100 > 99 

2018/09/28
こちらは“浮気”についてのお話です。
あくまで私の思う2人を書いていますが、テーマとして苦手な方は読まないでください。
タイトルは「100大なり99」と読みます。

時系列として【早乙女先輩の恋愛事情】【LIAR GAME】→本編へと続いています。
単独でも読めるものの、いくつかわかりにくい描写があるかもしれません。
(他にも読切りが混ざります。より詳しい時系列は【作品の目次】でご確認ください)
拍手にはあかね視点での短いお話があります。



100大




 隣でごろんとあかねが転がった。膝だけ軽く立て、それを左右にゆらゆら揺らして片方の足をおれの腰に乗せる。踵でぐりぐりするのはあかねなりの甘える仕草なのだろうか。そしてまた体を反転し、持参した枕を胸の前でギュッと抱く。
「そんで? その女は付き合ってる奴がいんのに他の野郎ともヤってんのかよ」
「うん。でも彼女が言うには体だけのお付き合いだから浮気じゃないんだって」
「ほー……ちなみにそいつの彼氏はそのこと知ってんの?」
「知るわけないじゃない。知ってたら今ごろ修羅場ものよ」
「だろうな」
「あ、けどね。そうやって相手にバレないように隠そうとするのも愛なんだって」
「愛だぁ?」
「そうらしいわよ。彼を傷付けたくないっていう思いやり。そこにはちゃんと恋人に対する愛があって、他の人とはあくまで体だけの関係って割り切ってるみたい」
 へっ、随分と勝手な愛だ。余所の男のモン突っ込んどいて愛だと? よくまあそんな図々しいことが言えるもんだぜ。
 あかねも到底理解出来ないのだろう。むうっと尖らせた唇はかわいらしいポーズを意識しているわけでもなんでもなく、なんなら枕で半分潰れたほっぺはちょっと歪なまんじゅうみてーだ。
 
 こうして時々あかねがおれの部屋にやってきては、そのまま一緒の布団で寝転がりながら朝を迎えることがある。その途中で着ているパジャマを脱ぐこともあれば健全な眠りにつく日もたまにはあるが、わざわざ自分の枕を持って来る日は決まって何か言いたいことがあるわけで。
 たとえばあかねの母ちゃんの命日が近くなり、ふと思い出話をしたくなった時。仕事でミスを重ねて自信を失った時。必ずしも楽しい話題ばかりとは限らねーが、普段はあまり自分の弱さを見せねえあかねが暗い畳の部屋でポツポツと本音を吐露するこの時間がおれは結構好きだったりする。
 それにしても今日はまた一風変わった話題を持ってきやがったな。なんでも会社のロッカールームで花咲く下衆な話題に知らんぷりを決め込んでいたところ、「天道さんだってそう思うでしょ?」と突然名指しで話を振られたことに少なからずご立腹のようだ。つまりはそんな安っぽい女と一緒にするなってことか。
「乱馬ぁ」
 夜、恋人の部屋を訪ねるのに持ち物はたった一つの枕だけ。そのシュールな光景にもすっかり慣れたおれは特に家族の目を気にするでもなくあかねを迎え入れ、眠りにつこうと既に敷いてあった布団の端を持ち上げてみせる。
 
「ねえ。乱馬はどう思う?」
 一人で寝るには余裕のあるダブルサイズの布団。その上で自転車を漕ぐように宙で足を掻きながら、視線だけこちらに寄越すあかねの横顔がスタンドの白い光に照らされる。先週まで半袖だったパジャマは長袖に変わり、季節の移ろいを感じさせた。にしたって、なにも猫のシルエットが散りばめられたプリント柄を選ばなくてもいいのによ。
 本当はあかね、猫を飼ってみたいのかもしんねえなあ。そんなことをぼんやり思いながら、おれも自身の枕に顎を乗せた。
「おれの周りにもそーゆー奴いるぜ」
「女の子で?」
「流石に女の事情は聞いたことねーけどさ。彼女がいても他の女と関係持ってる奴ってのは意外といるよな」
「…………不潔。乱馬もそういう話するんだ」
「バーカ。ジムなんて男ばっかのむさ苦しい場所、みんな好き勝手なこと言うんだよ」
 っつーかあれだな。好き勝手言うってよりもどちらかといえばひけらかすといったほうが正解なのだろうか。“経験人数=優れた雄”と誇示するように、そういう奴らは決まって得意げな表情を浮かべながら鼻の穴を膨らませてやがる。
「そいつらに言わせると彼女のことを大事にしてるからこそ、本命にさせらんねーようなことは余所でやんだとさ」
「なにそれ。一体なにさせる気よ」
「おれに聞かれたって知らねーよ」
 嘘。本当はとんでもねープレイの内情まで耳に入ってくることもある。が、こんなのとてもあかねには聞かせらんねえ。時として今後の参考までに耳を澄ますこともあればおれの趣味とは完全に異なる行為もあるが、それをここでわざわざ説明する必要はないだろう。
「でも相手の女も一種のスポーツだって割り切ってるらしいぜ。ま、実際は調子のいいこと言って弄んでんのかもしんねーけど、そいつ曰く体だけの関係だから浮気じゃねーし罪悪感もねーんだと」
「……最低っ」
「でも気持ちは彼女一筋なんだぜ?」
「そんなの口ではなんとでも言えるじゃない」
「ま、風俗行く男の大半がそーいう大義名分だよな」
「不公平よ。じゃあもしも世の中に女性用のそういうお店があるとして、男の人は自分の恋人が体だけだから浮気じゃないって言ったら許せるのかしら」
 どうだろうなぁと適当に相槌を打ちながら、実際そういった趣向の店が存在するというのは聞いたことがある。具体的にどこまで行為に踏み込むのかは不明だが、あかねに聞かせるつもりはなかった。
 お気に入りの猫柄パジャマに身を包み、尖った表情を浮かべるあかね。
 怒る? ちげーな。どこか傷付いている。そんな顔。
「大人って変なの」
「なに急にピーターパンみてえなこと言ってんだよ」
「だってそうじゃない。学生時代は他の異性と二人きりで話すだけでもヤキモチ妬いたりしたのに、大人になったら“体だけの関係”とか“風俗は浮気じゃない”とか当たり前のように言うでしょ? あたしには理解できないし、したくもないわ」
「ガキ」
「ガキで悪かったわね」
 とは言いつつ、おれも金で性を売り買いするような店は生理的に受け付けねえ。それをぴーすけから聞かされている余裕か、あかねの不満はおれに向けられてのものではないらしい。
「そんなの寂しい……」と呟くその声は本当に寂しそうで、思わず手を伸ばしそうになるのは秋のせいだけではなかった。

