先生にだって秘密はある ②放課後の内緒話 

2018/04/21


先生にだって秘密はあるe02




「じゃあ、何かわからないことがあったら私に聞いてくださいね」
「いえ、そんな利田先生の手を煩わせるなんて出来ないですよ」
「いいのよ。それが私の仕事なんだから」
 きらりと光る白髪交じりの髪の毛。それを後ろに一つでひっつめた利田洋子としだようこが眼鏡の端を上げる。歳は五十過ぎといったところだろうか。よくあるドラマのお局よろしく、しっかり糊の効いたブラウス姿からは一寸の隙も感じられない。すると視線の高さに合わせるよう、少し身を屈めた乱馬がじっと利田の瞳を見つめた。
「だっておれ、聞いたんです。利田先生はこの学校の歩く模範であり、生徒のみならず教師全員の見本だって」
「あら……」
「そんな利田先生の作られる校内用のポスターや学校便りはどんな教科書より目を通す価値があるって聞かされた日には、おれなんかのことで利田先生の貴重なお時間を取らせるのが申し訳なくて」
「そ、そんなやだわ、早乙女先生ってばお世辞が上手なんだから」
「あったりめ……い、いや、お世辞なんかじゃないですって。おれ、自分にしか出来ない仕事に一生懸命な女性って憧れるんです」
「まあ……!」
「っつーか学校の案内ごときに利田先生が時間を割かなくても、そんなの他のペーペーにやらせればいいんですよ」
 そういってチラリと視線を走らせた先にいたのはもちろんあかねだ。「ぺーぺーだと!?」、そんな文句が聞こえてきそうな鬼の形相を無視して利田のほうを向けば、こちらはうっすらと頬を高揚させ、感激の表情を浮かべている。
「流石だわ、早乙女先生。やはり本校の校長が見初めただけのお人柄なだけあるのね」
「まーな……じゃねえ、それほどでもないっすけど」
「じゃあ、ここはお言葉に甘えて私は作業に戻らせていただこうかしら。あ、悪いけど天道先生。お暇そうなので早乙女先生に学校案内とコピー機の説明をお願いできる?」
「……はい」
 るんっと鼻歌が聞こえそうな足取りで職員室に戻って行く利田。その後ろ姿を見送り、やがて完全に姿が見えなくなったところで、ダンッとあかねが乱馬の足を踏み付ける。
「ちょっと! 誰が暇そうなペーペーですってっ!?」
「いってーな。暇そうっつったのはあの先生だぞ」
「ふんっ。大体、なぁにが“利田先生”よ。わざとらしい猫なで声なんか出しちゃって」
「どっか変か?」
 人聞きが悪いと言わんばかりに、とぼけた表情を浮かべる乱馬。その顔は、高校生の頃よりも少しだけ高い位置にある。
「あんな歯の浮くような台詞並べちゃって、白々しいったらありゃしない。それともあんた、中国行って妙なもんでも食べてきた?」
「ったく気がつえー女だな。かわいげのなさは相変わらずってか」
 うりうりとあかねの額を人差し指で突く、その輪郭は無駄な肉が削ぎ落されてすっかり青年らしくなっていた。しかし、あかねをからかうことが楽しくてしょうがない性分は昔と何も変わらない。そして今度は急に真顔を作り、尤もらしく持論を唱える。
「言っとくけどなぁ、これはおめーのためでもあるんだぜ」
「あたしのため? なんでよ」
「そりゃ決まってんだろーが。おれみたいに若くてカッコいい先生、生徒も教師も放っとくわけねーだろ?」
「あんたねえ」
「そこで真っ先に邪魔者扱いされんのがあかね、おめーだ。いくらおめーがずん胴で凶暴で色気のねえ女だろうと、一応、戸籍上はおれと同い年の性別女にあたるわけで」
「ほんっとあんたって失礼なんだからっ!」
 さっきまで利田の前で見せていた猫五十匹ほど被った態度はどこへいったのか。頭の後ろで腕を組む唇は挑発するように尖ったまま、今にも口笛を吹きそうな憎らしさだ。
「だからな? おれが変にあかねを頼るより、こうして使えねえ女扱いするほうがカモフラージュできんだよ」
「だからって何もあんな言い方することないじゃない」
「あ、ならいーのか? おれが利田先生と学校巡り中、資材置き場に二人きりになっちまっても」
「どうぞ」
「もしかしたらなんかの間違いが起こっちまうかもしんねーんだぞ」
「勝手にすれば」
「あかね」
「その代わり、万が一にもそんな間違いが起こった日には二度とうちの敷居を跨がせないんだからね」
 
