絶対引力 

2017/07/07
こちらで【今夜、赤い月の下であいましょう】のオムニバス完結となります。

なお、拍手にちょっとした仕掛けをしております。
一度目の拍手の後、案内に沿ってもう一度(三度?)【もっと送る】を押してみてください。
この度も最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。



【 絶対引力 】



「よ。久し振り」
「あら、元気だった?」
「ってあのなー。久し振りの電話なんだから少しくれー“きゃー、嬉しい”とか言えねえわけ?」
「きゃあうれしい」
「なんだよ、その棒読み」
「ふふっ。それはそうと、もう落ち着いたの?」
「おー、ようやくな」
「そう。お疲れ様」
「おめー、試合の結果とか気になんねーの?」
「別に」
「かわいくねーな」
「だって乱馬が負けるわけないもん」
「……おう」
「万が一にも負けるようなことがあったら電話なんか掛けてこないだろうしね」
「ばーか。おれが負けるわけねーだろ?」
「言うと思った」


「だから聞かなかったのよ」と呆れたように笑う声がくすぐったい。
おれは頭上に広がる霞んだ夜空を見上げながら、携帯電話を反対の手に持ち替えてベランダの柵にもたれ掛かる。


「東京の天気はどうだ?」
「うん。少し雲は出てるけど綺麗に月が見えてるわ」
「そっか」
「そっちは?」
「あー、こっちも月が見えてるっちゃー見えてるけど、なんか霞んで全体的にぼやけてんな」
「そう……。せっかくのストロベリームーンなのに残念ね」
「まあ、これでも都心部に比べたらマシな方みてーだけどな」
「不思議よね。こんなに離れてるのに見てるものが一緒だなんて」
「そー言われてみるとそうだな」
「体調はどう? お腹とか壊してない?」
「んなやわじゃねーよ。おれが腹を壊すのはせいぜい あかねの飯くれーで、」
「ひどいっ!」


「あんたなんてそのまま中国に骨を埋めればいいのよっ」だなんて、あかねのほうがよっぽどひでーじゃねーか。
ああ、でもこんなやり取りも久し振りで。

「んな怒んなよ。おめーの飯が凶器なのはいつものことじゃねーか」
「まだ言うかっ」

こうやってからかいながら宥めていると、またどうしても触れたくなってしまう。


「……っと、いけね。おれ、これから打ち合わせなんだ」
「うん。頑張ってね」
「あかね」
「なに?」
「金曜には帰れるから」
「……うん」


あ、なんだよ。その嬉しそうな相槌は。


「その日は予定入れんなよ」
「どうかしら。他の先生たちと飲みのお付き合いもあるし、ゆか達にも久し振りに会いたいし――」
「おいっ」
「冗談よ、冗談」
「おめーなぁ、」
「気を付けて帰って来てね」
「おう」
「……楽しみに待ってるから」


プツリと切れた携帯をポケットに捻じ込み、空を見上げる。
モヤモヤと霧だか煙だかわかんねー先に霞んで見えるのは、うっすらと赤みがかった丸い月。
この一カ月半、試合と遠征で中国に拠点を置いていたおれは、日本を発って二度目の満月を眺めていた。


(昔は三週間離れただけでも死ぬほどつらかったっけ)


勿論、今も寂しさがないわけじゃない。
それでも互いにやるべきことが目の前にある今、おれ達は弱音を吐き出すことはなくなっていた。それは何も慣れとかおざなりではなく、二人の間にある揺るぎない信頼感。
寂しいという言葉を口にするのが薄っぺらく感じるほどに おれの中にはあかねという存在があり、だけど声を聞いた瞬間、記憶の中ではない実物のあかねに触れたいという欲求にも駆られる。




「あと二日か」



おれはようやくベランダから室内に戻ると、開きっぱなしになっているトランクの中からちょこんと顔を覗かせている包みに目をやった。その紙袋の封を開け簡易包装された一つを取り出す。
あかねに会えるまで、あと二日 ――。







「あかねせんせい」
「なあに?」
「せんせい、このごろ むしにさされてないんだね」
「え?」
「だって まえ、すっごく あかくなってたでしょ?」
「あ、えっと……そ、そうなの、先生 お部屋の窓を開けっ放しで寝ちゃったから沢山虫に刺されちゃったの」
「もう いたくない?」
「うん、もう大丈夫よ。心配かけちゃってごめんね」
「あかねせんせいをイジメるやつがいたら、おれがこらしめてやるからな」
「ふふっ。ありがとう、ヒロ君」


ぎゅうっとハグして、嬉しそうに園庭へと駆けていく背中を見送る。そんなあたしの背後から何やら意味ありげな笑みを浮かべ、脇腹を小突いて来るのは同い年の同僚だ。


「ふっふっふ。“虫刺され“ねえ、あかね先生」
「な、なによ……」
「いいえー、別に。ただ、虫刺されにしては四月って少しばっかり早いかなぁと」
「もうっ、意地悪!」
「意地悪はあかねのほうでしょうが。いい加減、彼のこと教えてくれたっていいじゃない」
「か、彼っていうか、その、」
「んん? それとも彼氏じゃない人にあんな情熱的な痕を許しちゃうとか?」
「そんなわけないでしょっ」

まったく、それもこれも全部乱馬が悪いんだわ。
確かに翌日からしばらく会えないとはいえ、いくら何でも下に家族もいるし……と油断していたのが大きな間違いだった。
夜中にこっそり窓から侵入してきた手癖の悪い恋人は散々人の身体を弄びながら、わざと見えるような場所に執拗に痕を残していったっけ。普段から甘い言葉の一つを囁くでもないくせに、独占欲だけは強いのだから困ったものだ。
だけどあたしを上から見下ろす時に掛かる前髪、切羽詰まったような表情、互いの汗で湿った肌に掠れた声……思い出すだけで、忘れかけていた感情にゾクリとスイッチが入る。

