの手を取るでもなく。ただあたしが後をついてきている足音だけを頼りに、ポケットに両手を突っ込んだまま歩き続けている。
 春の夜道はどこか静かな寂しさを感じた。所々に設けられた外灯の明かりが足元に丸い影を作るものの、二人のそれが重なることはなかった。

「……」

 いつもだったら他愛もない話の一つや二つもするところだが、今日はなんだかそれを許さないような空気が二人の間に張り詰めている。どこからか、風呂のシャワーを流すような音が聞こえてくる。時刻はもう、夜。ふとそんなことを感じさせる、日常の音だった。あたしは喉元まで出掛かった言葉を何度も飲み込んでは、目的地のわからないまま無言で乱馬の後ろをついていく。
 そうして十分程歩いた頃だろうか。不意に乱馬が口を開いた。

「あかね、寒くねーか?」
「あ、うん。大丈夫」
「そっか」
 
 それだけ。
 たったそれだけのことなのに、少しだけ二人を包む空気が綻んだ気がして、あたしは三歩分空いた距離を詰めると乱馬の横に並ぶ。
 
「ねえ、どこまで行くの?」
「あともう少しだから」
「ふーん」
 
 どうやら、闇雲に歩いているわけではないらしい。
 密集した住宅街にはどこからか夕飯の煮物の匂いが漂い、醤油の香りが鼻先をくすぐった。
 こんな時、いつもの学校の帰り道だったら間違いなく「お腹が空いた」と口々に言い合っていたことだろう。
(でも、それももう……)
 吐く息こそ白くはないけれど、それでもつんと透き通った冷たさがあたしの気持ちを滅入らせていく。それを忘れるように小さく頭を振ると、出来るだけ自然体を装った。

「乱馬、そんな薄着で寒くないの?」
「別に」
「そんなこと言ってて風邪引いても知らないんだから」
「そんな簡単に風邪なんか引かねーよ」
「あ、そっか。ナントカは風邪引かないって言うものね」
「ばーか。そりゃあかねのことだろ?」
「だけど明日から……、」

 そこまで言って慌てて口を噤む。
 だめだ。今は何を話していても、結局はその話題になってしまいそうな気がする。
 寧ろ そうならないことの方が不自然なのかもしれないけれど、それでも今のあたしにとってそれはひどく寂しくて。
 少しでも「いつも通り」を望めば望むほど、気持ちとは裏腹にまた口数が減っていく。
 足元に落ちる外灯の明かりで幾重にもなった丸い影が、声にならないあたしの鈍い思いを表しているようだった。
 
 そうしてお互い黙ったまま、かれこれ歩き続けて二十分程経った頃だろうか。不意に乱馬の足がぴたりと止まり、言葉少なに「こっち」と指で示す。
 そこは住宅街から少し離れた場所にある、けっして広くはない公園だった。
 お飾り程度にぽつん、ぽつんと小型の遊具が設置されているが、薄暗闇でも分かるほどに塗装の剥げた鉄の物体が夜の公園で寂し気に佇んでいる。その一番奥にはこの公園のメインとでも言うように鉄骨のジャングルジムがどんと構えており、それを惹き立てるように大きな桜の木が一本、外灯の横で枝を伸ばしていた。淡く色付いた花を満開に咲かせて誇る様は、辺りの闇すら仄かに明るく浮かび上がらせる。

「あかね、ここの公園来たことあるか?」
「ううん。なんとなくは知ってたけど、わざわざ家から来たことはないかも」
「そっか」
 
 駅からも住宅街からも遠い、少し不便な場所にあるこの公園。もしかしたら日中は自転車に乗った親子連れなどでそれなりに賑やかなのかもしれないけれど、まだ夜の八時半だというのにその公園の中だけ別の空間が広がっているようにしんと静まり返っていた。

「あー……っと」

 最初はベンチに座りかけた乱馬だったが、落ち着かない様子で結局座ることなくジャングルジムの方に足を向ける。そしておもむろにその錆びた冷たい鉄の棒に手をかけると、まるで足場の悪さを感じさせないようにひょいと身体を浮かせ、あっという間に上まで登っていった。

「あかねも来いよ」
「嫌よ」
「なんで」
「だってあたし、スカートだもん」
「そんな色気のねーパンツ、誰も見ねーって」
「そういう問題じゃないでしょっ!」
「他に誰もいねえんだし、いーだろ?」
「……」
「あかね」

 まったくもう。
 こんなことになるならやっぱりあのワンピースは着てこなくて正解だったわ。
 あたしは心の中で溜め息をつくと、渋々という態度を隠さずジャングルジムに手を掛ける。幼い頃はあんなに大好きだった遊具なのに、今日は少しだけヒールのあるブーツの硬い底がツルツルと滑って妙に心許ない。
 一番頂上では外灯の明かりに照らされた乱馬が、ちょっと手を伸ばせば届きそうなほど枝を広げている桜の花をじっと見つめている。その横顔は、出会った頃の十六歳のものに比べてぐっと男らしさを増したようで。
 三年前よりもシャープになった頬から詰襟越しに覗く喉仏のラインに一瞬見惚れながら、あたしはその一段下に足を掛けると、乱馬と直角に背中を合わせるようにして腰を下ろした。
 夜の闇にはらはらと、淡く色付いた花弁が風に乗って儚げに降り落ちる。
 ただ真っ直ぐに落ちるのではなく、身を任せるようにふわりと空気をはらんで濃い群青の情景に浮かび上がる桜色。
 まるで映画のワンシーンを切り取ったような美しさを覚えながら、あたしはゆっくりと口を開いた。

「乱馬。高校卒業、おめでとう」
「は? なんだよ それ。そんなのおめーも一緒じゃねーか」
「うん。まあそうなんだけど」

 だけどもしかしたら男に戻るため、途中で退学して中国に渡ってしまうんじゃないだろうか。
 今まで漠然と感じていた不安にも近い思いを隠しながら、それでも一緒に卒業することが出来た喜びを噛みしめて。視界に映る花弁はどこか、花から花へと蜜を求めて飛び回る蝶を想わせる。
(まるで乱馬みたいね)
 そう言ったところで、きっと本人はわかってない顔をするのだろう。
 無自覚に人を振り回したこの三年少し。それももう、お終いだ。

「まさか乱馬と一緒に卒業するなんてね」
「どーいう意味だ? もしかしておれが留年するとでも思ってたのか」
「そうじゃなくって」
 
 ……不思議だな。
 いつもだったら居間でみんな揃ってテレビでも観ながらのんびりと寛いでいる頃なのに、今日のあたしと乱馬は夜の公園で二人きり。もちろん今までだって乱馬と二人になることは何度もあったけど、こうして目的を持って夜に抜け出すなんて初めてで。
 湿った土の匂いにふと懐かしさを感じながら、さっきまであんなに言葉を選んでいたはずのあたしは自分の素直な気持ちを少しだけ吐き出せるような気がした。

「あんたって学歴とか全然こだわらなさそうじゃない」
「あー、まあ それはそうだな」
「だからある日突然、おれは中国行って男に戻ってくる! なんて言ってもおかしくないと思って」

 だからね、こうして一緒に卒業証書を受け取れたことが嬉しいのよって。
 最後は独り言のように呟いた。
 乱馬は何も言わない。
 もしかしてこの話題にそんな関心なんてないのかしら。それとも頭は既に明日のことで一杯なのかもしれないわね。
 あたしが一人そんなことを考えていると、どこか不貞腐れたように乱馬がぼそりと口を開く。