 そう。今、あかねは練馬の実家から。そして乱馬は実家から十五分程の場所にある、古びたアパートで一人暮らしをしている。風呂、トイレは辛うじて付いているものの、決してオシャレや快適とは言い難い築三十年越えのボロアパート。それでも隣階下に人が住んでいないことから、気楽さに勝るものはないようだ。
 実家から近所といっても乱馬が家に寄りつくことはなく、こちらから声を掛けるとたまに食事をしに帰ってくる程度に過ぎなかった。それだって食べ終わったらさっさと席を立ち、そのまま風呂に入ることもなく自分の家に戻ってしまう。一端の大人とするとそれも自然なことなのかもしれないが、あかねにしてみたらどこか物足りない気持ちは否めない。
 思えば乱馬が中国から戻ってきた時、これでやっとまた一緒に生活出来る。人知れず、あかねは淡い期待に胸を弾ませていた。
 にもかかわらず、
「おれ、今日から一人暮らしをするから。その為のアパートだって契約してきた」
 そう言って家族中を驚かせたのは、つい二ヶ月前のことになる。唯一嬉しい誤算といえば、先月から乱馬が夜の稽古だけ道場に顔を出し、生徒を指導する若い師範として活動を始めたことだった。

「はー、それにしてもかったりい」
 言うや否や、しゅるりとネクタイの結び目を緩める乱馬。校風に厳しい私立の高校としては服装の乱れなどご法度で、慌てて制止するものの既にネクタイはくるくると丸められ、ポケットに納められていた。
「そんな格好して、利田先生に怒られても知らないんだから」
「そん時はあかねに無理やり襲われたって言うから……じょ、冗談っ! 本気にすんなって!」
 調子の良さも、昔から何一つ変わらない。気を取り直し、あかねが尋ねる。
「さて。じゃあ、何から知りたいですか? 早乙女先生」
「んー。取りあえずあかねの今日の下着の色? ……ってバカっ! 場を和ませるほんのジョークだろ!?」
「あんたの人生冗談だらけじゃないっ!」

 あかねが怒るのも無理はない。なんせ、昨日まで乱馬がどこの学校に赴任するのかも一切教えてもらえなかったのだ。また、学校からも乱馬のことなど、何も聞いていない。ただ、二週間ほど前に急な臨時職員会議が設けられた際、新しく体育の男性教諭が来るということだけを校長から知らされていた。
(体育教師ねえ……)
 それをあかねは、午後の眠気と疲労で重たくなった頭で聞いていた。なんにせよ、自分にはあまり関係のない話である。いや、でも待てよ。体育には怪我がつきもので、そうなると無関係というわけにもいかないか。しかし、相手が誰であろうと所詮、自分はやるべきことをするまでだ。
 いずれにしても、この時期に新しい指導者を確保できたというのは幸運だったと言えるだろう。なんせ三学期の終了式を終え、年度末の打ち上げとして教員全員が参加した飲み会の帰りに、羽目を外して近所の川に飛び込んでしまったのが前任者で。
 幸い怪我は足の骨折で済んだものの、まだ底冷えのする春の深夜にスーツごと川に飛び込んだのが高校教師となったら世間の目は厳しく、その後逃げるように離職願が届いたのである。
(それにしたって、なんで乱馬が?)
 疑問は尽きない。が、それはまたおいおい聞いていけばいいだろう。気を取り直すとあかねは乱馬の前に立ち、次々と校舎の中を案内していく。
「なあ」
「なんですか、早乙女先生」
「この学校っていつもこんな静かなのか?」
「そんなことないですよ。今はまだ午前授業ですしね。そのうち部活も始まったら嫌でも賑やかになるわ」
「へー。そんなもんか」
「あんた、自分が高校時代の時の記憶なんてすっかりないんでしょ」
 ああ、ダメだ。乱馬のペースに乗せられてはならないと思うのに、あかねもつい、いつもの調子が出てしまう。ここは学校だから。仕事中だから。そんなことは百も承知だった。しかし、突然思いがけずに同じ職場に現れた許婚兼恋人。これぞまさに不意打ちという驚きと共に、あかねもまた浮き立つ心を隠しきれないでいた。