「ちょっと、あかね先生?」
「…あっ、ご、ごめん、なに?」
「愛しい彼のことを思い出すのも結構ですけど、まだお仕事中ですからね」
「べ、別に思い出してたわけじゃあ、」
「ねえ、今度こそちゃんと教えてよね、あかねの彼のこと」
「……うん、そのうちね」
「そのうちって一体いつよ?」
「そのうちはそのうちよ」


ごめんね、隠すつもりはないのだけれど。
やはり相手が格闘で名の知れている乱馬で、更に同僚がファンであることを公言している以上、なかなか言い出しにくいものがあるのも事実だ。
あたしは適当に笑顔を浮かべると心の中で手を合わせながら、延長保育の子ども達の様子を見に外履きへと履き替える。

夕暮れが迫る空はうっすらとグレー掛かり、六月にしてはひやりと冷たい風が肌を刺す。ああ、これはもしかしたら今晩から雨かもしれないな。湿った土の香り感じながら、グンと両手を伸ばして後ろに反らせばパキンと腰が小さく鳴った。
今週もよく頑張ったわ。
そう思ってはぁぁと大きく息を吐いた時だった。



「え…ちょ、ちょっと、あれって早乙女乱馬じゃないの?」
「うそっ!? まさか、」
「間違いないわよ! 伊達にファンクラブに入ってるわけじゃないんだからっ」

え!? ファンクラブまで入るほど熱烈な応援してくれていたの? と驚くとともに、恐る恐る園庭からポーチのほうを振り返ると ――。


「よっ」

そこには帰国直後とは思えないほど身軽な、それこそ「ちょっとそこまでお散歩」というようなラフな格好に身を包んだ乱馬がニコニコと手を上げていた。


「ちょ、ちょっとあんた、なんでこんなとこにいんのよっ!?」
「なんでとはなんだよ。言ったろ? 金曜には帰国するって」
「そ、そうだけどっ」

はっきりとした帰国の便を聞いていなかったから、てっきりこちらに到着するのは夜になるとばかり思っていた。ううん、その前に職場まで来るなんて聞いてない。
そんなあたしと乱馬の様子を訝しがるように、やや遠巻きから好奇の視線を向けてくるギャラリー達。ほらね、だから嫌だったのよ。
乱馬が伸ばした手をさり気なく避けると、あたしは声を潜めて睨みを利かす。

「と、とにかく、仕事が終わったらすぐに家に帰るから待ってて!」
「やだ」
「ちょっと!」
「ちなみに仕事終わんのって何時頃?」
「さあ……、金曜日だからちょっと遅くなっちゃうかも。七時半…八時くらい?」
「遅え。六時に終わらせろ」
「そんなこと出来るわけないでしょ、ばかっ」


「わかったわかった」と髪の毛に触れようとする手をまた避ける。
危ない危ない、油断も隙もないんだから……と。
その時、あたしのエプロンの裾をツンツンと引っ張る感触に視線を落とすと、そこには眉毛を吊り上げたヒロ君の姿があった。


「あかねせんせい」
「あら、どうしたの? ヒロ君」
「あかねせんせい、このおじちゃんだれ?」
「はあっ!? おじちゃんって ふざけんなっ! おれはあかねの――」
「ごめんね、ヒロ君。このおじちゃんは何でもないのよ」
「おいこらっ! あかねっ」
「おい、おまえ」
「なんでい、くそガキ」
「ちょっと!」

ああもう、小さな子どもに大きな子ども。
体格こそ違えど、そこに大きな違いはない。
あたしの制止を振り切り、先に口火を切ったのはヒロ君だ。

「あかねせんせいのこと、よびすてにすんじゃねーよ!」
「んだと? このガキっ」
「ガキじゃないぞっ、おまえこそ おじちゃんじゃないか!」
「て、てめえ、人が下手に出りゃー好き勝手言いやがって……!」
「そこまでっ! ヒロ君、もういいからそろそろお帰りのお支度しようね。あ、おじちゃんもどうぞお引き取りください」
「くぉらっ!」
「やーいやーい、あかねせんせいにおこられたぁ」
「ばーか、知ってるか? ああ見えてあかね先生って、夜はかわいい声で“もうばかぁ…”って」
「ばかはあんたよっ! 何てこと言うのっ」
「じょ、冗談じゃねーか冗談っ」
「冗談になってないっ!」

これが二人っきりの時ならいざ知らず、隣にヒロ君もいるのでグッと拳を堪える。
尚もいーっと舌を出すヒロ君に、全力でやり返す乱馬。はあ……これは先が思いやられると溜め息を零しつつ、あたしは乱馬に耳打ちした。

「いい? とにかく仕事が終わるまではどっかで時間を潰して待ってて」
「おー、わかった」
「絶対ここに来ちゃダメだからねっ!」
「え? それは迎えに来いっていう前振りか?」
「ばかっ」


へらへらと笑う乱馬を何とか追いやり、揺れるおさげを見送る。そのあたしに向けられるのは、とても一言では言えない、清々しいまでに野次馬根性を隠さない物珍し気な視線の数々。

「……ちょっと。あ・か・ね・先・生」
「……は、い」
「一体どういうことっ!? あの早乙女乱馬があかねを訪ねて来るなんてっ!」
「そ、それは、その、話せば長いような短いような……」
「で、結局二人は付き合ってるわけ? そこんとこどうなの!?」
「う……っ、それは、その、」
「いいから正直に白状しなさいっ! 怒らないから」
「ほ、本当に?」
「勿論! 私達、同じ職場で助け合ってる仲間じゃない」