「乱馬はどうなの?」
「どうって?」
「浮気ってどこからが浮気だと思う?」
「さあ」
 お互いろくに目も合わせないまま、ごろごろとシーツの上で姿勢を変えて不毛な議論を重ねる。ひやりと冷たいシーツが妙に心地よく、まだ体温でぬるくなっていない場所を探し求めてごろごろごろごろ、起き上がることを忘れた芋虫みてえだ。
 暑くもなく寒くもないこの時期は掛け布団も本来の役割を果たさないまま、おれ達の足元でモコッとなだらかな山を築いている。その布団を跳ね除けた犯人でもあるあかねの足が、横たわるおれの背中にでんと乗っかった。程よい重量に「そこ」と短く伝えれば、上半身を浮かせたあかねがその辺りを手でもぞもぞと揉んでくる。
「乱馬はそういうこと考えたりしないの?」
「そーゆーことって?」
「どこからが浮気とか」
「くだらね。そんなの線引きできるようなもんでもねーし、考えるだけ無駄だろうが」
「うん。そうなんだけどね」
 ここ? と手で押しながら聞いてくるから「そこそこ」と腰の位置を微妙にずらして心地よいポイントに持っていく。おれより小さなあかねの手。寝る前だからかいつもより熱い手の平は、おれの気持ちいい場所をぴたりと探り当てて気持ちごと解してくれる。
「あー……、そこ…………」
「ふふっ、今の声ちょっとおじ様に似てる」
「親父って言うんじゃね……、あ、そこらへんすげえ気持ちいい」
「ここ?」
「うん」
 こうして自分の気持ちいいとこを素直に伝えられるようになってからどのくらい経つだろう。つっても別にいかがわしい意味ではないが。あ、でもいかがわしいほうのポイントだって充分知られてるか。まあ、とにかくあかねに隠しごとなど今のおれにはないに等しい。……人生最大のサプライズを除いてだけど。
「じゃあさ、たとえばおれが他の女と飯食いに行ったら浮気だと思う?」
 普段は乗らない話題に、めずらしくおれのほうから質問を重ねる。時折詰まるように声が潰れるのは背筋を両手で押されているからだ。
「乱馬が? 女の人とご飯に?」
「そう」
「どうかしら……。仕事でそういうことだってあると思うし、もしかしたら打ち合わせの帰りにお腹が空いて一緒にラーメン屋に立ち寄ることだってあるかもしれないじゃない」
「随分と具体的だな」
「だってあたしも仕事中にそういうことあるもの」
 なにぃっ!? 仕事中って、それって相手はもちろん男だろ!? っつーか女同士でラーメン屋なんてそうそう行かねえもんな。なんだよそれ、聞いてねーぞっ。
「乱馬?」
「ふ、ふーん。じゃあおれが他の女と飯食いに行ってもあかねはいいっつーんだな!?」
 思わず語気が荒くなる。が、これもマッサージで圧迫されているせいだと思ったのか、おれの不機嫌など気付くことなく淡々とあかねが続ける。
「いいわよ別に。大体あんたって昔からそうじゃない」
「昔からってなんだよ」
「覚えてないの? ちょっと甘い顔されたらほいほい猫飯店や右京のお店に行ってたくせに」
「あれはだなぁ、新作の味見っつー仕事を兼ねてて」
「わかってるわよ。ほんと昔から食い意地が張ってるんだから」
 くそっ、なぜか食い意地の話になってるけど浮気の話はどーした浮気の話は。これじゃあ一方的におれの旗色がわりーだけじゃねえか。
「いてててっ」
 おれは大袈裟に身を捩り、あかねの手を振り解く。そんなに痛くしたかしら? なんて首をかしげるが、おめーと違っておれのハートは繊細なんだよっ。
 ごめんね、と今度は手の平でゆっくり背中を撫でる。あ……これ、すげえ気持ちいい。
「さっきの話だけど、食事っていってもわざわざ事前に約束をして行くとかはちょっと嫌かも」
「約束って?」
「たとえばね、中田君の彼女に相談があるって言われてファミレスでご飯食べるとかなら全然いいの。そうじゃなくて、相手のためにわざわざお店を予約しておめかしして……」
「言っとくけどおれ、んなことしたことねーぞ」
「知ってる」
 そう。情けねーことにあかね相手ですらそんなことはしたことねえ。っつーかマスコミの目もあるしな。時には気まぐれでそーゆーことをしてやりてえと思わないでもねえが、出来ないというのが正確なとこだった。
「一言で言うのは難しいけど……あたしに後ろめたくて言いにくいことはして欲しくないかな」
「ふんっ。おめーは余所の男と飯食いに行くくせに」
「なによー、それは仕事でしょ」
「おれだって仕事で声くらい掛けられるわい」
「だから別に文句なんか言ってないでしょうが」
 こいつ……っ! 相手が誰であろうと、下手に週刊誌に嗅ぎつかれて面倒なことになんねーよう気を付けてんのがわかんねーのかよ。言っとくけど中には飯だけで終わりそうもねえようなお誘いだってあんだからな!? ……あかねには言わねーだけで。
 信頼されてるのは結構だが、ここまで鈍感だとそれはそれでカチンとくる。カチンときたからつい意地のわりいことの一つも言いたくなるわけで。
「随分と余裕だな」
「なにがよ」
「だっておれが他の奴と二人きりで飯食おうと仕事ならいいんだろ? あかねのお許しも出たし、おれもおめーみてえにどっかの誰かと美味いもんでも食いに行こうかなぁ」
 少し言い過ぎたか? しかし流石はあかね、そんなことでは動じない。それどころかどすんと腰に体重を掛け、「好きにすれば?」とにべもない。
「…………おい」
「なに?」
「冗談だってば。んな怒んなよ」
「別に怒ってなんかないけど?」
「あーかーねー」
 あー情けね。結局おれが折れる形であかねの腕に手を伸ばせば、背中に柔らかい感触がもたれ掛かってくる。
「あたし、恋人のことを“本命”って言うのも苦手」
「なんで?」
「それってなんか、他にも誰かいるのを認めてるようなものじゃない」
 そっか。今まで名称なんて気にしたこともなかったけど、言われてみりゃそうかもしんねーな。
 あかねの本命、おれ……。うん、なんかすげえ居心地わりい。あかねの恋人兼許婚。やっぱこれだな。
「あたしはね、あんたにあれダメこれダメって言いたくないの」
「すげえ自信じゃねーか」
「そうじゃなくて」
 こらっ、そうやって人のおさげで遊ぶのはやめろ。おれの毛先を指で挟み、こしょこしょと首筋をなぞってくるからくすぐってえったらありゃしねえ。
「ちゃんと乱馬に考えて欲しいの。こういうことしたらあたしが悲しむかなって……そんなの、いちいちやめなさいって禁止されてるからやめることでもないでしょう?」
 聞いてる? という風に耳の前をおさげでなぞる。その後に降ってきた温かい感触はあかねの唇だろう。微かに湿った音を立て、おれの耳朶にそっと触れる。
「あたしがいない時に一瞬でもあたしのことを思い出してくれるなら、あたしもあんたのこと信じられる」
 …………ああ。なんか言ってる意味はよくわかる気がする。それは多分、おれがあかねにそっくりそのまま言いたい台詞だ。