「ここが体育館で、ここは体育倉庫……って、流石にそのくらいは知ってるわよね」
「まあ、一応な」
「……一応なんだ」
 
「ここは進路相談室件、資料室。どう? ちょっと学生時代が懐かしいでしょ?」
「そうそう、こーゆーのって個別に中から鍵が掛かるんだよなぁ。パーテーションは薄いのに密室って、なんかやらしいよなって大介達が盛り上がってた気ぃする」
「男子って……」
 無論、その密室が有効に活用されたことはない。……多分。
 
「で、ここが視聴覚室。あんたの場合、普段の授業は体育館や校庭でも、保健体育を教える時は使用するはずだからしっかり場所覚えておきなさいよ」
「保健体育を教える時って……な、なんか今日のあかね、やけに積極的だな」
「バカっ!」 
 他の人に聞かれたらたちまち誤解を生みそうな軽口を交えながら、廊下に二つの影が伸びる。いつもの見慣れた校内が少しだけ新鮮に感じるのもまた、乱馬といるせいなのだろうか。
「次は用具置き場ね。えーっと、こっからだと……」
「なあ」
「なに?」
「あか……天道先生の仕事場は?」
「……職員室に戻る前に通るから、その時案内するわ」
 ひらりとスカートの裾が舞い、あかねはそれを抑えるようにポケットに手を突っ込んで答える。
 高校の中を乱馬とあかねが並んで歩く。それは五年振りに見る光景で。
 広い舎内を、二人の時間を惜しむよう丁寧に説明しながら巡っていく。そうこうしているうち、時刻は既に夕方六時を回っていた。
「疲れた?」
「別に疲れはしねーけどいい加減飽きた。大体、一気に説明されてもそんな急に覚えらんねーよ」
 げんなりした表情を隠さず乱馬が答える。思えば昔から式典や講習会の類は苦手で、いつも舟を漕いでいたっけ。教師になってもそれは相変わらずなのだと思えば、今ここに乱馬がいることがますます不思議でたまらない。思わず吹き出しそうになり、伸びするフリをして笑いをこらえる。
「わかったわ。確かに早乙女先生の場合、これ以上説明してもすぐ忘れちゃいそうだし」
「おいっ」
「冗談よ。あったかいお茶くらいご馳走するから来て」
 