ああ、そう言ってもらえるなんて、なんだか胸の奥がジンと熱くなっちゃうわ。
が、その温かさも束の間、同僚の言葉に一気に現実へと引き戻される。

「だから、ね? もしも早乙女さんと付き合ってるなら、ちょっとお知り合いを紹介してくれればいいだけのことだから」
「もうっ!」
「冗談よ、冗談!」
「とか言って、本音は?」
「半分本気!」
「やっぱりね」

あははと笑い飛ばしながら、背中を突かれつつ こんな恋バナをするのも悪くない。
これまで高校の友人以外の前では公にしてこなかった乱馬との付き合いを まさかこんな形で知られることになるとは思わなかったけれど、これはこれで恥ずかしいような、でもそれを少しだけ上回る落ち着かない嬉しさが胸に広がる。

「でも早乙女さん、つい最近まで試合で海外に行ってなかった?」
「よく知ってるわね」
「あのねえ、ファンクラブ会員の情報をナメちゃダメよ。っていうか、確か昨日まで中国にいたと思ってたけど」
「うん。今日帰国するって言ってた」
「……」
「……な、なによ」


「ふーん」と意味ありげに頷く同僚。いつの間にか先輩保育士達まで集まって一斉に首を縦に振っている。


「要は、帰国して直ぐにあかね先生に会いたかった、と」
「べ、別にそういうわけじゃっ」
「あー、今さら照れない照れない。だって、ねえ?」
「なに?」
「さっきの早乙女さんの笑顔。試合の時と違ってあんな顔もするんだと思ったらまたキュンとときめいちゃった」
「…っ」
「やあねえ、本気にしないでよ。まあ、ときめいたのは本当だけど」
「も、もう、そうやってすぐからかうんだから!」
「いいじゃないの。それより、今日はあかね先生の代わりに頑張ってあげるから早く帰ってあげなさいよ」
「でも……」
「あんな顔見せられちゃったらね。あ、ちゃんと早乙女さんにも恩を売っといてよ?」

そう言ってパチンと片目を瞑ってみせる同僚。

「くれぐれも虫刺されには気をつけてねー!」

最後は聞き捨てならない声に見送られて保育園を後にしたのは、ちょうど空にぽっかりとオレンジ色の月が浮かんで見える頃だった。









「お。終わったか?」
「びっ…! ……くりしたぁ。あ、あんた、なんでこんなとこにいんのよ!」

そう。
このまま駅まで向かって家に帰宅しようとしていたところ、保育園を出て二分と経たないうちに遭遇したのは約一か月半振りに対面する乱馬の姿。
勿論さっきも顔は会わしたけれど、あの時は正直再開の余韻に浸る間もなかったあたしとしては、今更ながら胸の鼓動が速くなるのを感じる。そんなことはお構いなしというようにニカッと笑うその顔は、心なしか以前会った時よりも少しだけシャープに見えた。
思わずまじまじと見つめてしまうあたしを、逆に愉快そうな目で覗き込んでくる。

「なんだよ。んな人の顔ジロジロ見て」
「べ、別にジロジロなんか」
「いや見てた。もう少しで穴が空いちまうとこだったぜ」
「もう脳ミソに穴が空いてるんじゃない?」
「へーへー」
「……なによ」
「いやー、流石だな。久し振りに会ったっつーのに かわいい台詞の一つも言わねえところがいかにもだと思ってさ」
「なにそれ。嫌味?」
「ちげーよ、褒めてんの」
「どこがよっ」
「まあまあ。それより時間がもったいないから行こうぜ」
「え、ちょっと、家に帰るんでしょ?」
「ブー。はずれ」
「え?」
「いーから行くぞ」
「ちょ、ちょっと……!」








そして どこにでもあるファミレスで早々に夕飯を済ませた後、連れてこられたのがここ、ホテルのロビーである。
といっても、何もいかがわしい類のホテルではない。
ドアマンに中へ通され、その向こうに大理石のカウンター越しで迎えるコンシェルジュの姿を見た時には少なからず足が竦(すく)んだ。
流石に学生時代のような格好ではないといえ、あたしの格好といったら いたって普通のワンピースにローヒールのパンプスだ。かといって乱馬が正装しているかといえばそういうわけでもなく、かろうじてジーパン姿ではないものの、ごくシンプルなチノパンにこれまた飾り気のないカットソーという出で立ちで。それでも決して見劣りしない……ううん、寧ろ堂々としたその佇まいは、結局お洒落とかじゃなく美しさを身体で表現するってこういうことなのかな、なんて ついらしくないことを思ってしまう。
もしかしたらお風呂に入る前に乱馬に会えるかも。
そう思って、あたしも今日は少しだけおめかししていたのが せめてもの救いだった。

「ちょっと待ってろ」

別段緊張するでもなくフロントで二言三言交わしてカードキーを受け取る乱馬。その振る舞いはもう幼い学生時代ものではない。それとなくこちらの様子に気を配り、サービスに不備はないかと伺うホテルマンから目を逸らすと、あたしは意味もなく携帯を手に取ってみたりして特に自分は困っていること等ないと暗に伝える。このクラスのコンシェルジュになるとたったそれだけのことで適度な距離を置き、にこりと微笑むに止まってくれるのだからありがたかった。

「あかね」

聞き慣れた声にようやくほっと胸を撫で下ろす。自分だけが場違いに感じてしまうラウンジで、乱馬の存在だけが安心出来るだなんて。なんだかまるで、生まれたばかりの雛のよう。