「そりゃおれだって行けるもんなら、とっとと学校なんか辞めて中国に渡ってたっつーの」
「へえ」
「あ、おめー、今 口ばっかって思っただろ」
「そんなこと思ってないわよ。ただ、行こうと思えばいくらでも行けたじゃない。なのになんで?」
「なんでって、」
「だから、なんで中国行かなかったの?」
「な、なんでって……、おめー、それ本気で聞いてんのかよ?」
 
 なによ、そんなわたわたと慌てちゃって。
「やっぱり少しは学歴も気にしたんだ」と意地悪く突っ込めば「ばか、そうじゃねーよっ!」と素直じゃない台詞が返ってくる。
 別に格闘家が少しばかりの学歴を気にすることは恥ずかしいことでも何でもないのに、それを言うとますます語気を強め、頑として認めようとはしない。挙句の果てに「ったく、おめーはどこまでニブいんでぃっ!」なんて失礼な捨て台詞まで吐かれるのだからあたしとしても面白くはなかった。
(あっそう。そちがそういう態度なら……)
 あたしは話題を切り替えるようにすうっと一つ大きく息を吸うと、自らのお腹に力を入れてわざと明るい声を出す。

「で? 今日ここにあたしを連れ出した用件はなに?」
「そ、それは……」
「いくら乱馬が一緒とはいえ、あんまり遅くなると流石にお父さん達も心配しちゃうだろうし」
「……」
「それに明日はいよいよ念願の中国出発でしょ。だから今晩は早く休まなくっちゃ」
 
 ──そう。
 明日の昼には中国に発つ乱馬。
 その帰国の日取りははっきり聞いていないが、おそらく当分の間は戻って来ることがないだろう。
 早くて一年、いや、それより更に時間は掛かるだろうか……。
 本来ならば一番傍で相談に乗って背中を押し、もっと言えば何か力になってあげたかった。
 けれど、乱馬がいなくなってしまうその現実をどうしても受け止める心の準備が出来ないまま、口先では「良かったわね。気をつけてね」と身を案じるフリをしながら、まともに向き合って話しをすることもままならず。気付けばただ、刻々と時間だけが無情に過ぎていった。
 あたしがどうしていいかわからず一人でヤキモキしている間にも乱馬は足繁く猫飯店に通い詰め、それを満面の笑みで迎えるシャンプーはさながら乱馬の一番の理解者のようにあたしの目に映る。
 今の自分には、とてもあんな表情を見せることなんて出来ない。それが更にあたしの心をズシンと、まるで鉛を飲み込んだように重く沈ませていた。
 
 はらりと、一枚の花弁があたしと乱馬の間を遊泳する。
 音も立てずただ静かにゆっくりと舞い落ちるそれを見つめながら、あたしはこの沈黙に耐え切れなくなって乱馬に背を向けた。

「やっぱり楽しみ? 男に戻るの」
「ああ」
「そっか……そうだよね。あんなに戻りたがってたんだもの。嬉しくないわけがないわよね」
「……」
「まだガイドのおじさん、あそこにいるのかしら。」
「さーな」
「プラムちゃんだってきっと大きくなって──」
「あかね」

 はあ……と。
 乱馬が大きく息を吐く音が背中越しに聞こえた気がした。

「あかね。その……」
「な、なに? そんなあらたまっちゃって……」
「……大事な話があるんだ」
「大事な話って……」
 
 …………ああ。やっぱりそうだ。
 
 本当は家を出る時から。ううん、もっと前から分かっていた。
 ここ最近、乱馬があたしをじっと見つめては何か言いたげな目をし、ひどく言いづらそうに口をパクパクさせていたことを。けれど、たまに二人きりになるタイミングがあってもそれを言わせまいと敢えてその場の空気を誤魔化していたのはあたしの方で。
 乱馬があたしに言いたいことがあるなんてそんなのずっと分かってたくせに、乱馬の口から決定的な言葉を言われるのが怖くて、わざと気付かないフリを演じていたのはあたしの方。
 日に日に話すことのなくなっていくあたしと、乱馬の良き相談者であるシャンプー。
 どう考えたって、それが何を示しているのかは覚悟していたつもりだ。

 普段よりも幾分掠れた乱馬の声。出会った頃よりも少しだけ低くなったその声はどこか緊張を帯びていて、それが嫌が応にもあたしに伝染する。
 聞きたくない。
 だけど、いつまでもそういうわけにいかないことも分かっている。
 どうぞと先を促すでもなく、嫌だと拒否をするわけでもなく、ただあたしは返事の代わりにぶらんと力の抜けた足を振り子のように揺らしてみる。ショートブーツの踵が鉄組みのジャングルジムに当たり、カツンと尖った金属音を立てた。それを合図に、乱馬がもう一度確認するように同じ台詞を繰り返す。
 
「……大事な話が、あるんだ」
「……」

 くるくると目の端に捉える淡い花弁。
 こんな美しい風景の中で、どうしてあたしはこんなに悲しい気持ちで好きな人の言葉を待たなくちゃならないんだろう。
 また返事の代わりにカツンと踵を鳴らす。
 夜の公園に、さっきよりもよりも鮮明にその音が響いたような気がした。
 
 
「あかね、聞いてる?」
「……聞いてる」
「聞いてんなら返事くらいしろよ」
「聞いてるから」
「……」
「ちゃんと聞いてるから、どうぞ続けて?」
 
 とても乱馬の顔なんて見れないと思った。
 あたしは俯いていた頭を上げ、土の香りのする空気をゆっくりと吸い込む。
 ふと見上げた空に浮かぶのは、泣きそうなほどに美しい銀色の月……。夜とは思えないくらい眩しく光る月明かりに惨めな自分の胸の内まで照らし出されてしまうような気がして、再びあたしは地面に視線を落とす。
 
 
 また一つ、乱馬が大きく息を吐くのがわかった。
 …………。
 
 その表情は見なくてもわかる。
 そして今度こそ呼吸を整えると、はっきりと。
 一切の隙もなく、まるで宣言するかのように言い放った。
 
 
 
「おれ達、もう終わりにしようぜ。許嫁の関係」
 
 
 ざわ……っと。
 
 風が強く吹いた気がした。
 それはもしかしたらあたしの心の中に吹いた風だったのかもしれない。
 だけど目の前には先程よりも沢山の花弁が舞っていて、やはり風が強くなってきているのだとどうでもいいことを思う。
 踊るように一枚一枚が風に乗ってなびく様を見つめながら、あたしは精一杯の努力をしていつも通りの声を絞り出した。

「乱馬はやめたいんだ、あたしとの許嫁」
「……」
「そうだよね。元はといえば親が勝手に決めた関係だものね」
「……」
「よく考えてみたら…そんなの、真面目に捉える必要なかったのに……」
「……あかね」
 
 はらり、はらりと。
 薄く色付いた桜色が視界を上から斜め下に舞っていく。
 まだ散りたくないと枝で咲き誇る花が、無情に風に吹かれてまたはらりと。
 どんなに足掻いても無駄だと、それが自然の摂理であるように散っていくその様は息を呑むほどに美しくて。
 冷たい涙で頬を濡らしている、惨めなあたしの顔とは大違いだ。
 あたしはスンと鼻を擦るフリをして目元を拭うと、これ以上涙が零れ落ちないようにぐっと上を向いて堪える。
 