 そう言って、最後にあかねが案内したのは保健室だった。
 膝まであるいつもの白衣のボタンは留められないまま、蛍光塗料を含んだように青白いそれが灰色がかった夕日を反射する。
「適当に座って」
 備え付けの水道で手を洗い、その隣にある吊り戸棚から自分のマグカップと、来客用の白いカップを一つ取り出した。そこにインスタントのコーヒーをスプーン二杯分入れ、ついでに白いカップにはグラニュー糖も足してポットの湯を注ぐ。白く柔らかな湯気が立つのを見た途端、急に足が浮腫むような疲れを感じた。
「はい。初日のお仕事お疲れ様」
「さんきゅ」
 素直にカップを受け取る乱馬。が、なかなかそれに口を付けようとはせず、室内をキョロキョロ見渡している。
「なに?」
「別に。ただ、ここがあかねの職場なのかと思って」
「普段は保健室の先生だけどね。一応、養護教員ってことで、怪我や病気だけじゃなくって生徒達の心のケアも担当してるのよ」
 ぺろりと舌を出す姿はあどけなさを残したまま、それでも自分の仕事に対する誇りを窺わせた。
「生徒達って毎日くんの?」
「うん。その日にもよるけど、来ない日っていうのはまずないわね。特に男子生徒かしら。怪我はもちろんなんだけど、些細なことでもしょっちゅう飛び込んでくるからなかなか忙しくて」
「……へえ」
「あたしって昔からあんたの怪我の手当てをしてたでしょ? その経験が活きてるみたい」
「…………そりゃよかったな」
 一瞬、空気が冷たく感じたのは気のせいだろうか。
 なんせ、春とはいってもまだ夜は冷える。特に桜の花が散る頃は、花冷えという言葉が存在するくらいだ。あかねは窓に近付き、レースの上から更に厚手のピンク色のカーテンを引いた。
「急に冷えてきたわね」
「そうかぁ? おめー、昔から寒がりだからな」
「あんたみたいに野生児じゃないのよ」
 これもやはり癖なのだろうか。せっかくのスーツの袖をまくり、ラフに気崩す姿は少しだけチャイナ服の乱馬を思い出させ、不覚にもあかねの胸を高鳴らせた。
 熱いコーヒーを一口含み、ほっと一息つく。
「ねえ、それにしてもどうして?」
「あん?」
「昨日まであんたの姿を学校で見たことなかったんだけど」
 そう。いくら学校が始まるのが四月を数日過ぎてからとはいえ、生徒達と違って教師はそういうわけにはいかない。漏れなく四月一日から新年度の業務は始まり、事前の準備、打ち合わせ、その他諸々、それこそ息つく間もないほどの忙しさなのだ。にもかかわらず今日が初の顔合わせとは、一体どういうことだろう。が、乱馬ときたらニヤニヤと意味ありげな笑顔を浮かべたまま、曖昧に返事を濁す。
「まあ、おれのことはいいじゃねーか。聞いたって、どうせ大した話じゃねーしよ」
「あんたが自分のことをそう言うなんてますます怪しいわね」
「大体、前任の体育教師が怪我したのだって急なことだったろ? だから正直、おれもまだわからねえことだらけなんだよな」
 最後は上手くはぐらかされてしまった気がする。しかし、この様子では乱馬が簡単に口を割ることもないだろう。ならばこの件はまた後日にして、別の質問を投げ掛ける。
「ところで今日はどうするの?」
 それはどちらの家でご飯を食べるのかという意味だった。いくら自炊もお手のものとはいえ、乱馬だって慣れない環境で一日過ごせば疲れも溜まっているに違いない。もしも実家で一緒に食べるなら、今からおば様に電話して──そう頭で算段した時だった。
 ふとあかねの背後に気配を感じる。
「乱馬?」
 振り返る前に後ろから腕が絡みついていて。
「あ―……疲れた」
 おさげを束ねた毛先がこしょり、あかねの首筋をくすぐった。思わず零しそうになるカップを慌てて机に置き、抗議の声を上げる。
「ちょ、ちょっとここ、学校!」
「わかってるっつーの。だからカーテン閉めるまで我慢してただろうが」
「我慢って」
「いーからあともうちょっと」
「もうっ」
「はー…………生き返る」
 なによ、めずらしくそんな調子のいいこと言っちゃって嘘ばっかり。
 そう言い返したいのに、気が付くとあかねの腕も乱馬の腕の上に置かれていて。
 驚き。戸惑い。そんな言葉をギュッと凝縮したような一日に、あかねもまた気負っていたのかも知れない。乱馬の腕に両手を軽く添え、こつんと後頭部から胸にもたれ掛かるのは、あかねが甘える時の常套手段だ。
「……どうだった? 高校初日は」
「まだなんとも言えねーけどな」
「そっか。そうよね」
「ただ、すげー疲れるってことはよくわかった」
「なに言ってるのよ。本番はこれからじゃない」
「え? これからが本番?」
 じろりと、乱馬の目が空いてるベッドのほうを向く。
「え……っ、ちょ、ちょっとやだ、その、本番っていうのはその、学校生活のことで、」
「わはは、バーカ。引っ掛かってやんの!」
「あ、あんたねぇっ!?」
「そーかそーか、あかね先生は学校性活の本番を想像しちゃったのか」
「漢字が違うっ!」
「そんな照れんなって」
「照れてない」
「っつーか、本当はおれもあかねと同じこと想像したし」
「だから違うってば!」
 乱馬が話す度、あかねの首から鎖骨にかけてあたたかい吐息がぶつかった。それは夜のメールだけでは感じられない、ぬくもりで。こんな至近距離で際どいことを言われてしまえば、妙に意識してしまうのも無理はないだろう。それでもなけなしの理性を総動員し、すっかり甘えモードの恋人を突っぱねる。
「言っとくけど、あんたの机は職員室にあるんだからね」
「おう」
「ここはあくまであたしの職場なんですからね」
「わかってるっつーの」
「あんまり入り浸らないでよ。他の人達に変に思われちゃう」
「それってあれか? 押すなよ、絶対に押すなよっていう、あのフリで」
「違うから!」
 ぴしゃりと乱馬の言葉を遮る。何事も最初が肝心だ。
「なあ」
「なによ」
「あかね、こっち向いて」
「学校では先生です。天道先生」
「ずん胴先生」
 ゴスン……と鈍い音が響いた。床には潰れたカエルのように乱馬がピクピクと虫の息で倒れており、いつものことながら懲りない男である。
「そ、そんな怒んなよ、な?」
「だったら余計なこと言うのやめなさいよっ」
「凶暴女」
 しつこいやつめ、まだ言うか。カッとし、あかねが後ろを振り返った時だった。
 ちゅっと一瞬、唇に柔らかい感触が走る。
「──やっとこっち向きやがったな」
「…………バカっ」
「とかいってホントはちょっと嬉しかっただろ?」
「バカバカバカバカっ」
「あかね、知ってるか? おめーが否定できねえ時って、代わりにバカを連呼すんの」
「知らない! いいからさっさと職員室戻りなさいよっ」
「でもさっきの質問、まだ答えてねーし」
「質問?」
「そう」と答えて、あかねと視線の高さを合わせると。
「飯はおれの家で食うから」
「あっそ」
「あかねも来んだぞ」
「なんであたしまで」
「一人ぼっちでおれが可哀想だろーが」
「よく言うわよ」
 こんな時でさえ、つい意地を張ってしまう。素直に来て欲しいと誘えない乱馬に、行きたいと甘えられないあかね。それでもいつの間にか乱馬の胸の中に捕えられ、言葉とは裏腹にそっと手を添える。そんなあかねの様子に、乱馬が照れくさそうに笑った。
「おめーなぁ。初日くれえ、ちょっとは優しく労われっつーの」
「なに言ってんの。こっちのほうが労わって欲しいくらいだわ」
「あ、じゃあ期待に応えてかわいがって──」
「ってあんた、何する気よ!? い・た・わ・る! いい? 労わって欲しいの!」
「しょうがねえな。んじゃ、ちょっくらあかねのために極厚の木片を用意するから」
「それは板割る。あんた、ちょっと中国行ってる間にずいぶん親父くさくなったわね」
「おい、やめろっ。おれはまだピチピチの二十三でい!」
「あたしだってそうよ」
 ピチピチという表現が若者かどうかはさておき、いつまで経っても終わりそうにないやり取りを交わしながらも、また一瞬だけ唇が重なる。こうなってしまえばもう、これ以上ここで無駄な時間を過ごしている場合ではない。
 