「おめーは変わんねーな」
「なによ。幼いって言いたいの?」
「よくわかってんじゃねーか」
 背中の上で膨れてるツラはきっと学生時代となんら変わんねえガキくさい顔をしているに違いない。こうやってすぐむくれるところも相変わらずで。
 でもな、あかね。
 おれを───おれ達を取り巻く環境は目まぐるしく変わる。昨日までおれの背中を気軽に叩いていた奴が、次に会った時には名刺片手に敬語を使ってくるような弱肉強食、損得勘定の世界だ。駆け上がる時は一気に駆け上がり、落ちる時は一瞬にして転がる気の抜けない孤独な世界。そこで変わらずいることがどれほど困難か、難なくやってのけるこいつはちっともわかってねーんだ。
 背中に顎を乗せ、ガクンと噛む振動が伝わってくる。それは無言の催促のようで、こういう時、きっと浮気はしないって言って欲しいんだろうな。いや、言ったほうがいいんだろう。
 けど言わねーぞ。そんな青くせーこと、口に出すつもりはさらさらねえ。
 っていうかここだけの話、遠征中はちょっとまずい。
 もしもホテルのベッドに裸の女が横たわっていたら万が一ってこともあり得るし、口で咥えられたら呆気なく射精くらいはするだろう。そもそも試合の前は極限まで己の体を虐め抜くんだ。そんな時、常に頭を支配するのは果てたい欲。それに尽きるわけだが、一方で闘争心を高めるために決闘前の射精は格闘家にとってご法度でもある。それゆえ試合が終わった後は毎回一日でも早く帰宅し、狂ったようにあかねを抱く。
 結局おれも男だ。したい時はしたいし、そこで純愛だなんだと綺麗ごとをぬかすつもりはねえ。でもそれってあかねにも言えることで、おれがいない時はあかねも一人の体を持て余す。そこで全く困らねえとは言わせねーぞ。ついでに言えば人の体の構造として、愛がなくても受け入れることは充分可能だ。
 つまり“そうなってしまった”ではなく、“そうならないようにする”って気持ちが大事で。
 こういうこと、真顔で言ったら白けるんだろうな。もしかしたらあかねだって信じられないと目を丸くするかもしんねえ。
 けどさ、両方を天秤に掛けた時、大事なものを優先させるのは当然のことだろう?
 後から“そんなつもりじゃなかった”なんて泣いて弁明したところで、それは相手の気持ちを考えようとしなかっただけの言い訳に過ぎねえ。結局は傷付けたことより、自分の身がかわいいだけの詭弁だ。そしてもう、そんな幼稚な言い訳で大事なものを手放せるような浅瀬におれ達はいない。