「……で?」
「え?」
「あたしと許嫁やめて、今度は誰と一緒になるの?」
「誰と一緒って、」
「やっぱりシャンプー?」
「ばか。なんでそこでシャンプーが出てくんだよ」
「照れなくてもいいじゃない。確かにシャンプーなら中国にも詳しいし、変身体質の悩みも理解してるものね」
「おめーなぁ」
「そ、それにね……」
「それに、なんだよ」
 
 明らかに乱馬の声が不機嫌になってきているのを痛いくらいに感じながら、せめて明日まではいつものあたし達でいようと。
 だから普通に話そうと心に決めているのに。
 情けないほどに自分の声が萎んで、苦いものを飲み込んだ後のように喉の奥がぎゅっと痛んだ。
 
「よ、よく考えてみたら……ううん、よく考えなくてもシャンプーってかわいいし」
「…………まーな」
「プロポーションだって抜群だし」
「おれほどじゃねーと思うけど」
「お、お料理だって……ばっちりで…………」
「おめーとは大違いだよな」
「……なにより、い……一途、で……」
「……」
 
 
 ダメ。
 泣いちゃダメ。
 
 
 そう自分に言い聞かせれば言い聞かせるほど、溢れ出してくるこの天の邪鬼な涙を一体どうしたら止めることが出来るのだろう。
 音もなく静かに頬を伝い、顎から流れ落ちる涙が月の光に照らされてきらりと光る。
(あたしだって……あたしだってずっと一途だったんだよ)
 たとえ、その想いが報われなくとも。
 慰めるようにあたしの肩に桜の花びらがふわりと着地し、それを摘んだ指先は涙でぐっしょりと濡れていた。
 嗚咽が漏れないようにあたしはぎゅっと自分の唇を噛みしめる。
 わかったから。
 わかったから、だからもうこの話はこれでお終いと意思を伝えたいのに、その術もなくあたしは沈黙することで態度を示す。
 そんなあたしの様子を乱馬はどう感じているのかは分からない。
 ただ、すっかり黙ってしまったあたしを見て少し戸惑ったように言葉を探しているのを感じた。
 けれどもう、何を言われてもあたしの中で広がった許嫁解消という衝撃を取り除くことなど不可能なのに。
 出来ることならば一秒でも早く一人になりたい。
 一人になって、思いきり声を上げて泣いてしまいたい。
 そんな切迫した感情とチャイナ服の衣擦れすら聞こえてきそうな沈黙の中、ようやく口を開いたのは乱馬の方だった。

「あかね。こっち向けよ」
「……」
「こっち向けって」
「……やだ」
「泣いてんのか?」
「泣いてない」
「じゃあいーじゃねーか」
「……とにかく、嫌なの」
「…………あーそーかよ。ったく、かわいくねーなあ」

 今まで幾度となく言われてきた「かわいくねえ」。
 すっかり聞き慣れていたはずのこの言葉が止めのようにグサリと胸に突き刺さり、かといってこの台詞を聞くのも今日で終わりなのかと思うと少しだけ寂しいような気もした。


「じゃあそのままでいーから聞け」と独り言のように吐き捨てると、乱馬が先程よりも大きく開き直ったような声を出す。
 
 
「ほんと、おめーはかわいくねーな」
「……それ、さっきも聞いたわよ」
「色気もねーし」
「悪かったわね」
「ずん胴だし」
「……ちょっと」
「凶暴だし料理も出来ねーし」
「……」
「おまけに全然素直じゃねえ」
「……」
 
 
 だったら何なのよ。
 いつもだったら簡単に言ってのけるこの言葉をぐっと飲み込む。
 だってもう、あたしと乱馬は許嫁同士じゃないから。
 これが許嫁解消の理由なのかと思ったら、また一つ堪えていた涙が零れた。
 
 
 
「おれは明日中国に行ったら、今度こそ完全な男に戻ってくるからな」
 
 
 そう。
 
 
 
「その後は今まで以上に修行して強くなってよー」
 
 
 そう……。
 
 
 
 「そしたらこんな強くて世界一カッコいいおれのこと、世間も放っとかねーだろうなぁ」
 
  
 何言ってんのよ、バカじゃないの。
 そういうのをナルシストって言うんだから。
 ……あ、でもシャンプーなら。
 きっとシャンプーなら全力で同意してくれるでしょうね。
 あの愛らしい頬をピンクに染めて乱馬の首に抱きつきながら、素直にかわいく頷くんだわ。
 そう思ったらひらひらと舞いながら乱馬の肩に遠慮なく落ちる桜の花びらでさえシャンプーに見えて、またあたしの胸がチクンと痛む。
 
「あと数年したらプロになって格闘家デビューして」
「……」
「その後はこの容姿だから芸能人にでもなって引っ張りだこになるかもしんねーな」
 
 いつものように自信満々に腕を組みながら、うんうんと大きく頷いているのが地面に映る影でわかった。あたしは笑う気分にもなれず、ただ乱馬の戯言をぼんやりと聞いている。
 あたしが返事をしようとしまいと好き勝手に喋る乱馬。そしていよいよ、未来の自分が大金持ちになって格闘の世界を牛耳るところまで話が及んだところだった。
 


 
 
「……なーんて未来があったかもしんねーけどさ」
 
  
 あっけらかんと、無垢な少年のような声で乱馬自身がその話に終止符を打つ。
 
 
 
 
「こんな未来も悪くねーんだけど、でも一つだけ足んねーもんがあんだよな」
「……」
「何が足んねーか、あかねは知りたくねえか?」
「……別に」
「おめー、そーゆーとこホントかわいくねーぞ」
「うるさいわね、ほっといて」
「まあ、ほっときてーとこなんだけどよ」
 
 ぽりぽりと呑気に頬なんか掻きながら。
 
 
 
 
「でもこれから先もずっと一緒にいんなら もうちょっと素直な方がいーと思うぞ?」
 
 
 
 まるで足元に気を付けろよとでも言うような軽い口調に、あたしは一瞬何を言われたのかわからなかった。そんなあたしのことなどお構いなしに乱馬が続ける。
 
 
 
 
「確かにおめーは素直じゃねー上に色気もねーし、ずん胴だし、料理も壊滅的でかわいくねえ」
「ちょっと……っ」
「けどさ」
 
 
 
 
「やっぱあかねがいねーと、その……つまんねーんだよな」
 
 
 
 
 
 …………なに、それ。
 なにそれ。
 なにそれ。
 さっき、許嫁やめるって言ったくせに。
 自分が許嫁やめるって言い出したくせに、なんで今更そんな期待を持たせるようなこと言うわけ!?
 