「……家に行ってもいいけど、そのかわりちゃんとやること済ませちゃいなさいよ」
「おー」
「言っとくけど学校出る時は別行動だからね」
「わかってるっての」
 
 お互い、にやりと目配せして。
 なぜ乱馬が一人暮らしをしているのか。
 なぜあかねと同じ学校に赴任してきたのか。
 はたまた、これからどんな学校生活が始まるのか。
 そうそう。
 ついでに今日の下着が何色かを乱馬が無事確認できたかどうか……は、まぁ置いといて。
 なにはともあれ、それはやっぱり、また別のお話なのである。
  


 < To Be Continued >



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comment (14) @ 社会人パラレル 先生にだって秘密はある

   
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2018/04/21 Sat 00:15:51
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2018/04/21 Sat 09:07:57
やっぱり好き(*≧∀≦*) : ようこ @-
うん❣️このシリーズやっぱり好き(〃艸〃)
私的には違和感なくすんなりと読めます(*≧∀≦*)
あかねちゃんは保健の先生だったんですね〜( ^ω^ )
男子生徒にヤキモチ妬いたのね乱馬くん( *´艸`)クスクス
乱馬くんの独り暮らしの秘密あかねちゃんの下着の色気になります┣¨キ(〃゚ω゚〃)♥┣¨キ
シリーズ化してもらえたら嬉しいです😊
社会人編、大学生編も大好きです💕
2018/04/21 Sat 11:45:07 URL
楽しいです♡ : 憂すけ @-
一話目の最初っから「kohさん」って強く想いました。当たり前なんですがね。
きちっと自然な流れを汲んで2人の未来を描いて行く。パラレルとは言え、ここ迄具体的にに考えるって、実は、凄く大変何だと思うんです。
「原作の2人がもしこういった未来を辿るとしたら」そこに至る過程のこの自然な流れ…!