「行くぞ」
「行くって…」
「部屋」

短く端的に答えると、すたすたとエレベーターホールへ向かう。
こんなところで小走りになるのはなんだかみっともない気もしたけれど、あたしも慌ててその後を追った。
八基並んだエレベーターの前。そのうちの一つが上を向いた三角のマークを点灯させ、音もなく扉が横に開く。
そこにするりと乗り込むと、再び静かに閉まる扉。ずらりと並んだ数字のボタンは53だけが明るく光っている。
あたしと乱馬の二人だけを乗せたエレベーターはものすごい速さで上昇し、ふわりと足元が浮くような一瞬の無重力を感じた。一面だけガラス張りになった外の夜景を見れば、まるでこのまま月にでも運ばれてしまいそうな錯覚を覚える。
視界はただ、群青色にキラキラと煌めく光の粒だけしか映さない。

「ね、乱馬……」

柄にもなく、つい乱馬の服の裾を掴んでしまう。
こんなに広々としたエレベーターなのに、なぜだかくっついていないと逸(はぐ)れてしまいそうな不安に駆られて顔を覗き込むと、いつもと同じ人懐っこい笑顔も今は少しだけ違って見えるから不思議だった。Vの字に空いた首元から不意に嗅いだ覚えのない香りが鼻先をくすぐる。いつもの家のボディーソープとは違う、もっと上質な艶のある香り。
思わずくんくんと鼻を近付ければ「おめーは犬か」とあたしの腰に腕を回しながら、乱馬がくしゃりと笑った。

「だって……なんかいつもと匂いが違う」
「そーか? 帰国するなり ここでシャワー浴びたからかな」

くんくんと自分の二の腕に鼻をつけて確かめる。そんな仕草はいつもと何も変わらず気取りのないものなのに。

「なんか……」
「ん?」


くらり、酔わされる。
これからあまり時間を置かずに訪れるであろう、甘い時間。この唇を重ね、この手で抱かれる。
そう思うだけでゾクゾクと言いようのない感情が背筋へと駆け上がり、軽い眩暈さえ起こしてしまいそうだった。

「乱馬……」
「……ここ、カメラがあるからもーちょい我慢な」
「…っ、」


まるで自分の欲情を見透かされたみたいでカアッと顔が火照る。が、乱馬はただ嬉しそうに笑うだけで、特に気にしている様子もない。
そうこうしているうちにあたし達を乗せたエレベーターは目的の階に到着し、乗り込む時と同じ様に音もなく滑るように左右に開いた扉を外に出る。レンガ色の目の詰まった絨毯はヒールの足音を吸い込み、弾力性のある感触はここが高級ホテルであることを足元から伝えてくるようだった。


「ほい、到着」

しゅるりとカードが吸い込まれ、緑色のランプが点灯してジジ…と電子ロックの解除される音が響く。扉を開けるなり、連動して明かりの点く部屋の入り口。と同時に、あたしの顔に影が落ちて来て、直後に熱が重なる。


「ん……」


付き合ってからわかったことだが、どうやら乱馬はキスが好きらしい。窘めるように胸を押すと一瞬唇が離れ、また角度を変えて重なる。はむ…っと上唇を食ばまれ、思わず吐息を漏らせばそのまま身体ごと持ち上げられてベッドへと運ばれた。


「ちょ、ちょっと待って」
「なに」
「あの、靴!あたし、靴履いたままっ!」
「んじゃ 脱げ」
「あんたってどうしていつもそうなのよ」
「うるせーな。おめーこそ毎回もったぶってんじゃねーよ」
「別にもったいぶってなんかないもん」
「それがもったいぶってるっつーの」

ベッドの上で踵だけ脱げた靴の状態のままぺたりと膝を折るあたしに、今にも襲い掛かって来そうな勢いで四つん這いになって両手を突いている乱馬。
お互いギリギリと顔を見合わせ、どちらからともなくプッと吹き出すと、いつの間にかゲラゲラ遠慮のない笑いに変わってしまう。

「おめーなぁ、せっかくなんだから もうちょい空気読めよ」
「それはあんたでしょ。靴も脱がないままなんて有り得ない」
「かわいくねー」
「知ってる」
「でもかわいー」
「知って……あ、え?ちょっと、」
「わはは、ばーか。まんまと引っ掛かってやんの」
「あ、あんたねーっ!?」

恥ずかしさから思い切り拳を振り上げる。が、それを易々と手で封じ込められると、履いていた靴をポイとベッドの下に投げ捨てられた。

「もー靴脱いだぞ」
「だから?」
「いい?」
「なにが?」
「……なるほどなぁ」


なによ、そんなわざとらしくうんうん頷いちゃって。


「あかね、あれだろ」
「なに?」
「緊張してんだろ」
「べっ! 別にそういうわけじゃ、」
「照れんな照れんな。まあ、そーだよな。確かにこんなカッコいい恋人に久し振りに会ったんだもんな」
「ばっかじゃないの」
「おめー、もう少しムードに流されてかわいげのある態度の一つでも取れねーのか?」
「おあいにく様。かわいくなくて悪かったわね」



ウソ。

本当は、どこかでちょびっと緊張しているかもしれない。
久し振りに会った乱馬は、なんだか想像以上に男で。
ドキドキと鼓動が速くなっているのを悟られないよう精一杯強がってみるけれど、嬉しさと愛おしさと、それから少しだけ自分より遠い人になってしまったようなほろ苦さ……。
なによ。さっきまでムキになって保育園児と張り合っていたかと思えば、こんなスマートにホテルの手配なんかしちゃって。


「……」


ベッドの上で向き合ったまま、そっと乱馬のカットソーの裾を掴む。

悔しい。
すごく冷静ぶっているけれど、実は好きの大きさはあたしのほうが上回っている気がして。

悔しい。


「おい、急に黙りやがってどーし……いてぇっ! にゃ、にゃにしゅ――」
「ふふ。変な顔」
「ふぇんなきゃきゃおなのは おめーがひっはってるはらだろーがっ!」
「なによ。いつもあたしの前では こんな顔ばっかしてたくせに」
「あひゃねっ、おめー、」
「…………………………ないでよね」
「あ?」