 
「あのねえ……っ!」
 
 思わずあたしは涙が零れないよう、ずっと月を見上げていた顔を乱馬の方に向ける。
 と、いつの間にかあたしと同じジムの一段下に下りた乱馬の顔がすぐそこにあった。
 
 
 
 
「……ほら。やっぱ泣いてんじゃねーか」
「あ……、こ、これは……」
「そーいう早とちりなとこも直した方がいーぞ。おめーはただでさえ落ち着きがねーんだからな」
 
 あたしの頬に伝う涙をチャイナ服の袖で拭いながら、あたしの顔を覗き込む乱馬の双眼。
 その黒い瞳を見つめて、またぽろりと一粒目から涙が零れ落ちる。
 
 
「あかね、意外と泣き虫なんだよな」
「……」
「そーいうとこも道場主のかみさんとしては直した方がいーんじゃねーの?」
「……どうして?」
「あん?」
「どうして……」
 
 
 
 そんなことを言うの。
 だって、あたしと乱馬はもう、許嫁でもなんでもなくて。
 明日の昼には乱馬は中国に渡ってしまって、今度はいつ帰って来るかもわからないのに。
 ……あたしの元に帰って来るなんて保証はどこにもないのに。
 
 
 
 そんなあたしの気持ちが伝わったのか、
 
「ほんっと、あかねはニブいな」
 
 呆れたように眉間に皺を寄せながら、ゴシ…と濡れた頬を雑に拭うと、素早くあたしの背中と膝の裏に腕を通して軽々と身体を持ち上げる。
 
 
 
「ちょ、ちょっと、なに!?」
「いーから暴れんなって。ただでさえ重てーんだから」
「重いは余計よっ!」
「いーから………よっと」
 
 
「落ちんなよ」と声を掛けられ、座らせられたのはジャングルジムの頂上に一つだけある正方形の枠組みで。足場の不安定さをものともせず、その向かいにしゃがみ込んで目線を合わせる乱馬の表情は、先程とは打って変わって真面目なものだった。
 
 
「あのな? さっき言ってた未来の予想図だけど」
「……」
「どんな華やかなもん想像しても……その、なんつーか、一個だけ足んねーもんがあんだよ」
「……」
「で、それが何かって考えたら、その……、」
「……」
「……」
「……」
「……おい。さっきからおれが一生懸命喋ってんだから返事くらいしやがれ」
「一生懸命喋ってるから黙って聞いてるんでしょうが」
「~っ! …ったく、そーいうとこもかわいくねーなあっ!」
「なによ、だったらもっとかわいい子と──」
「でもそんなかわいくねー奴が足んねーんだからしょうがねーだろっ!」
 
 多分、最後の台詞は殆ど同時に重なっていたと思う。
 吐き捨てるように発せられた乱暴な言い方に頭の理解が追いつかず、呆気にとられるあたしの目の前には耳まで赤く染まった乱馬の顔……。
 
 
 
「……なんで?」
「は?」
「なんでそんなこと言うの? だってあたし達、もう許嫁やめるんでしょ?」
「え? ちょっと待て、もしかしておめー……」
「なのになんでそんなこと言うのっ?」
 
 
 ああ、もう頭も顔もぐちゃぐちゃだ。
 痛いほど苦しい気持ちと、それでも尚 期待を捨てきれない想いと。
 確かめるのが怖くて、でも聞かずにはいられないこの感情はもう決壊寸前で。
 ドンと叩いた硬い乱馬の胸にもう一方の拳を振り下ろすと、今度はその拳ごと掴まれる。
 
「あかね。おめー、本当にわかんねーの?」
「なにがよっ」
「だ、だから、その……」
「なによ、はっきり言ってくれなくちゃわからないっ」
「だから……っ!」
 
 こんな時に泣きたくなんかないのに。悔しいくらいに昂ぶった気持ちをコントロールする制御はとうに外れ、これじゃあまるで駄々っ子だ。
 掴まれた手を振り解くことも出来ずに首を横に振るあたし。
 そして。
 気が付くとあたしの身体はすっぽりと乱馬の胸の中にいた。
 
「だからっ! おれが中国から戻ったら祝言挙げようつってんだよ、このニブちんっ!」
 
 そう。
 全く予期しなかった台詞と同時に。
 
 冷たい風が木々を揺らしざわめかせる。
 ザザ……ッと音を立て、それを彩るように二人の上にはらはらと降り注ぐ淡い花弁。
 もしかしたら これは幻想的な夜桜が見せた一時の夢なのかもしれない。
 けれど胸に押し当てられたあたしの左耳からは、煩いくらいに乱馬の心臓の音がドクドクと鳴り響いている。その激しいまでの鼓動が、全て本当なのだと物語っていた。
 
「お、おめーは、その、春から専門学校に行くだろーが」
「……」
「で、おれは中国に行った後、修行してそれからどーすっかずっと考えてて」
「……」
「でも結局、どんな想像しても……あ、あかねがいねーとなんかパッとしねーんだよ!」
「……それって」
「あ、だ、だから、その……っ」
 
 …………不思議だ。
 さっきまでは舞い散る桜の花弁が悲しくて。
 ただ悲しくて涙が溢れたのに、せっかく泣き止んだ目の奥にまた熱いものが込み上げてくる。
 それを誤魔化すように乱馬の胸に顔を押し付けると、すっかり冷えてしまった後頭部をぎゅっと包まれた。
 
「あかね」
 
 そして少しだけ肩を押すようにして身体を離すと、湯気が立ちそうなほどに真っ赤になりながら、それでも真剣な表情であたしの瞳を覗き込む。
 
「あの、返事は……?」
「返事って……」
「だ、だから、そのっ。しゅ、しゅ、祝言挙げるってやつだよっ! 何度も言わせんな、ばかっ」
「なによ、何度も言われないとわかんないような言い方をしてるのはあんたの方じゃない」
「だーっ! かわいくねえっ!」
「かわいくなくって悪かったわねっ」
「でもしょうがねーだろ! そんなかわいくねー女が……っ!」
「……」
「あ…っ、と……」
「……なによ」
「……なんだよ」
「かわいくない女が、なによ」
「え?いや、だ、だからな?えっと、」
「大体、急にそんなこと言われてもあたしだって心の準備が出来てないもん」
「何言ってんでい、おめーだって前 突然言ってきたくせに」
「前って?」
「だ、だから、ほら、あれだよ、あの前回の祝言の時」
「あ、あれは!だってお父さん達が……っ」
 
 
 そうよ。
 あの時はあたしだって突然で、心の準備が出来たのはウエディングドレスに着替えてからで。
 でも乱馬は更に突然で。
 突然……だった、から…………。
 
 
 ……。
 
 
 
 
「……ねえ」
「なんだよ」
「もしかしてあの時……突然だったから、正直に返事してくれなかったの?」
「返事って何が」
「あたしのこと、その……す、好きって聞いたやつ……」
「あ、あれは……っ」
 
 
 あの時はショックに打ちひしがれる暇もないほど、ドタバタのてんやわんやで。
 それこそ悲しみに暮れる余裕もなく何もかも滅茶苦茶になってしまった式の段取りだったけれど、それでもあの場で「うん」と言ってもらえなかったあたしの胸は確かにズキンと痛んだんだ。
 
 
「ん、んなもん、言わなくたってわかんだろーがっ!」
「なにそれ、ずるい! 言ってくれなくちゃわかんないわよっ」
「ったくおめーはどこまでもニブい女だな」
「そうじゃなくって!」
 
 
 そうじゃなくって。
 今の乱馬の言葉が本当に嘘じゃないのか、一度くらい疑う余地のないほど信じさせてほしいんだもの。
 
 
 
「乱馬」
「う゛……、」
「ねえ、ちゃんと言ってよ」
「う、うるせーなっ、あかねが言ったらおれも言ってやるから!」
「ずるいっ!」
「だーっ! と、とにかくだな、その、あれだろ?」
「なによ」
「あかね、おれのこと好きなんだろ?」
 