kohさん、あたしは好きですよこの連載も。
先程も言った通り、凄く自然な流れで大人の2人と対面させて頂いて居ります。
有難うございます!楽しい時間を!!<(_ _)>
2018/04/21 Sat 13:52:36 URL
Re: (///∇///)うは♡ : koh @-
n~コメント主様

ほ、本当ですか!?
実は私、自分自身がパラレルやや偏食家なので投稿方法にすごく迷ってしまって。(と言いつつ、書いている殆どが大学生編やら社会人編やらぱられるだったりする人 汗)
以前ちょろっと「パラレルは~」というご意見もいただいて以来(※悪意があるものではありません)、パラレルの基準がどのあたりに当たるのか必要以上に慎重になってしまっていたのですが、大好きと言っていただけてとても嬉しいです。
原作から年齢を飛び越えた分、少し大人で、だけど原作の要素や人間関係はそのままに二人のあれこれを書いていけたらいいなぁと思っておりますので、あともう一話お試し版にお付き合いください(´艸`*)♡
2018/04/21 Sat 14:47:41 URL
Re: 良かったです~ : koh @-
む~コメント主様

ああ、確かにどちらかが先生でどちらかが生徒バージョンもありそうですよね!それだとまさにパラレルって感じでもっと広い扉が開く予感もします^^。
私の場合、性格的につい理由を付けたくなってしまうので、もうひとつの社会人編も【揺れる金魚】から二人の関係を。そして今回もどうやったら教師になれるかな?なった後はどうする?特に、なぜ同じ高校に?という最大の謎に重きを置いているので、それはまたシリーズ最後の最後まで見届けてみてください♪
色々手を伸ばしていると、その分だけ様々なご意見もいただいたりして……楽しく書きつつ、出来るだけ皆さんの中にあるイメージを壊さないように、もしくはパラレル苦手だと思ったら回避できるようにしていけたらいいなと思っているので、すんなり読めると仰っていただき嬉しいです。
意外にも好評(?)なので、おそらくこちらは今後もブログ発表になるかと……あーでも色々迷うのですが、ゆっくり考えてみます。ありがとうございました✨
2018/04/21 Sat 14:48:05 URL
Re: No title : koh @-
り~コメント主様

わーい、面白いのお言葉ありがとうございます^^。
私は年齢違いパラレルとなると なぜか自分の兄や姉など兄弟を思い出してしまって(なぜ?)、痩せたロバート秋山似の兄が頭を過ぎるため書けないんですよねぇ。く……っ!
とまあ、どうでもいい情報は置いといて。
体育教師は既に一話目の最後で明かしていたのですが、あかねちゃんですよね。
なんとなくあかねちゃん=英語というイメージが二次では多いように感じるのですが、私は英語教師を選べませんでした。なぜって?
…………私が英検3級女だからです(涙)。
アイキャンノットスピークイングリッシュのため、必然的に英語を外さざるを得なくなり……あ、だからといって保健の知識があるかといったら全くそうではないのですが、なぜこの組み合わせにしたのかもまた おいおいわかってくると思います♡
2018/04/21 Sat 14:48:26 URL
Re: 感激です : koh @-
レ~コメント主様

初めまして。この度は熱いコメントありがとうございます。感激です♡
乱馬の進路は気になるところですよね。体育教師もみな一度は妄想すると思うのですが、コメントや拍手で「でもどうやって教職員免許をパスしたんだろう」の声多数に思わず笑ってしまった私です笑。(自分もそこでブレーキが掛かっていましたが、最後は愛の力ということで。あ、ちなみにここら辺も少しお話に出てくるかも…です)
格闘家編のほうは多分、乱馬の夢を叶えてあげたい、もしくはそんな姿がみてみたいという願望かなぁと思ったり。なんにせよ、美味しい妄想は尽きませんよね^^。
そしてやはり原作が高校生のお話である以上、未来過ぎるお話はちょっと……と思われる方も少なからずいらっしゃるでしょうし、どんなお話でも最初の投稿をする際は相当迷うのです。が、この様にあたたかいコメントをいただくと書きたい欲が一気に湧き上がってきます。本当にありがとうございます。
どんな形の発表にするかをじっくり考えつつ、出来るだけ読んでくださる方の声に応えられればいいな…とシリーズ化も前向きに検討してみます^^。ありがとうございました。
2018/04/21 Sat 14:51:24 URL
Re: ありがとうございました!! : koh @-
m~コメント主様