 ゆらゆらと背中の上でバランスをとっていたあかねがぽつり呟く。
「あたし、変わらない?」
「おー」
「それって良い意味で? それとも悪い意味?」
「どーかな」
「あ、なにその適当な返事。自分だって変わらないくせに」
「おれ? どこが?」
「そうねえ。ナルシストで自信満々でいけ好かないところとか?」
「おい」
「調子に乗りやすいところもそうだし、難しい話をしてるとすぐ眠くなっちゃうところとか」
「おめーだってイッた後はすぐ寝るじゃねーか」
「ちょっとっ!」
 いててっ。ぼかりと脳天にげんこつ一発、こういうところもまさに変わらねえ。
「……乱馬は変わらないわよね?」
 シャンプーの香りが濃くなった。と思ったら、あかねの短い髪の毛がおれの首筋にひやりと触れる。艶やかで癖のない真っ直ぐ切り揃えられた髪形は、もはやあかねの代名詞にもなっている。
 あかねはおれに変わらずいて欲しいんだろうか。それはありのままのおれを好きだといってくれているようでもあり、少々物足りなくも感じる言葉で。
「どうかなー」
 あかねの期待を裏切るよう、わざと素っ気なく答えれば首の前に回された手がキュッとタンクトップを掴んだ。その上に自分の手を重ね、亀のようにあかねを背中に乗せたまま独り言つ。
「おれは変わったと思ってたんだけどな」
「…………どんな風に?」
 どんな風って、そりゃ決まってんだろ。ごろりと反転してあかねを振り落とし、布団に転がった猫パジャマの女を腕の中に捕まえる。そのまま首元に顔を埋め、あかねの耳に囁く台詞は我ながららしくない。
「それなりに大事にしてるつもりだけど?」
「なにそれ、キザ!」
「なんでい、柄にもなく不安そうだから言ってやったのに」
「別に不安になんかなんてないもん」
「へーへー。素直じゃねーの」
「……不安じゃないけど」
 けど?
「そういうこと言われると、なんだか乱馬じゃないみたいでドキドキしちゃう……」
 う……、なんだよこれ、やけに恥ずかしいじゃねーか。取りあえず余裕ぶって「やだ?」と短く聞き返せば、おれの袖に顔を隠して首を横に振る。
「ううん。ただ、どんな顔していいのかわからなくて……ちょっと困る」
 おーい、顔上げろ。こーゆー時のあかねの顔、きっとすげーかわいいから。でもってそれはいつまでもおれだけの専売特許な。
 お互い布団の上で寝っ転がったまま、相手の腰に手を回してゆらゆら揺れる。まるでちょっとした相撲を取ってるみてえだ。

「あのね、浮気しないでって言う女は重いんだって」
「ふーん」
「けど少なくともあたしは浮気しないわよ」
「ほー? そうやってわざわざ宣言するあたりがあやしいもんだぜ」
「違うわよ。もしも浮気したくなったらその時は遊びじゃなくちゃんとケジメをつけてからってこと」
 なんだか聞いてて気分がわりーな、クソ。別に例え話でムキになって拗ねるほどガキじゃねーけどよ、「ああそーかよ」と腕の力を緩めてしまうくらいには面白くねえ。
 そろそろこの話も終わりにして寝ちまおうか。明日の朝、あかねも早いっつってたしな。
 枕元にあるスタンドに手を伸ばす。そのスイッチを切ろうとした時、ぽとりと雫を落とすようにあかねが呟いた。

「……………………もしもあたしが」
 深夜の和室にジジッと蛍光管の鳴る音がする。
 人工的な光はあかねの肌をより青白く照らし、どこか作り物のようだ。
「…………おめーが?」
「……ううん、やっぱりなんでもない」
「なんだよ。気になるから言え」
「いいの。本当になんでもないから」
「あかね」
「だってあり得ないもの」

 そこで一旦言葉が途切れ、二人の間に沈黙が訪れた。お互いの気持ちを探るような、それでいて張り詰めているわけでもない空気はそれまで口にしてこなかった二人の信頼を確かめ合うようで。
 昔は沈黙が苦手だった。怒らせた時だったり照れくさかった時だったり理由は様々だが、静寂を打ち破ろうとして余計に拗れたことも一度や二度じゃねえ。けど今は違う。なんつーか、たまにはこんなことを真剣に伝えてみるのも悪くねーかななんてカードを手に、相手が本音を吐露するのを少しだけ期待して待ってる……そんな感じ。
 そして最初にカードを切ったのは、意外にもおれのほうだった。

「…………そん時になってみねーとわかんねーけど」
 答えるつもりなんかなかったのに、気付けば口が勝手に動いていた。
「多分、そーなったらおれは無理だと思う」
「……うん」と小さく背中で聞こえた。その声が思いのほか寂しそうで、おれは誰に言い訳するでもなくつらつら語る。おかしーな。こんなの、おれの柄じゃねーんだけど。
「たとえばよ、二人でいて100満たされる未来があるとするじゃねーか」
「うん」
「けどその途中で何かがあった時。おれ、多分100は信じらんねーと思う」
「……」
「もしかしたら努力で99までは持っていけるのかもしんねーけどさ。最後の1を埋めることはきっと永遠に無理だろうな」

 キスしても抱きしめても、これを他の奴となんて頭を過ぎるだけでおれには無理だ。たかが欠けた1の信頼。されどそれはとてつもなくデカい1で。
 よく言うじゃねえか、浮気するやつは何度でも繰り返すって。それが言葉通りなのかは知らねーし、もしかしたら本当にたった一度の過ちなのかもしれない。けどそれって本当に“ただの一度”って言葉で済まされるのか?

「もしかしたら100は200に化けるかもしんねーけどよ。どう足掻いても99は99までなんだよな」

 頭では理解しようとしても心の中では何度だって過去の行為が思い出される。それが浮気の代償であり、拭いきれない永遠の傷だなんて思っちまうおれはやっぱりガキくせーのかもしれない。
 浮気は病気なんて言う奴もいる。でも浮気された方だって病んじまうんだ。だから病気。どんなに医学が進化しようと万能の治癒法は存在しねえ。