思い切り両手で横に引っ張った乱馬の頬。
その手を離して、今度は乱馬の背中に腕を回した。
いつもと違う服の匂い。その布の下から香る乱馬の肌でさえ別の匂いがするようで、それをあたしの香りで上書きするようにぎゅうと強く抱きしめる。

「どーした?」
「ううん、なんでもない」
「変なヤツ」
「そうかしら」
「そーだよ」
「……あのね、乱馬」
「ん?」
「おかえり」
「おー……って さっきから会ってんじゃねーか」
「いいでしょ、別に。言いたくなっちゃったんだから」
「まあいーけどよ。普通 こーいう時は続けて“お帰りなさいませ乱馬様。お風呂にする? それともあたし?”って言うもんなんじゃねーのか?」
「ばかじゃないの。大体、それを言うなら“ご飯にする? それともお風呂?”でしょうが」
「いや、あかねの口から飯って言葉を聞くのは身の危険を感じるっつーか、今はそれどころじゃ、」
「ばかっ!」


怒って。
じゃれて。


「ん……、」


時々 唇同士で熱を交換して。


「おかえり」
「おー」
「おかえりなさい」
「ただいま」


シンプルな言葉に想いを込めて、ばかみたいに何度も同じやり取りを交わす。

おかえりなさい。
怪我がなくてよかったわね。
無事に帰って来てくれてありがとう。
ほんの少しだけ、寂しかった。
悔しいけど、本当は帰ってくる日が待ち遠しくて仕方がなかった。
あんまり遠くに行かないでね。
……大好きよ。


求められるのが嬉しくて。
求められることが照れくさくて。


それを隠すように相手の出方を伺っていたら、先に根を上げたのはやっぱり乱馬のほうだった。



「……なあ」
「なに?」
「おれ、そろそろホントに限界なんだけど」
「限界って?」
「おめー、ちょっと離れてる間に性格悪くなってねーか?」
「残念でした。元からこうよ」
「それもそーだな」
「あ、そういうこと言うんだ」
「なんだよ。あかねがかわいくねーことなんて今に始まったわけじゃねーだろーが」
「ふーん。せっかく言ってあげようと思ってたのにな」
「なにを」
「………………さっきの」
「へ?」




顔が見えないよう、乱馬の胸に自分の額をこれでもかと押し付ける。






「お、お風呂にする?それとも、あ、あたし……?っていうやつ……」







一拍の間の後。









「どっちも」






そう宣言するや否や、有無を言わさず浴室に強制連行されたのは言うまでもない。












お風呂で一度。
ベッドでまた一度、離れていた間の寂しさと欲情を埋め合い、あたしは何も身に纏わないままベッドに沈み込んでいる。
自分の部屋の物とは違う、明らかに上質だと分かるスプリングの利いたベッド。パリッと、まるで新品のように皺ひとつ見当たらなかった厚手のシーツは、あれだけ愛し乱されたにもかかわらずなんとか上品な佇まいを留めているのだから流石だと思う。
横になったままそっと瞼を開けると、白熱灯のオレンジの明かりが筋肉質な身体のシルエットをよりドラマチックに浮かび上がらせ、ああ、本当に乱馬が帰ってきたんだと今更ながらに喜びが溶けていくような甘い感覚が全身をじゅっと駆け巡る。
その肩越しに見えるのは、薄っすらとランプが点いたままになっている木製のサイドテーブルだ。
あまり多くの物を持ち歩かない乱馬。艶のあるマホガニー色の天板に雑に置かれているのは腕時計と携帯電話、それから何やら見慣れないブレスレットらしきものがあるが、ここからでは細部までよく見えない。あたしは硬い胸にすりっと自分の頬を寄せると、離れていたこの一ケ月半の出来事を聞いてみる。

「ねえ。試合って別に毎日してたわけじゃないんでしょ?」
「あたりめーだろーが」

そうよね。
たった一日。
その一日のために、みんなが血を吐くような思いで身体を極限まで痛めつけて闘う厳しい世界。
なのに、どうしてこの男はこんなにも楽しそうなのだろう。

「試合があったのっていつだっけ?」
「おめーなぁ……もしかしておれの試合なんてどーでもいーのか?」
「そういうわけじゃないけど」

だって。
多分。
知ってしまったら、それこそその日はドキドキして仕事どころではなくなってしまうかもしれない。
……こんなこと、意地でも言ってやらないけれど。


「試合があったのは六日前。んで、それからもう一回身体チェックとか挨拶とかあって」
「へえ」
「ホントはあと一日早く帰ることも出来たんだけどよ。ちょっと野暮用があって遅くなっちまった」
「その野暮用ってなに?」
「知りてーか?」
「うん。教えて」
「んじゃ、ちょっと待ってろ」


そう言ってあたしから身体を離すと、何も身に付けないままベッドから下の絨毯張りの床に降りる。
いくら後ろ姿とはいえ、まるで雑誌から抜け出してきたような肉体美にあたしは目のやりどころがなくて。

「ちょ、ちょっとあんた、ガウンくらい羽織りなさいよ」
「別にいーじゃねーか」
「いいからっ」
「んだよ。さっきまで散々おれのあんなとこやこんなとこ、」
「乱馬っ!」


「へーへー」と不承不承にホテルの白いガウンを羽織ると、今度こそ鞄の中からゴソゴソと何かを探している。そして細長い包みを手にすると、再びベッドの傍にやって来てそのまま縁に腰掛けた。
ギシリとしなるスプリング。その隣であたしは寝具で胸元を隠すようにしながら、同じく上半身だけを起こして乱馬のほうを向く。