 
 
 はたして これはデジャヴなのかしら。
 頬を赤く染めながら、期待とほんの少しの不安を含んだ目であたしを見つめる乱馬を前に、あたしの鼓動がトクンと跳ねる。
 あの日。
 少なからず傷付いたあたしの心が言って欲しかった、たった一つの言葉は。
 
 
 
 
 ……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…………好き」
「え…っ、あ、あの、ほんとに……!?」
「……って言って欲しかったな、あの時」
「あ……」
 
 
 
 
 だけどね。
 
 
 
 
 
「好きよ。乱馬のこと」
 
 
 
 
 自分の気持ちを、もう誤魔化したくはないから。
  
 
 
 
 
「だから……祝言挙げようって言ってくれて、すごく嬉しかった」
 
 
 
 
 今日は。
 せめて今だけは、美しく咲く花のように乱馬の記憶に刻まれるよう、精一杯の笑みを浮かべて返す。
 だってあたしもこの瞬間の乱馬の顔は、きっと一生忘れないと思うから。
 
 
 
 
 
「乱馬は?」
「へ?」
「へ?じゃないでしょ。さっき言ったじゃない、あたしが言ったら乱馬も言ってくれるって」
「そ、それは、その……」
「なによー、男らしくないわねぇ」
「だ、誰が男らしくないんでいっ! お、おれだって、好きじゃなきゃ祝言なんて言わねーよっ!」
「……それ、好きって伝えてるつもり?」
「ど、どっからどう聞いてもそーじゃねーかっ!」
 
 
 まったく……。どっからどう聞いてもそうは思えないから聞いてるんでしょうが。
 ばりばりと頭を掻きながらご丁寧に口まで尖らせちゃって、ここがジャングルジムの上じゃなければそのまま地面をピョンピョン跳ねてどこかに行ってしまいそうな勢いだ。
 
 
 
「もう……全然ロマンチックじゃないんだから」
「へっ。どの口がロマンチックなんつってるんだよ」
「いいでしょ。一生に一度のことなんだから」
「……」
「ねえ、乱馬」
「……なんだよ」
「もう一度言って?」
「もう一度って?」
「その……祝言のこと」
「な、なんで……っ! さ、さっき言っただろーがっ!」
「だって」
 
 
 
 だってね。
 
 
 
 
 「さっきは突然でびっくりし過ぎてちゃんと答えられなかったんだもん」
 「あかね」
 「お願い。今度はちゃんと答えるから」
 「……」
 「あと一度だけでいいから、お願い。言って?」
 
 
 
 
 
 見上げる乱馬の肩越しに、銀色の丸い月が輝いているのが見える。
 その光が乱馬の輪郭を縁取り、夜桜の幻想的な雰囲気と相まってまるで現実じゃないみたいで。
 今更ながらトクトクと早鐘を打つ自分の胸の前をぎゅっと手で押さえると、それまで一人わたわたと慌てふためいていた乱馬が覚悟を決めたように大きく息を吸った。
 
 
「あ、あのなぁっ、本当にもう一度しか言わねーからな!?」
「うん」
「その……」
「……」
「お、おれが、その、完全な男に戻って無事、ちゅ、中国から帰ったら」
「……」
「そしたら……、しゅ、祝言挙げるぞっ」
「っ、」
「い、いいな!?」
「……うんっ」
 
 
 
 ぎゅうっと。
「よろしくお願いします」の言葉は、押し付けられた乱馬の胸に吸い込まれた。
「……はあー……、長かった………」と安堵の溜め息をつく乱馬の息がマフラー越しの首筋にぶつかり、ふわりと温かく湿る。
 
 ああ、ここがジャングルジムの上でよかった。
 普段のあたしと乱馬だったら、恥ずかしさのあまりまた意地を張ってつまらない言葉の一つでも吐いてしまったかもしれない。
 だけどここはジャングルジムの上だから。
 不安定なジャングルジムの上だから、互いの身体が落ちないよう支え合うためにこうやってぎゅっと抱き合っていられる。
 
 
 
「……いつから?」
「え?」
「いつから考えてくれてたの? 祝言のこと」
「あー……まあ、考えてたっつーよりかは、なんか自然とそうなってたっつーか」
「……」
「春から別々の道に進んで、あかねはまた新しい学校に行くって思ったらなんか……」
「……」
「その前に、その……、ちゃんとしておきてーって思った」
「そうなんだ……」
 
 
 春から鍼灸の専門学校に進むあたし。
 その進路を決めた時、まるで興味がなさそうに「不器用なおめーにそんな芸当が出来んのかよ」と憎まれ口を叩いていた裏でまさかそんな風に考えてくれているなんて思いもしなかった。
 それだけに喜びもひとしおだが、予期しなかった幸せに今まで以上に深い寂しさが胸に込み上げてくる。
 
 泣かないように。
 声が震えないように喉の奥に力を入れながら、あたしは出来るだけ明るい声を出すことに専念すると、乱馬の顔を見ないまま呟いた。
 
 
 
「明日。気をつけて行って来てね」
「おう」
「待ってるけど……でも出来ることなら早く帰って来てね」
「おう」
「あ、だけど何年も経ったらお互いの姿も随分と変わってるかもしれないわね」
「……ん?」
「乱馬が帰国する頃にはあたしも鍼灸師の資格を取ってるだろうし、そしたらバリバリ働いて──」
「…………ちょっと待て」
 
 
 
 なによ。
 そんな怪訝な表情であたしを見下ろしちゃって、もしかしてあたしが鍼灸師の資格を取るのなんて不可能とでも言う気かしら。
 乱馬といったら一瞬ポカンとした表情を浮かべ、それからわざとらしく頬を引き攣らせるとジトッと半目でこちらを見つめている。
 そして「うー……」と籠ったような声を喉の奥で上げると、予想だにしなかったことを口にした。
 
 
 
「あのさ、あかね。鍼灸師の資格って二週間やそこらで取れるもんなのか?」
「ばかね、そんなわけないじゃない」
「ばかはおめーだ! 人を厄介者みてーに何年も追い出そうとしやがって」
「な、なによ、あたしのどこがばかだって──」
「あのなぁ、おれが中国に行って戻ってくるまでせいぜい二週間程度だっつーの。そしたらまたあの家でおれも一緒に生活すんだからな」
「ウソっ!」
「だからウソじゃねーって」
 
 
 だって。
 だってあんなに毎日猫飯店に通って中国のことだっていっぱい勉強して、あたしはてっきり向こうで何年間も修行をしてくるとばかり思ってて……。
 まだ頭の整理が追いつかずに口をパクパクさせるあたしを半分愉快そうに眺めながら、乱馬が落ちてくる花弁を手でキャッチする。
 
 
「まーな。おれも最初はそのつもりだったんだけど」
 
「よっと」と声を上げ、そのままあたしに背を向けて体をぐんと伸ばすと月に語り掛けるように続ける。
 その声はどこまでも穏やかで。
 
 
「でも修行って別に日本にいても出来るしな」
「……」
「そしたら道場だって手伝えるし、空いた時間は自分を鍛えるのに充てれるだろ」
「……」
「それにさ」
 
 
 まるで空に浮かぶ月を掴むようにすっと手を伸ばす乱馬。
 そして満開に咲き誇る桜の枝から、風に吹かれて揺れる一輪の花を手に取った。
 
 
 