「……よかった」
「え?」
「乱馬が無理って言ってくれて」
 そして内緒話をするように手でおれの耳を丸く覆う。
「あたしも多分……、絶対無理」

 折り曲げた足を掛け布団の上に下ろす。
 ぽすん。ぽすん。
 空気を足で追いやりゆっくりバタ足をかくあかねは、流石に陸の上で溺れることはない。

「たとえばね、あんたって食い意地はってるからなんでも美味しそうに食べるでしょ?」
「なんでい急に」
「あたしね、あんたが大きな口開けて食べてるとことか見るのってわりと好きなの」
「ふーん」
「でも……この唇で他の人に触れたのかな。この指で触ったのかなって思ったら、なんだか普通のことまで全部悲しくなっちゃうような気がして」
 布団を蹴る音が止んだ。その代わり、あかねが顔を隠すように足元の掛け布団を引き寄せる。
「おい、こんなつまんねー話で泣くなよ」
「泣いてないわよ」
 あ、かわいくねえ。
「っつーかこれじゃあまるでおれが浮気したみてーじゃねえか」
「本当にしたことないの? 浮気」
「しねーよっ。してたらこんな堂々と話せねーよ!」
「ふーん……。こんな時に嘘の一つもつけないようじゃあ俳優にはなれないわね」
「いーんだよ、おれは格闘家なんだから」
「ま、その前に俳優って柄じゃないか」
「なんだとっ!?」
 はいお仕置き。布団の上からこめかみをぐりぐりの刑だ。やめてっつったって今日は簡単にやめてやらねーぞ。そうこうしてる間にあかねの足がばったんばったん宙を蹴り、階下で眠る親父達には一体どう思われてるか甚だ疑問だがそんなの知ったこっちゃねえ。
「もう痛いっ!」
「今のはおめーがわりい」
「なによ、あたしは本当のことを……いたたたたた! いたっ、本当に痛いってばっ!」
「どうだ、少しは反省したか?」
「その前に格闘家が暴力振るっていいと思ってんの!?」
「なにが暴力でい。言っとくけど普段のおめーのほうがよっぽど」
「あら、あたしのほうがよっぽどってこういうこと?」
 しまった。ちょっと力を加減した途端、めしゃりと床にめり込むおれの顔。っつーかこれ、親父達に激しく誤解されても文句は言えねーよなぁ。
「おめーなぁっ、ちったあ手加減しろよっ!」
「ふんっ。最初に手をあげたのはそっちのくせに」
「あんなの手ぇ出したうちに入んねーだろうが。いいか? 本当に手ぇ出すってのは──」
 柔らかい膨らみに後ろから手を伸ばす。が、掴んだと同時にパチンと手の甲を弾かれた。なんだよケチ。

「……………………これからも?」
「あん?」
「これからも、しない? 浮気」
 めずらしい。あかねがこんなことを聞いてくるのは意外にも初めてかもしんねえな。
「しねーよ」
「ほんと?」
「したくてもどっかのじゃじゃ馬一人乗りこなすので手ぇいっぱいだっつーの」
「あっ。ってことは本当は浮気したいんだ」
「バカっ、冗談だって」
 ガスンと顔の上に枕が落ちてくる。……っておい、これって枕の擬音じゃねーぞ!?
 おれは咄嗟に顔を逸らすと、布団の上で正座して腕を振り上げるあかねをそのまま後ろに倒してやった。へっ、ざまーみろ。
「いい男は浮気しねーんだとよ。よかったな」
「よく言う」
「あと経験人数の少ない方がエッチは上手いらしいぜ」
「そのあやしい説はどこからよ」
「ホントだって。ジムの奴が風俗の女に窘められたって嘆いてた。奥さんがいるならもう少し大事にしてやれって」
「な、なんか生々しくってやだぁっ」
「で? あかねはどう思う?」
「……なにが、」
「おれとのエッチ」
「…………、知らないっ!」
 あーあ、怒らせちまった。っていうか、こういうのをバカップルって言うんだろうか。
 バカバカと胸を叩く怪力は相変わらずだが、その声は本当に嫌がっているようには思えない。
 そして再びおれの背中に上半身を預けると、どこか誇らしげに宣言する。
「とにかくあたしは浮気なんてしないから」
「……重」
「重い?」
「うん、重い」
 体が? 気持ちが?
 そんなの愚問だ。
「重いの、やだ?」
「まあ、軽いよりいーんじゃねーの?」
 よっと体を反転し、顔中に降らせたのは子どものようなキスの雨。
 頬に、額に、そして唇に。
 まいった。これだけでなんかすげー幸せな気分になっちまう。
「あれ? もしかしてあかね、太った?」
「失礼ねっ!」