「これ。なんだかわかるか?」
「さあ……」

にゅっと目の前に突き出されたのは、青いベルベット調の細長いケース。
その蓋も開けていないのだから中身を知る由もないのは当然なのだけれど、あまりにも愉快そうに乱馬が尋ねてくるものだから何故だかこちらまで楽しくなってしまう。

「今年は一緒に月、見れなかっただろ」
「うん。でもしょうがないわよ、仕事だもん」
「だからちょっと空まで取りに行って来た」
「は?」
「やるよ」

ぽんと軽く投げられるケース。
キャッチしようとしたら胸元のシーツがずれ、慌てて直したら「惜しい」と言われた。
惜しいじゃないでしょうが、惜しいじゃ。
何となくどういった類のものが中に入っているかの見当は付きつつ、あたしは滑らかなベルベットを両手で持つともう一度確認する。

「これ。本当に開けていいの?」
「おー」
「じゃあ……開けるわね」


パコリと音を立て、バネの抵抗ごと横に長い蓋を開ける。
そこに鎮座していたのは、真ん中に石が一つ光る極々シンプルなネックレスだった。
細い鎖をそっと台座から外すと、チェーンを手の平に潜らせる様にして上にかざす。照明の光によって赤にも橙色にも見えるその輝きは、八年前、初めて一緒に見上げた あのストロベリームーンの色そのものだった。


「これ……」
「苦労したんだよなー、月まで往復すんの」
「……」
「っておめー、そこで黙んじゃねーよ。な、なんかおれがすげー恥ずかしーこと言ってるみてーじゃねーかっ!」


そうよ。恥ずかしいわよ。
こんなキザでカッコつけちゃって。
こんなの全然らしくない。



だけど。




「乱馬って、時々すっごいキザ」
「はあ?しょ、しょーがねーだろ?お、おれみてーにカッコいい奴は何やっても決まり過ぎて、」
「でも嬉しい」
「え」
「すっごく嬉しい」


今度こそ、掛け布団が身体から離れることも構わず乱馬の首に腕を伸ばす。
離れててもあたしのこと ちゃんと考えててくれたんだ。
あたしが一緒に過ごしたいと思っていた時間を、乱馬も同じ様に思ってくれている。
それだけでもう、言葉にならないほど嬉しくて堪らないあたしの目は、きっとウサギのように真っ赤に違いない。


「あ、あの……、気に入った……?」
「気に入らないわけないでしょ、ばか」
「ばかは余計だ ばか」
「ばか」
「かば」
「ばかばか」
「ずん胴」
「ナルシスト」
「おめーなぁっ」
「でも好き」
「へ?」
「好き……」



「あ、あの、その、」とか、「い、いきなり素直になってんじゃねーよ」とか。
何よ。人のこと散々素直じゃないとか言っておいて、自分だって大概そうなくせに。
きっと乱馬の顔も、この石の色と同じくらいに赤く染まっているだろう。


「そ、そのさ、これ、カーネリアンっつって、紅玉髄(べにぎょくずい)とも言うらしーんだけどよ」
「うん」
「ちゅ、中国ってやたらと石を重宝しやがるし」
「うん」
「これ、茜色に光るとことか おめーみてーだなと思って、その……」
「うん……」


「つっても んな高えもんじゃねーんだけど」なんて言いながら、恥ずかしそうにポリポリと頬を掻く自分用にもちゃっかり、お揃いの石のブレスレットを買ったらしい。


「あかねの場合、指輪とか仕事中に付けらんねーんだろ」
「うん。別につけちゃいけないわけじゃないけど汚れちゃうし、小さな子ども達に怪我でもさせちゃったらと思うとね」
「かといってガサツなおめーだとイヤリングは落としそうだしな」
「ちょっと。ガサツは余計よガサツは」
「だから……まあ、虫よけに」
「虫って?」
「虫は虫だろーが。たとえば今日の悪ガキとかよ」
「あのねえ。ヒロ君は可愛いあたしの教え子です」
「なんだよそれ。おれよりかわいいっつーのか」
「当たり前でしょ」
「なんでぃ、さっきまで あのガキの前では見せねーような顔しておれに甘えて――」
「あんたって どうしてそう感動を台無しにするのよっ!」


やっぱりね。
何年経とうが、乱馬は乱馬で。
それはたとえ月に行こうが、どんな願いが叶おうが 変わることはないようだ。



気付けば いつの間にか惹かれていて。
乱馬があたしの傍に居るみたいに、きっとあたしも乱馬の傍を離れることなんて出来やしない。





それは二人にしかない、絶対引力。






首元にひやりと石の当たる感覚がする。
あたしの髪の毛を挟まないよう器用に留め具を手で挟みながら、首の後ろに手を回した状態で乱馬が口を開いた。


「そーいえばあかね、今年こそバニーガールに挑戦する気はねーのか?」
「あるわけないでしょ、ばか」
「しょーがねーな。じゃ、百歩譲ってあれでもいーぞ」
「あれってなによ」
「あかねのウサギ組のエプロン。ちっと色気はねーけど、寧ろ仕事中を襲ってると思えば興奮して」
「あんた、本当にばかでしょ」
「いーから一度着てみねえ?」
「いや」
「なんでだよー。今日 金曜だし、洗濯すんのに持って帰って来てんだろ?」
「な、なんでそこまで知ってんのよっ」
「あめーな。格闘家たる者、相手のことを知り尽くすなんざ当然だぜ」
「あんたって人は……」
「っつーわけで着てみようぜ。あ、もちろん下には何も着るなよ?」
「さわやかに言うなっ!」
「んじゃー、かわいく言ったら着てくれんのか?」
「あ、あのねえ!あんた どんだけあたしに無茶させる気よ!?」
「そーだなー。取りあえず我慢してた一ケ月半分?」
「…………」