そうなんですよ~。体育って怪我がつきものですよね。で、必ず(?)校庭と保健室って向き合った場所にあって外からも出入りできる場所にありませんでしたか?
私は自分が保健室にしょっちゅうお世話になった人なので、保健室のあの空気がとっても懐かしいんです。
そしてこの組み合わせには私的に色々理由があり…それもまた物語の中で段々出てくると思います(*^^*)。
私の書くパラレルはおそらく社会人編・お隣シリーズとこの教師くらいのレベルがいっぱいいっぱいなのですが、よく考えたら大学生編も全部パラレルだったというオチで…笑。
でもやはり原作からは大きく逸脱してしまっているので、皆さんの中に大事にしているイメージを壊さないように注意喚起だけはしつつ、丸一年の行事を二人と巡っていきたいと思います。
ただ、今回製本することも視野に入れていたので全てが三人称で書き進めてあり、これがなんとも難しい…!
もしもブログでのみ発表となったら、すぐさまいつもの一人称に戻ってしまいそうです(^^;。
そして出来るだけ一話分の文字数を変えずに読切りにしているので、そこら辺も自分としては新たなチャレンジで。沢山の初めてと挑戦と試行錯誤(+乱馬の謎)の詰まったシリーズになっていますので、楽しんでいただけたら嬉しいです♡
2018/04/21 Sat 15:03:24 URL
Re: やっぱり好き(*≧∀≦*) : koh @-
ようこさん

わー、シンプルに好きって言っていただけるの、すごく嬉しいです////
中学校の時の保健の先生が非常に若くてかわいい先生だったのですが、優しくて大好きでした。なのでそのイメージが私の中にあるのかもしれません^^。
そしてあかねちゃんが保健の先生(養護教員)だったら男の子はたまらないですよねぇ。ふふふ、乱馬よ、ヤキモチを妬くがいい。
このシリーズの全15話分って2時間くらいで全部バババーッとネタストックを書いてしまったのですが、意外にもシリーズ化という嬉しいお言葉をいただくのでちょっと揺らいでいます笑。←単純
結局、書いてしまうと出来るだけ皆さんが読める形で……と思ってしまうのでなかなか本に出来なくて。
大きな謎、小さな謎、少しずつばら撒いていきますので楽しんでいただけますように(´艸`*)♡
そうそう。きっと乱馬くん、下着の色の確認は出来たんじゃないかと思います笑。
2018/04/21 Sat 15:13:52 URL
Re: 楽しいです♡ : koh @-
憂すけさん

ううっ、ありがとうございます……!
憂すけさんもご存知の通り、面倒くさいほどに理由付けをしないと書けない自分の性格で。
二次=盛大なパラレルというのは重々承知なのですが、出来るだけすんなりお話に入っていただけるように導入と最後の締めだけは自分なりに考えているつもりなので、こんな風に言ってただけてとても嬉しいです。
やっぱり原作の紆余曲折を乗り越えた二人っていうのが私は好きなんですよね。
そんな二人が大人になった時、今度は生徒から教師の立場となって、自分達が出会った高校時代を思い出しながら二度目の青春を楽しんでいたらいいなぁ…なんて思ったり。
あー、だけど!
憂すけさんならもうお気づきかもしれませんが、このシリーズは当初製本するつもりで書き進めているので全部三人称綴りなんです。これがもう、慣れていない私にとっては難しくて難しくて。気を抜くとつい、愛読書の語り口調になってしまうという有様(笑)。更に読切りを数珠つなぎにしていくという新たな挑戦なので早くも限界を感じていますが、どんな形にしろシリーズ最後まで楽しんでいただけたらいいなと思っています^^
2018/04/21 Sat 15:22:59 URL

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