 この重さは、言うならば1の愛。
 こんなくせー台詞、一生言うことなんかねーだろうけど。
 じゃれ合いながら転がって、暫くしたらまたぽすん、ぽすんと布団を蹴る。

「……さっき言ってたおめーの会社の奴とかおれの知り合いだけどさ」
「うん」
「いつか本気で好きになれる奴ができるといいな」

 顔を見られないよう、胸の中にあかねを抱きしめる。それと同じくらいの力で抱き返され、「本当ね」と呟く声は心からの響きで。
 ああ。なんつーか、あったけえ。

「おめーさ、変わんなくてもいいけど料理の腕前だけは変わってくれよ」
「意地悪」
「意地悪じゃねーよ。あのな? 今はまだいいとして、八十過ぎてもあんなばかすか酢ばっか食ってたらポックリ逝っちまうだろうが」
 なんだ? なんか変なこと言ったか?
 一瞬きょとんとし、嬉しそうに目を細める。うん。やっぱこういう時のあかねが一番かわいい。
 …………が、一番だと信じていた思い込みは呆気なく覆されて。
「あのね、乱馬」
「んー?」
「やっぱりわがまま言っていい?」
「なに」
「これ、脱がせちゃいたい」
 そう言って、つんと引っ張るのは他でもないおれのタンクトップだ。反射的に自分で脱ごうとすれば、「ダメ。あたしがしたい」と窘められる。なんつーか、わがまま最高だな。
「あーあ。あかねさんに襲われちまった」
「嫌ならやめるわよ?」
「嘘、冗談。もっと襲って」
「その言い方、なんかやだぁ」
 くすくす笑う口元を指で隠す仕草はこんなにも無垢なのに、なんでこんなにやらしいんだろ。代わりにあかねのパジャマのボタンを外せば下から白い素肌がお目見えする。
「猫はそこで丸くなってろってか」
「え? なんか言った?」
「べつに」
 文字通りくるくると丸められたパジャマはぽんと部屋の片隅へ。やっぱこうでなくっちゃな。
「にしてもどーゆー風の吹き回しだ?」
「なにが?」
「明日の朝もはえーんだろ?」
「うん、そうなんだけどね」
 ちろりと赤い舌を見せ、自分の手で何も覆われていない胸元を隠す。
「昔と違って少しだけあたしも成長してること、知って欲しくて」
「成長? まあ、成長したとしたらおれのおかげだな」
 あかねの手の上から自分の手を重ねた質量は、確かに高校生の頃よりもボリュームを増していて。
「バカっ、エッチ」
「なんでい、これからもっとエッチなことするくせに」
 あ、今頃になって急に顔を赤くしやがった。あーくそ、こーゆーところは相変わらずか。
 たゆんと揺れる膨らみから手を離し、その腕でおれの顔を引き寄せる。言いようのない柔らかな温もりで包みこみ、おれの髪を梳く指はどこまでも愛おしげだ。
「覚悟しといてよね」
「なんだよ」
「あんたが浮気できないくらい、メロメロにしてみせるから」
「勝負ってか?」
「そう」
 バーカ。そんなの、もうとっくに結果は出てるっつーの。もったいねーから言わねえけど。
 どうせ下の親父達(やつら)には誤解されてるんだ。今はただ、申し込まれた勝負を甘んじて受け止めることに集中するとしよう。

 
 ───さて、その晩の勝敗はいかほどに。
 それはもう、きっと言うまでもないだろう。
 汗のひいた額に掛かる前髪をそっと払う。寝息を立てる姿からは先程までの妖艶な色気など微塵も感じられず、顔だけ見ていれば出会った頃となんら変わらないような気持ちになるのはなぜなのか。

 この先もずっと100であり続けますように。
 
 らしくないことを願い、自嘲気味に笑う。
 そんなことは願うまでもないと。そう言ったらきっと、この恋人は照れくさそうに笑いながら「バカ」なんてかわいくねー言葉を返すに違いない。
 だけどずっと、この先もずっと。
 
 
 
 
 < END >
 
 


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comment (16) @ 社会人編 短編・前後編

   
ないしょのアンダー・ザ・ベッド  | 素敵な漫画をいただきました! 

comment

・・・・きっと。 : 憂すけ @-
この世に数多居る人の数と同じ様に、それこそ千差万別の個性があるでしょう。千人いたら千通りの考え方があるのかもしれません。
全員が同じ方を向くのは、何て奇妙だろうって思います。違って当たり前。個人の考え、趣味嗜好は自由であるべき。
その上で、この2人がこうして互いを確かめていく過程が何とあたしには愛おしいのです。
「無理」乱馬とあかねが言い切ったこの言葉。
何時までも真っすぐでいて欲しい。
年齢関係なく、ズルさや小賢しさからは遠く離れたままでいて。何時までも不器用な2人のままでいて欲しい。だってそのままの二人があたしの好きな2人だからです。m(__)m
2018/09/28 Fri 07:02:32 URL
ホントのホントの本音 : kimmy @-
何かこういうホントに日常のまったりした二人、すごくいいですね。
薄暗い部屋で寝る前にお布団でゴロゴロしながら顔を見ないまま話すのは、他愛もない事だったり、普段は面と向かって話しづらいホントのホントの本音だったり。
すごくわかります。
そしてkohさんが時間をかけて何度も何度も見直して修正して書いたkohさんの中の乱あのホントのホントの本音が見れた気がしました。

あかねちゃんの「99の好きより1の無理が嬉しい」っていうのも、kohさんのおうちで拝見してきた長い二人の関係を経てのあかねちゃんらしいなぁと思いました。

うーん、上手く言えない。
この静かな日常だけどぎゅっと濃度の詰まったお話、とっても好きです。
(BFアニメの11話的な…www)

キャプション読んだ段階では、kohさんの乱あだとはわかっていながらも、誤解云々かとドキがムネムネしましたが、読後のこの胸の温かさよ…これをお伝えするには、私も3ヶ月ほどいただかないと書けません…。
2018/09/28 Fri 09:54:34 URL
思わずコメントし失礼しますヽ(☆´w`)ノ : みーこ @-
いつも読み逃げばかりですいません。この話を読んでどうしても気持ちを伝えたくてコメント書いてます。何か変なことを書いてしまってたら消してくださいm(。>_<。)m
今まで数々の二次を漁ってきて浮気の話はいっぱい読みました。原作によっては納得できたり腑に落ちなかったりケースバイケースです。別にドロドロが苦手というわけでもないです。
でもkohさんの話を読んでるとこのふたりはふたりだけって気持ちになります。
kohさんの話ってモブキャラが滅多にいなくて、なのにこれだけドキドキさせられるってすごいです(えらそうにすいません)
自分は書けないから色んな話を読ませていただいてますがこの話を読んですごく納得したしすっきりしました。kohさんは本当に乱あが好きなんですねヾ|〃´∪`|ゞ
これからもずっと応援してますo(*´ゝ∀・)ノ☆
2018/09/28 Fri 14:10:04 URL
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2018/09/28 Fri 15:13:11
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2018/09/28 Fri 20:50:23
泣きそう : yuri @-
kohさんのお話はいつもあったかいですね。
なかなか形にできなかったっていうkohさんのいろんな気持ちが詰まってて泣きそうです。
自分はROM専なのでどんな話も否定するつもりはないです。けど読後にこんなあったかい気持ちになるのはkohさんがらんまを大事にしてるからだって思いました。
乱馬のセリフの大事にしてるつもりだけどと本気で好きなやつが出来ればいいにも泣きそうになりました。浮気女達もいつか本気で好きになれる人が出来たらいいですね。私も彼を大事にしたくなりました。
kohさんの話はみんなに優しいから大好きです。
思い切って公開コメントにしましたが失礼があったら消してください。
これからもずっと応援してます。
2018/09/28 Fri 21:21:14 URL
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2018/09/29 Sat 20:47:23
ありがとうございました : 檸檬 @-
koh様、初めまして。
このお話を読み、私も皆様のようにコメントせずには居られず大変迷ったのですが、初めて感想を送らせていただきます。