その後のことは、二人だけの内緒の時間。
だけど一つだけ。









「……チェーン。切れちゃったら悲しいから、一度外して……」






息も絶え絶えにお願いし、汗ばんだ肌にしっとりと貼り付くネックレスを外してもらう。
赤い石のついたブレスレットの横でプラチナが描く緩やかな線は、まるで天の川のようだった。










「あかねせんせい、おはよう」
「ヒロ君、おはよう」
「……」
「どうしたの?」
「なんであかねせんせい、きょう くびがながいおようふく きてるの?」
「う、うん。先生、ちょっとお風邪引いちゃって、」
「でも うでは はんそでだよ。さむくないの?」
「う、うん。大丈夫よ、ありがとう」
「せんせい、もう むしさんは だいじょうぶ?」
「え…っ! た、たぶん、うん。あと三日……ううん、二日くらいは……」
「なに? あかねせんせい、なんていったの?」
「な、何でもないの。ごめんね」
「あかねせんせいを こまらせるやつがいたら おれにいえよ。ぶっとばしてやるから!」
「ふふ、ありがとう。でもぶっ飛ばすのはダメよ。そういう時はちゃんと話し合わなくちゃ」


まあね。
話し合ったところで、あの体力お化けが納得するとは思えないけれど。

あたしは苦笑いを浮かべながら、元気に園庭へと駆けていく後ろ姿を見送る……と、そこに明らかな含みを持って話し掛けてくるのは例の同僚だ。


「あ・か・ね・先・生」
「は…い、ははは……」


えーっと。その、あれこれ聞きたいことは山程あると、全てその瞳からダダ漏れなんですけど?


「さーてと。金曜日はあかね先生を早くお帰しして差し上げたから、今日はお面作りでもしながら たっぷり話を聞かせてもらおうかなぁ」
「こ、こわい!その目がこわいわよ!?」
「何言ってんのよ。先週のファインプレーの恩を忘れたの?」

ファインプレー……なのよね、うん。
わかっている。
親切心だったってことは、心の底からわかっている。
ただ、彼女は唯一大事なことを見落としているだけだ。
乱馬という本当の人物像を。

「……って。あら?今日はいつものウサギのアップリケが付いたエプロンじゃないんだ?」
「う、うん。たまには気分転換」
「そう。それより、あれから早乙女さんとどう過ごしたのよ?」
「どうって……」
「だってー。あんなクールそうな早乙女さんと二人きりなんて、考えるだけでドキドキしちゃう!なんていうか、闘い方と一緒でスマートなイメージなのよね」
「……」



クール……。
スマート……。



いえいえ。本当は二十四にもなって四~五歳児に本気で対抗するような男ですけど?
時にキザで、でも底抜けに素直じゃなく不器用で、人一倍独占欲の強い大きな子ども。
それでいて無駄にスタミナだけはあるのだから、あたしとしては堪ったものじゃない。
イメージって怖いわよね。
勝手にメディアが作り上げた理想の姿だけがこうして独り歩きしちゃうんだもの。



だけど。



その本当の顔を知っているのは、あたしだけ。

そう思うと、それはそれでちょっと悪くないな、なんて甘さが胸に広がるんだから勝手なものだ。




「さーて。じゃあ、とりあえずあかね先生がハイネックを着てる理由からお聞きしようじゃないの」
「もうっ!」





やれやれ。来月の七夕では「乱馬の正体がばれませんように」とでも願っておこうかしら。
そんなことを思いながら、同僚と一緒にあたしも園庭へとゆっくり歩を進める。

空は晴天。


きっと、今夜の月もよく見えるだろう。







< END >






関連記事
comment (8) @ Omnibus 今夜赤い月の下であいましょう

   
うたた寝の後は  | 取り急ぎ、お礼まで 

comment

: yoko @-
ああああ、もう、好きです!ほんと好き!!
幼い言葉しか出なくてごめんなさいっ、でも、好きです!!
信頼と愛情が感じられる空気感や言葉のかけあいはもちろんのこと、エレベーターのやり取りとか、匂いを上書きとか、お互いがお互いに独占欲があったりとか、おかえりに込められたたくさんの想いとか、試合の日を知りたくない理由とか……ほわわ~、と幸せが溢れる場面がたくさんで…。
好きしか言えないんですけど、大好きです!!

イラストも、広い背中が父として夫としてとても頼もしく、それでいて、ズボンの裾を折っちゃう少年っぽさもあったり…。娘ちゃんのハムに、ふふっと笑わせてもらいました♡
なごんだ気持ちのままスクロールして…………あれ?なんか見覚え………ぁぁぁあああああ(//´∀`//)
はい、リアルに声が漏れました(笑)
でも、素敵なイラストを拝見できたからグッジョブ私!(ポジティブ)

さあ、もう1回読んでこよう♡
ありがとうございました!
2017/07/08 Sat 22:42:56 URL
管理人のみ閲覧できます : @
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2017/07/09 Sun 07:25:18
師匠( ・`д・´)✨✨ : ひなた @-
コメント失礼します✨
私、冒頭の電話ですでにニヨニヨ止まりませんでした(笑)あのやりとりの中に互いの信頼関係や絆が見えてなんだかホッと安心する自分がいます😊
帰ってきてすぐ会いにきちゃう乱馬も、部屋での二人も。いっぱい。「大好き」が溢れんばかりで。
本当にこんな二人の距離感や読んであったかくなるお話が本当に好き。このお話から伝わってくる師匠の二人が本当に惚れ込む(。>д<)💕💕