「おめー、意外と泣き虫なんだもん」
「だ、誰が泣き虫って……っ」
「ほら」
 
 
 今度はチャイナ服の袖ではなく、少しささくれ立った太い親指であたしの濡れた睫毛を拭う。
 その手からは微かに錆びた鉄の匂いがした。
 
 
「しょうがねーから傍にいてやろーと思って」
「なにがしょうがないのよ、じ、自分が傍にいたいだけじゃないっ」
「あ、んじゃ、おめーはおれが何年も帰ってこなくてもいーのか?」
「それは……、」
 
 
 
 
 それは…………。
 
 
 
 
 
 ……。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「…………やだ」
 
 
 あたしは再び自分の顔を隠すように両手で覆うと、ぼそり呟く。
 それに驚いた反応を見せたのは他でもない乱馬自身だった。
 
 
 
「お、おめー、どーしたんだよ、急に素直になりやがって」
「う、うるさいわねっ!あんたが言ったんでしょ、一緒にいるなら少しは素直になれって」
「あ、っと」
「あ……だ、だから、ちょっと素直になってみただけっ」
 
 
 なんて。
 これからも離れず一緒に暮らせることへの喜びを素直に伝えることも出来ず、今にも顔から火が出そうなほど火照る頬を手で押さえていると
 
「あー……、まあ、おれもあかね一人で置いとくのは心配っつーか……」
 
 やっぱりボソボソと呟く乱馬の声が頭上から降ってくる。
 その声がだんだん近づいてきて、気が付いたら目の前には少し不貞腐れたように、それでも嬉しさを隠しきれずに笑っているあたしの大好きな人。
 
 
 
 春は風の季節で。
 ざわざわと枝を揺する風に吹かれ、淡いピンクの花びらが乱れるように美しく舞う。
 乱馬の髪に、肩にふわりと着地する様を、あたしはまるでスローモーションのコマ送りでも見るように捉えていた。
 
 
 
「あ、あのさ」
「なに……?」
「そ、その、家に帰ったらまた親父達にも報告とかして、きっとバタバタしちまうと思うんだけど」
「そうね」
「だから、その……」
「……」
 
 
 
 ゆっくり。
 ゆっくりと影が落ちてくる。
 月明かりを背に負う乱馬の表情は逆光になってあたしにはよく見えない。
 だけど今、どんな顔をしているのかは目を開けなくても分かるような気がして。
 
 
 
「こ、ここで、誓っとく……?」
「…………うん」
 
 
 
 ふわり、と。
 まるでフラワーシャワーのように花弁が舞う中、乱馬が手に持った桜の花を髪の毛を掛ける仕草であたしの耳の横に挿す。
 そしてゆっくりと瞼を閉じたあたしの唇に、自分のものとは違う温かい感触が降ってきた。
 
 
 
 
 押し付けられた唇がそっと離れていく。
 それは今まで知らなかった柔らかな温もり。
 その体温が離れるだけで唇の先に春の夜の冷たい風を感じ、思わず右手の人差し指でそっとそこに触れる。
 そんなあたしの様子を見て、照れ隠しのように乱馬が口を開いた。
 
「なんか……甘い匂いする。なんだ、これ」
「あ……これ。春の香りっていって この前ゆか達とお揃いで買ったの」
 
 そう言ってポケットから取り出したのは、サクランボのイラストが描いてあるスチール缶に入ったリップバームだった。
 家を出る時にはまさかこんなことになるとは思わず、それでも女の子の嗜みと淡い恋心を抱いてそっと唇に引いたそれ。
 甘い香りの正体がどこに乗っていたのかを認識し、照れたように乱馬がぽりぽりと頬を掻く。
 
「あ、まあ、その……お、おれが中国から戻る頃には桜も散っちゃってるんだろうな」
「そうね」
 
 きっとその頃にはすっかり花弁は散り落ち、葉桜に姿を変えてしまっているだろう。
 だけどそれでもいい。
 寧ろ、その姿が待ち遠しいと思えるほどに二週間後のその日を待ちわびるあたしの気持ちが乱馬には伝わっているだろうか。
 そしてその日までは今日、こうして二人で見上げた月の光に輝く桜の美しさを目に焼き付けよう。
 そうどちらから言うでもなく肩を並べ、羽根のように舞い散る幻想的な景色を眺めていた。
 が、不意に強い風が吹いてあたしの髪の毛を乱れさせ、その拍子に不安定な足場に置いた身体がぐらりと傾く。
 
 
 
 
 
「……そろそろ帰るか。おじさん達も心配するだろうしな」
「それもそうね」
 
 
 本当はもう少しだけこうしていたかったけれど。
 だけどそれを言ってしまうとキリがないとばかりに、あたしはぐっと言葉を飲み込む。
 肩に触れていた隣の温もりが不意に消え、気付いた時にはトスッと軽い音を立ててジャングルジムの下から「おーい」と手を振る乱馬の姿。
 あたしもその後に続こうとするけれど、何ぶんツルツルと滑るブーツの底が心許なくそうもいかない。
 
「早くしろよ」
「ちょっと待ってよ。あたし今日、ブーツなんだから──」
「そーじゃなくって」
 
 見下ろすと乱馬が両手を大きく広げてあたしの方へと差し出している。
 
「いーからそのまま飛び降りちまえ」
「ええっ!? だ、だって、いくらなんでも危ないわよ?」
「いーから」
「そ、それにあたし、重いし……」
「知ってる」
「ちょっと!」
「だいじょーぶだから。ほれ」
 
 
 ……。
 
 
 やっぱり不思議ね。
 だって乱馬が大丈夫って言うなら、本当にそんな気がしてくるんだもの。
 あたしは胸の前で掴んでいた鉄の棒から一瞬手を離し、くるりと身体を反転させると後ろ手に錆びた鉄組を掴んでもう一度確認する。
 
 
「いい? いくわよ?」
「おう」
「ちゃんと受け止めてくれるんでしょうね」
「おー、任せとけって」
「絶対よっ」
 
 
 
 
 今も。
 
 これからも。
 
 
 
 
 カツンと金属音を鳴らし、頼りなく細い足場を踏み切って宙に浮くあたしの身体。
 そしてドサリと音を立て、飛び込んだのは幾度となく守ってくれたあたしだけの場所…。
 
 
 
「重てえっ! やっぱ桜の花びらとは違うなー」
「当たり前でしょ、ばかっ!」
「ところでおめー、まだ青いパンツ履いてんのな。青は似合わねーってあれ程言ったのに――」
「ちょ、ちょっと! どさくさに紛れてなに見てんのよ、スケベ!」
「ってあれ、ホントに青だったか。流石に暗闇で色までは見えなかったからてっきり色気のある黒でも履いてんのかと……」
「ばかっ!」
 
 
 もう。
 これがプロポーズの後のやり取りだなんてあんまりだわ。
 だけどこんなやり取りもあたし達らしいなんて思っちゃうんだから、どうやら春とこの幻想的な雰囲気にあたしも酔ってしまっているのかもしれない。
 言葉とは裏腹にそのままふわりと地面に降ろされると、ついでに乱馬の影があたしの上に落ちてきた。
 
 
 
 
 
 ……っ。
 
 
 
 
 
 
 