koh様の書かれるお話には日々活力をいただいておりますが、今回は恋人や夫婦への応援が込められているような気がして自然と涙が溢れました。
私も結婚して十数年前になる主人がおりますが、お互い初めて同士で今も相手のことが一番だと思っています。少なくとも私の主人に対する気持ちは変わりません。ここで言うことではありませんが大事にしてもらっていると感謝もしております。
しかし世間では異端と映るらしく、直接自分に対するものではありませんが、心無い言葉や話を目に密かに胸を痛めておりました。

多くの恋を経て運命の相手と結ばれることもあるでしょう。それと同じように生涯一人だけの人もいます。優劣を争うのではなく、そういう人もいると認め、応援してくれるような100>99にどれほど励まされたかわかりません。

滅多に少年漫画を読まない私がらんま1/2を愛してやまないのも、お互いを思う絆の強さからこそです。
ただ漠然と浮気をしないと綺麗事で終わるのではなく、深い考えがあってこそ間違いが起こらないという2人のやり取りに感銘を受けました。
他の方のコメントも拝見させて頂きましたが、登場人物が乱馬とあかねだけでここまで読ませ、愛情を感じさせてくれるkoh様のお話が大好きです。

お伝えしたい気持ちがまとまらず、くどい上に長くなり申し訳ありません。
ご健康を大切に、これからも益々のご活躍をお祈り申し上げます。
2018/09/29 Sat 22:27:44 URL
Re: ・・・・きっと。 : koh @-
憂すけさん

コメントありがとうございます。まさに仰る通りですね。
現実でも二次でも色んな考え方があって、憂すけさんは既にご存知かと思いますが実際の私は「え?これがほのぼの(?)乱あを書いてる人?」というような性格や考え方だったり。
以前も記事にしましたが、好きな漫画も圧倒的に男っぽいものが好きで、多分男女の関係においてもどちらかというと男性的な捉え方かもしれません。
でもそんな自分でもなぜからんま1/2の乱馬とあかねちゃんに関してはこのお話のようにしか思えなくて。
絶対的というのでしょうか。うん。きっとそうあって欲しい。そんな自分の願いが込められているのかもしれません。
憂すけさんの言う通り、不器用でもいいからズルさや小賢さからは遠く離れたままでいて。
そんな二人だからこそ、愛おしくて大好きで書きたくなるのです。
2018/10/03 Wed 09:07:55 URL
Re: ホントのホントの本音 : koh @-
kimmyさん

ありがとうございます。こういうお話こそ、机で向かい合って会議みたいに話し合うのではなく自然な流れでお互いの気持ちを確かめ合うのがらしいかなぁ、と。
多分、二人にとってはお互いだけって特別なことではないと思うんですよね。ただ、必ずしも周りはそうだと限らない。だから時々自分のことのように傷付いてしまう。でもずっとこのまま変わらないでいて欲しいなあって。
好きの伝え方も人それぞれで、「99の好きより1の無理」が乱馬なりの最大の気持ちなんじゃないでしょうか。緩やかな空気だけど、根底には流されない強い気持ちがある……そんな二人をこのお話から感じていただけるとすごく嬉しいです^^。
かなり難航したお話ですが、ポッと心の中を照らせる仕上がりになっていたら嬉しいなと思います。
2018/10/03 Wed 09:11:09 URL
Re: 思わずコメントし失礼しますヽ(☆´w`)ノ : koh @-
みーこさん

はじめまして。この度はあたたかいコメントありがとうございます。
またお返事が遅くなってしまってすみません。
たとえばpixivとかでしたら浮気のお話っていっぱいありますよね。影響されるのが怖くて積極的に二次を読むことは稀なのですが、思わず引き込まれてしまうお話も多くて私もつい楽しんじゃいます。
(あまり原作を知らない方がかえって純粋にのめり込めたり……)
それはそれでまた楽しみ方のひとつなんだろうなぁと^^。
モブキャラに関しては1つのシリーズにつき出来るだけ1~2人までと決めているのでそう言っていただけて本当に嬉しいです。特にどうしても話の流れ上必要とされるケース以外は名前を付けないというのが自分なりの拘りなので、それでドキドキしていただけるのはとても光栄でして……♡
そして乱あ好きと言っていただけること。もうこれ以上の褒め言葉はありません!
変なコメントだなんてとんでもない。わざわざ感想を寄せていただき、ありがとうございました。
2018/10/03 Wed 09:19:24 URL
Re: ありがとうございました!! : koh @-
m~コメント主様

とこまでが浮気の線引きか。本当に人それぞれですよね。
たとえば私は結婚して主人もいますが、創作で書いているほど相手に求める条件は厳しくありません。もちろん裏切られたら悲しいし、こんな呑気にはしていられないでしょうが、一方で多少の割り切りも出来ると思っています。(もちろん、大前提として信じています……というか相手がそんな器用な人ではありませんが汗)
じゃあなぜ乱あにだけこんなに求めてしまうのかといったら、やはりコメント主様の仰る通り原作で命を投げ出すまでに無欲で相手を優先させる。もう本能みたいな気持ちの強さなんですよね。
何度も言っていますが、私はそんなに清廉潔白な人ではないので乱あ以外では結構なんでもOKな人だったり。でもこの二人だけは「100>99」のお話のような想像しか出来なくて。それを強要するつもりはないんです。ただ、自分はこんなスタンスなんだなぁと。
そして「いつか本気で好きな奴が」。
あの台詞ってまさに自分達がそうだと信じているからこその言葉で、自分でも一番気に入っていただけに刺さって下さってとても嬉しかったです^^♡
あ、あと「それなりに大事にしてるつもりだけど?」も。素直な「好き」より、こういうのに弱いkohおばさんです…///へへへ。
2018/10/03 Wed 09:30:48 URL
Re: タイトルなし : koh @-
ひ~コメント主様