拍手の大好きなお話やイラストにドストライク✨でゴロゴロ勝手に幸せに包まれました✨

あたしもこんなお話を書いてみたい✨と激しく悶えました✨←あ、無理かもしれないけど💦💦頑張りたい✨

師匠、お話やイラストを書いてくれてありがとうございました!読めて本当に良かった✨

大好きです💕叫びたいのをぐっと堪え(笑)真面目にあたしなりにコメントしてみました💕
Twitterの短冊……(笑)あ💦すみません💦💦
師匠の願い事も叶いますように😁💦
2017/07/09 Sun 08:33:25 URL
Re: タイトルなし : koh @-
yokoちゃん

おはようございます。
このシリーズ、トータルで書いていてとっても楽しかったです。
実はオムニバスにしようと決めた時、真っ先に浮かんだのがこのカーネリアンの石=あかね色と、拍手にある“ストロベリームーンの言い伝えをいつか乱あの子ども達にも…”という妄想でして。
そこに持っていきたいがため、二人の関係性を年代別に書いてみました。

ホテルの描写はドキドキしつつ、高校生編や大学生編にはない大人の余裕を感じていただきたくて自分なりに丁寧に書いたつもりなので(本当はなくても特に困らない描写ですものね)そこを汲み取って下さってすごく嬉しかったです(*^^*)。
なんかもう、自分で言うのも何ですが、これでもかというくらいに自分の「好き」と「萌え」を詰め込みました♡

そして拍手のイラスト…あ、ありがとうございます////。
なんだかあの超特急のイラストをお披露目するのは恥ずかしいのですが、背中の広さと足元クルクルを分かっていただいて「やったね!」と一人ガッツポーズです♪
あー、やっぱり乱あ楽しいわ~。
オムニバス、書いてて癖になりそうです////。
2017/07/09 Sun 09:51:04 URL
Re: No title : koh @-
コメント主様・p~さん

おはようございます。
えへへ……先日の投稿に関しては個人的に少し目処が付いたため、「今なら書いてももう平気かな?」と一気に書き上げてしまいました(*^^*)。
奇しくも当日が7/7だったこともあり、どうしても当日にUPしたくて久々に集中しました 汗。

コメント主様の仰る通り、気持ちの大きさがせめぎ合っている感じがオムニバスを書いていて一番楽しいところでもあるんです。
そしてお風呂の一言。
敢えて「大学の頃はあんなに嫌がってたくせによ」という説明文を入れなかったため、気付かない方も多いかな?と思っていたら……そこのポイントもちゃんと気付いてくださり、一人小躍り状態でした♡
オムニバスってこういう伏線(?)を楽しめるから書いていて飽きません(´艸`*)。

あ、あとカーネリアン。
そうなんですよ。それぞれ石には意味がありますが、前向きでいいなぁと。
あの色味も秋らしくていいですよね。
まだらなものと一色のものがあり、調べている時間もワクワクしました。
是非是非、秋の創作に活かしてください~(*^^*)。
2017/07/09 Sun 09:58:10 URL
Re: 師匠( ・`д・´)✨✨ : koh @-
ひなたさん

おはようございます。
えへへ…////。私の「好き」をぎゅうぎゅうに詰め込んだお話だったので、好きと言っていただけてとても嬉しいです(*^^*)。
結局、何だかんだで私はこんな風に成長していく二人が好きなんだなぁと。

書けない時は何をしても書けないのですが、今回のお話は二人が頭の中でポンポンと会話を始めるから寧ろ手が追いついていかないくらいで。
不思議なことに、このお話に関してはほぼほぼ一発書きに近いんです。
“月満ちる時、はじまる恋”は二人の緊張が乗り移ったように一言一言が慎重になってしまい、一行書くごとに「う~ん……」と止まっていたのですが、不思議ですよね。
色々な思いが詰まったこのオムニバスシリーズ。
私にとっても大切なシリーズになったので、楽しんでいただけてホッとしました。

あ、あとイラストもそんな風に言っていただけて嬉しいです。
表情はなくても、そこに幸せな空気感を感じていただければなぁと思っていたので嬉しい…////。

だ け ど。

師匠の願いも叶いますように…???
うるせーわっ!!!(取りあえず脇高ブラで寄せて上げて頑張ります💦)
2017/07/09 Sun 10:06:01 URL
: 憂すけ @-
・・・・あぁ、楽しかった・・・!!最後の最後まで!!有難うございます!全力で楽しませて頂きました!(´艸`*) 本編のお話しではドキドキとニヤニヤ。そしてちょっぴり切ない愛おしさに包んで頂きました。ついでに申しあげれば、私。ヒロ君の15年後が気になります。男前になってんのかなぁ。あ。独占欲強そうだし、ヒロ君があかねちん&乱馬の娘とどーこーなったら・・・!?うーわー・・・乱馬が吼えそうです。み、見てみたいかも。(笑)何だかんだ言って、会いに行くのを我慢できない乱馬。あかねちんの為に素敵な贈り物を用意する乱馬。ヒロ君に焼きもちを本気で焼く男、早乙女乱馬。・・・大好きです!!<(_ _)>♡
2017/07/12 Wed 14:10:15 URL
Re: タイトルなし : koh @-
憂すけさん

おはようございます。
私もこのシリーズの中でこのお話が最もサクサク書けました(*^^*)。
ずっと「乱馬が赤い月にあのブツを取りに行く」というのと「一つ目の拍手のお話」を書きたいがためにオムニバスにしたお話だったので、ようやくここまで来た~という感じで。
時間をかけ少しずつ信頼を重ねていき、時にちょいと調子に乗ってあかねちゃんにぶっとばされる、そんな乱あの関係が堪らなく愛おしい(´艸`*)♡
余談ですが、保育士さんのあかねちゃんってなかなか似合うと思いませんか?
オムニバスのはずだったのに、もう一つの社会人編のバージョンとして妄想が…♡←またかよ
2017/07/13 Thu 06:13:56 URL

コメントを送る。

URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する