「……ホントにそろそろ帰るか」
「家に帰ったら大変でしょうね」
「まあ、みんな大体想像はしてんだろ」
「そうかしら」
「おめーこそ、おれが中国から帰ったら大変だからな」
「なにが?」
「………………色々と」
「色々って準備とか?」
「……まあ、そんなとこ」
「あ、そっか。その頃には学校も始まってるから確かに忙しくて大変かもしれないわね」
「だーっ! だ、だからそーじゃねーよっ!」
「なによ、じゃあ何が大変なのか言ってみなさいよ」
「う……っ、そ、それは……、」
 
 
 
 不機嫌そうに口を尖らせる乱馬の輪郭を金色に浮かび上がらせる月明かり。
「ったくおめーはどこまでいってもニブい女だな!」なんて憎まれ口を叩きながら、それでも繋いだ手はしっかりと離さないままに、その指先からはトクトクと互いの熱と鼓動までもが伝わってくるようだった。
 
 
 
「ねえ、乱馬」
「なんだよっ!」
「待ってるからね」
「…………おう」
 
 
 
 本当は新学期に下ろそうと思っていた。あのクローゼットの隅で眠っている桜色のワンピース。
 だけど今度乱馬が帰って来る時、それを着て一番に迎えに行こう。
 
 その日を想像するだけで頬が綻ぶのを止められないあたし達を祝福するように、また一つ 風が吹く。
 二人の間を通り抜ける風は、冷たさの中にも確かに春の訪れを感じさせる香りがした。
 それはもしかしたら隣にいる温かさのせいなのかもしれない。
 
 
 
「あかね」
 
 
 月明かりを背にあたしの名前を呼ぶのは、自信家で意地っ張りで、でも誰より愛しい大切な人。
 
 
 
 ────どうぞ、これからもよろしくね。
 
 
 そんなあたしの気持ちを表すように、淡い桜色のフラワーシャワーがひらひらと頭上から降り注ぐ。
 誰もいない夜の公園で、銀色に光る月だけが二人を優しく照らしていた。
 
 
 
 

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< END >




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comment (18) @ 高校生編 イベント編

   
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comment

No title : 縞 @-
ああああああああ♡♡ふつくしい…!!
Kohさんのコレは初めてではないでしょうか…♡♡
上手く伝わらない感じも、伝わってやり直す感じも乱あらしくて…良かった……良かったよ……♡♡感無量♡♡
2017/03/27 Mon 00:42:53 URL
No title : ようこ @-
ジャングルジムでプロポーズなんて乱馬らしい( ^ω^ )でも夜桜でプロポーズなんてロマンチックですね(*´艸`)あかねちゃんの学校が始まったら始まったでヤキモチ妬いちゃうのかな?なんてその後の2人が気になりますΣ(=゚ω゚=;)
2017/03/27 Mon 12:17:41 URL
管理人のみ閲覧できます : @
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017/03/27 Mon 19:25:11
Re: No title : koh @-
> 縞さん

こんばんは☆
久々にっ。
久々にお話書けたよ、縞さんっ!
しかも初めてのコレ…。

なんかね、もう一度リベンジというか、でも圧倒的に幸せというか、そんな風景が思い浮かべられるような
お話を書きたくなったんです(´艸`*)♡
久し振りでどうかな…と思ったのですが、個人的にも好きな感じに何とか形としてまとめることが出来たので、
乱あらしいと言っていただけてすごく嬉しいです✨✨✨。
2017/03/27 Mon 20:06:29 URL
Re: No title : koh @-
> ようこさん

こんばんは☆
久し振りの二次小説、こうしてまたコメントをいただくことが出来てとっても嬉しいです♡

20代とはまた違うプロポーズというか、素直じゃない二人がジタバタ暴れず気持ちを通い合わせられる
場所ってどこかな?と想像してみました。
夜桜の雰囲気が伝わったでしょうか(*^^*)。
きっと新しい学校が始まることに対して、あかねちゃんより乱馬の方が不安があるんじゃないかなって。
でもって高校も、自分の変身体質よりあかねちゃんのために一緒の卒業を目指した様な気がします(´▽`*)。
あー、しばらく休んでみたけれどやっぱり乱あのお話書くのは楽しい♡
2017/03/27 Mon 20:12:26 URL
Re: タイトルなし : koh @-
> 2017/03/27 Mon 19:25:11 コメント主様

こんばんは☆
きゃー、コメント主様!!
Pixivの時からコメント主様のメッセージにはどれだけ励ましていただいたことか…✨。
今もこうして足を運んでいただいているなんて、本当に感激です(/ω\)///。
もう仕事の疲れが飛んでいく~♡

こちらの飛花の誓いはずっとぼんやり頭の中にイメージがあって、ようやくそれを形に出来たお話なんです。
お金もなく特別な演出は何もないのですが、だからこそ二人の純粋で澄んだ想いが伝わってくれたら
いいなあと思いながら気持ちを込めて書いていました(*^^*)。
ですが、なんせ二週間ぶりの創作で…。
ただでさえ拙い文章が更に語彙力不足になっていないかと危惧していたのですが、そんな風に言っていただけて
とっても嬉しいです(´艸`*)♡

そしてコメント主様、同い年だったんですね♪
そりゃE & Yも栄作ちゃんも通じるはずだ✨。わ~い。

また創作や日常の呟きでのんびりと更新していくつもりですので、どうぞこれからもよろしくお願いします♡
この度は本当にありがとうございました✨。
2017/03/27 Mon 20:21:09 URL
: yoko @-
ふわわわー、幸せ桜色です〜♡
ジャングルジムがまたいいっ。ブーツで登る感じとか、抱きとめてもらうシチュとか!
ああ、昨日の晩に読んでおけば今日の公園がもう何倍も楽しかったろうに!子らとたっぷり登ってきたよ、ジャングルジム!(笑)
ほんわかあったかくなるお話をありがとうございました♡
2017/03/27 Mon 23:24:50 URL
わああ。゚(゚´Д`゚)゚。ああん : RA♪ @-
もーーなんか嬉しくて泣けるーーー。゚(゚´Д`゚)゚。
乱馬くんのプロポーズ…♡♡♡
桜…
ジャングルジム…
プロポーズ…‼︎‼︎
そしてkiss♡♡♡
ああああああああ
読んで幸せな気分になりましたーーー*・゜゚・*:.。..。.:*・'(*゚▽゚*)'・*:.。. .。.:*・゜゚・*