大人になったら色々と割り切れるようになると思っていました。というより、学生時代から割りとドライだった自分。男女の関係なんて時の流れでどうとでもなってしまう……という、彼女にするには大変かわいくない性格をしていたような気がします汗。ほ、ほら、その、転勤族で距離に負ける現実とか色々ありましたし。
でも不思議と乱あに関してはこんな自分の生ぬるい想いとは違うと信じていて。
大人になれば割り切れるではなく、大人になった今だからこそ純粋な想いに勝るものはないってあらためて思えるのです。
好きの一つも素直に言えない不器用さでも、口先だけでズルく立ち回れちゃうくらいならその方がいい。ギャグがギャグであるためには笑える線引きが自分には必要で、なんでしょう……どこまでいっても乱あと、イタkissの入琴にはお互いだけのイメージしか持てないんですよね。他はわりとフリーダムです笑。
きっと翌朝会社に行ったらまたヘビーな現実が待っているでしょう。だからこそ、深夜の薄明りの中では二人らしくあって欲しい。そんな願いを込めたこちらのお話でした。
2018/10/03 Wed 10:19:30 URL
Re: 泣きそう : koh @-
yuriさん

この度は公開コメントであたたかいお言葉ありがとうございます。きっと公開にされるのを迷われたんじゃないでしょうか?それだけにyuriさんのお気持ちがとても嬉しかったです。
まさにyuriさんの仰る通りで、なにも「恋人はこうあるべきだ!」なんてお説教がしたいわけではないんです。ただ、こちらのお話を読んだ後にちょっと大事な人に優しくしてみようとか、気持ちを見つめ直してみようとか、そんなきっかけになれたらすごく嬉しくて^^。
どんなに自分が好きでも相手に恵まれないことだってありますよね。それに個々の経験や考え方で必ずしも最初から運命の相手に巡り合えるとは限らず……。
いつか浮気女にも本気になれる人ができればいい……そう思います。あ、でも一度知っちゃった味はなかなか忘れられないですから難しい……(すみません、夢も何も無いようなこと言って汗)
でもいつかは。そしてもしもそうならなかった時。それもまた、自分の今までの行いが招いた結果なんだろうなぁと。
だからこそ、乱あには言い訳なしの関係であって欲しいと強く思います。
2018/10/03 Wed 13:48:05 URL
Re: ”love,love,love" : koh @-
青~コメント主様

熱いメッセージ、ありがとうございます!
そうなんですよね。「パートナーへの貞淑」とかそんな大袈裟な話ではなく、きっとこの二人にとってはそれが普通であり当たり前で、真の一流は自分を安売りしないだろうなぁと。
もちろん高校生の頃はシャンプーの色仕掛けに叫んだり鼻血を出したりしていましたが、そこで真顔でいられる方が寧ろこわい笑。ちゃんと歳相応にソワソワし、時に浮足立ちながらもいざとなったら大事なものを優先させられるからこそ、絶妙な笑いの枠の中で納まったのがらんまというお話なんじゃないかと思っています。
正直なところ、気を抜いたら男の子も女の子も余所道に逸れるのは一瞬ですよね。だからこそ漠然と「浮気しない」ではなく、どういう考えでこんな二人が私の頭の中にあるかを形にしておきたくて……^^。
コメント主様も仰る通り、私も乱馬が他の異性に全く反応しないとは微塵も思っていません。ただ、存在としてはあかねちゃんとかなりの差があるだろうなぁと。
遊びや一時の逃げ、快感でそうすることは容易いでしょう。でも物理的にも肉体的にも出来るのにそうならないっていうのが不器用な乱馬に出来る最大の愛情表現だと思うので、ずっとこうであって欲しいと願っています。
2018/10/03 Wed 14:02:04 URL
Re: ありがとうございました : koh @-
檸檬さん

はじめまして。この度はご丁寧なコメントをいただき、感激しております。
またお返事が遅くなり、申し訳ありません。
檸檬さんのコメントを拝見していて、とても素敵なご夫婦の関係だと思いました。かくいう私の同級生にも始めてお付き合いした人とそのままゴールインしたカップルが二組います。逆に付き合って一度別れてまたゴールインしたカップルもいます。(その後、また……ですが)
私は身近にいるお互いだけの親友を見ていて純粋にとても羨ましいと思いますし、今も仲良くしているのを見るとなんとも微笑ましい気持ちになってくるんですよね。ああ、高校生の頃はどっちかというと彼女のほうがしっかりしていたのに、今では〇〇君がこんなリードしちゃって、みたいな^^。
実は私の両親は今で言うバカップルの典型みたいな人達で、幼い頃からずっと親の姿を見てきた私は世の中ってそれが普通なのだとすら思っていました。が、身も心も成長するにつれ、必ずしもそうではないと知り…。
どこにだって好き勝手言う人はいます。でも生涯一人だけって胸を張れる、とても素敵なことですよね。
私自身、お会いしたこともない檸檬さんに心からのエールとお礼を送りたくなりました^^。
私の書くお話は結果ありきなので似たような展開ばかりかもしれませんが、それでも今後もずっとこうでありたいと思っています。ですのでもし宜しければ、またのんびりお付き合いください。
ありがとうございました。
2018/10/03 Wed 14:24:36 URL

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