やっぱりkohさんのお話大好きです(*´∀`*)♪
2017/03/27 Mon 23:37:58 URL
師匠~! : ひなた @-
おは、お話の投稿が……きた!!
しかも、プロ、プロポーズだぁ!!(T^T)✨師匠私の心の叫びをお伝えしたい!!頭の中は桜が満開です。ひとつひとつの蕾がね、全部咲き乱れています!
素敵だぁ……✨やっぱり乱あ書きたくなってきます~!毎回師匠のお話でエネルギーチャージ( ・`д・´)キリッ
とりあえず、ジャングルジム見つけたら登ってきますね!やっぱり師匠の乱あ好きだぁ~(≧∇≦)
2017/03/28 Tue 06:23:41 URL
最高ばい! : 憂すけ @-
タイトルから良いです!中国行きを控えた乱馬から別れを切り出されるのが怖かったあかねちん。二人の思惑のずれといい、絶妙っス!じれったい分、想いが通じ合った時の喜びと来たらばー!! 桜舞い散る人気のない小さな夜の公園。静かな中にも、息遣いや桜がハラハラ落ちる質感や風の鳴る音までが聞こえてきました。いや!聞こえましたよ、マジで!!あぁ、日本人に生まれて良かっただ。日本はやっぱり美しい国だ。花見で一杯☆も出来るし。(あれ?)久々のkohさんの乱あは、やっぱり素敵でした!!流石っす!!(≧▽≦)
2017/03/28 Tue 13:57:46 URL
泣きそうでした(;Д;)(;Д;) : ポパイ @9L.cY0cg
kohさん。はじめまして
ポパイです(๑•̀ㅁ•́ฅ✧
密かにブログを除きこんでいます!pixivから見てましたけども。www
今回の桜乱あ祭参加ありがとうございます
。゚( ゚இωஇ゚)゚。
もーほんっとに素敵な話でしたっ(;Д;)
感情移入しすぎて、歯が痛くなるほどでしたっ!!ww久しぶりにドキドキしました!
いや。ほっとに!!ジェットコースターから落下した時になるキュンとした感覚でした!www 別れと始まりの季節に桜が感じられる話に2人の雰囲気がまざりこんで、ほっとーに、グッとくる話してでした(ฅωฅ*)
素敵な話をありがとうございます!!
もー思い出しただけでも泣きそうです。
何回も読みます!.˚‧º·(ฅдฅ。)‧º·˚.

これから桜がどんどん咲いて
満開になる頃、桜を見るたびに話を思い出しそうです! まだまだ開催してますのでみなさんの桜乱あも楽しんでくださーいっ(*′皿`艸)
2017/03/28 Tue 15:15:00 URL
管理人のみ閲覧できます : @
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017/03/28 Tue 23:16:28
Re: タイトルなし : koh @-
> yokoさん

こんにちは。
う、嬉しい~、そう言ってもらえて♡♡♡
パッと浮かんだイメージが眩しいくらいの月明かりと一本の桜の木だったんだけど、
その花と月光により近くて身動きが取りづらい場所…って思ったらジャングルジムしか
想像出来なくて(´艸`*)。
ブーツのカツカツした不安定な感じとかが迷うあかねちゃんお心情みたいに伝わると
いいなあって思ってたので嬉しいです♡

あ、でもお子さん達とジャングルジム上るなんてすごい✨。
私はきっと頭ゴーンコースになっちゃうから今更のぼれないわ…(^▽^;)。
なんかね、久し振りの創作ですっごく楽しかったです(*^^*)♡
2017/03/30 Thu 13:15:24 URL
Re: わああ。゚(゚´Д`゚)゚。ああん : koh @-
> RA♪さん

こんにちは。
春は別れと共に旅立ちや切り開く季節でもありますからね♪
私から乱あの二人にエールのようなお話を書きたくて、いつもとは少し違う展開を
考えてみました(´▽`*)。
四で幸せな気持ちになっていただけたなら それが私にとっても一番嬉しいです♡

しばらくぶりの創作でしたが、とっても楽しくて(´艸`*)。
そしてやっぱり「私のお話が好き」と言っていただくその一言にグンと背中を押されています。
本当にいつもありがとう✨✨✨。
私もRA♪さんが大好きです♡(あ、告っちゃった♡)
2017/03/30 Thu 13:19:18 URL
Re: 師匠~! : koh @-
> ひなたさん

えへへ…ただいまー♡
久々の創作、めちゃくちゃ楽しかったです(*^^*)♡
いいの、自己満足でもいいの。
こうやって私は自らの萌えをぽんぽこ生み落としていくぞ~ッ!

プロポーズ話って沢山素敵な二次が既に溢れているようで、だからこそなかなか自分では
書けないなあと思っていたのですが、春の季節はなんだか特別で。
読んだ後にとびきり幸せな気持ちになるお話が書きたくて、あとは何も順序立てないまま
ただ気の向くままにキーを打ってみました♪
肌寒い春の夜の感じと、でも確実に温かさがすぐそこまで訪れているふわりとした空気を
感じていただけたら嬉しいです♡
2017/03/30 Thu 13:24:26 URL
Re: 最高ばい! : koh @-
> 憂すけさん

こんにちは。
今回ね、本当にタイトルが決まらなくて…💦。
これって思うものはどうしてもネタバレ感が強かったり、お話の予想が付くものになって
しまうから「桜・ジャングルジム・フラワーシャワー・夜・公園」ここら辺のキーワードが
使えずうんうん頭を捻っていたのです(^▽^;)。
そして5つくらい書き出してみて、ようやく決まったのがこのタイトルでした。
毎回タイトルで悩む私。うう、センスが欲しい…💦。

あ、あと流石憂すけさん!
もうすぐ中国に渡る乱馬に「やっぱ日本の桜はきれいだよな」って思って欲しくて書いていたので
「日本は~」とコメントいただけてすっごく嬉しかったです!
そうそう。わざわざ書くことではないんだけど、はやく帰国したくなるよね、みたいな。
やっぱり乱あの妄想は尽きません✨。
2017/03/30 Thu 13:30:14 URL
Re: 泣きそうでした(;Д;)(;Д;) : koh @-
> ポパイさん

こんにちは。
先日はグッとくるコメントをありがとうございました✨。
ポパイさんが主催してくださったおかげで楽しくお祭りに参加することが出来、感謝しています♡

春なので私から二人に新たな門出をお祝いする気持ちを…と思って浮かんだのがこのお話でした。
桜という一つのキーワードがあったからこそ、そこから枝を広げるように妄想が膨らんで
一つの形となって花を咲かせることが出来ました✨。
ただただこの二人が好きで、どんなことがあっても幸せになって欲しい。
その想いを込めて書いたお話だったので、そんな風に言っていただけてとても嬉しかったです♡

噂によると夜桜乱あ祭りもあるとかないとか…?
ならばいっそR-18も参加してしまおうか。
そんな単純な私ですが、よろしければまた遊びに来てくださいね✨。
この度はありがとうございました♡
2017/03/30 Thu 13:35:20 URL
Re: また名作が…✨ : koh @-
> 2017/03/28 Tue 23:16:28 コメント主様

こんにちは。
もう…本当に…っ!
どうしてコメント主様の言葉はこんなにも私の気持ちを優しく包んでくれるのでしょうか…✨。
これが非公開であることが毎回残念思うくらいに、今とっても胸の中に温かいものが
込み上げてきています。いつも本当にありがとうございます。

そして久々の創作でしたが、このお話をそんな風に言っていただけて それだけで
「ああ、書いて良かったな」って思える。
これ程二次創作者にとって嬉しいことはありません♡

裏にもまた今日更新したのですが、なにぶん春って忙しい季節じゃないですか。
そして進学や進級、その準備に追われて大人も子どもも知らず知らずに気持ちが追い立てられて
余裕がなくなって…。
コメント主様がダメなんじゃないんです。そんな時ってみんなあると思うんです。
だからコメントなんてどうか気にしないでください。
私なんて時には文字を読む気にもなれないくらい消耗することもありますし、逆に文字に
触れることで少しだけ心が満たされることもあったり。
なのでコメント主様も無理はなさらずに(*‘ω‘ *)。
読みたいな、と思われた時にフラット足を運んでいただいて、その10分でも5分でも
ふっと気持ちが軽くなっていただけたら私はそれで充分嬉しいんですよ♡
2017/03/30 Thu 13:46:38 URL

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