狼だって、犬だって 

2018/12/02
こちらは読切りの大学生編となり、今まで書いたお話は一切関係ありません。
携帯電話のない時代、付き合っていない大学1年生の2人です。
ほんのり大人の描写がありますので苦手な方はご注意ください。
拍手には後日話と、裏話を……。



狼犬




 いつからだろう、冬が嫌いになったのは。
 暑いのも苦手だが、水をかぶっちまえばどうとでもなる。
 だけど冬はそうもいかなくて。
 両手を擦り合わせてみても、望んだ温もりは隣にいない。
 その寂しい現実を思い知らされるから。
 だから冬は嫌いだ──。



 
 
 押されるようにして駅のホームに吐き出された。ちょこちょことオモチャの兵隊よろしく歩幅を小さくして下る階段。改札に吸い込まれていく切符。二つ隣のレーンでブザーが鳴って人が閊える。どうやら料金不足らしい。そそくさと精算機に向かう後ろ姿に若者が舌打ちをするも、すぐに仲間を見つけて駅の外に駆け出す都会の街は、誰も周りのことなんか気にかけていない。
「ふう…………」
 ようやく外に出て一息つく。が、どこからともなく漂ってくる下水の匂いに無意識で呼吸を止めた。冷えた手を突っ込んだポケットの中では、大学で貰ったばかりの飴の包みがくちゃりと指に触れる。
 都心は苦手だ。ましてや、土曜日昼過ぎの渋谷なんてろくなもんじゃない。どんと背中に衝撃を覚えて振り返った時には誰もいなかった。謝ることもせず去っていく感覚にはまだ慣れそうもねーけど、多分これが普通なんだろう。
 本来ならもっと早く来れるはずだったのに、ずるずると予定が伸びてしまったのは来週に迫った試合へ向けての追い込みで。
 何はともあれ、用事を済ませてさっさと帰るに越したことはない。なんせ今日は週末だ。もしかしたら夜電話が掛かってくるかもしれないし、そしたらそこでこれを口実に約束を取り付けられるかもしれないのだから。
 地面にへばりついたガムを足で避け、今いる場所を確かめる。とにかく何度来てもこの場所は覚えられそうもない乱馬は、ごちゃついた辺りの景色に今一度目をやった。
 丸く円を描くようにして植木沿いに設けられたベンチ代わりの柵──その目の前には茶色い和犬が前を向いてお座りのポーズを決め込み、どっしりと鎮座していた。そう、ここは言わずと知れた渋谷のハチ公前である。
 待ち合わせ場所としてはあまりにも有名で、それでいて初めて銅像を目にした時はその小ささに拍子抜けする例のスポットだ。
 今時こんな場所で待ち合わせするのはお上りさんくらいしかいない。
 大学に入ってすぐの頃、都会自慢を競うように捲し立てる奴がいたけれど、乱馬としてはこの街自体が異国のようで適当に流すだけだった。
 まるで自分の庭を番するように。
 そこにはキュッと鼻先を持ち上げた犬っころが、足を踏ん張って前を向いている。
 と、その向こうに意外な人物を見つけた。
 見慣れた後ろ姿。少しだけ伸びた髪の毛はそれでも肩に付くまでは至っておらず、高校の時から変わらない真っ直ぐで艶やかな黒髪が冬の日差しに輪郭を溶かしている。
 こんなに人がいる場所で目に留まるなんて運のようなものなのかもしれない。しかし乱馬にとってその姿を見つけることは自然であり、ごく当たり前のことだった。
 さり気なく銅像に近付き、後ろから肩を叩く。

「よう。こんなとこで何やってんだよ」
「あ、……ってなんだ、乱馬じゃないの。あんたこそ、こんな所でめずらしいわね」
「なんだとはなんだよ、冷てーな」
「デート?」
「へ?」
「風の噂で聞いたわよ。彼女ができたとかなんだとか」

 ああ、まただ。
 高校を卒業して別々の大学に進んだ乱馬とあかね。それからの八カ月間、たまに連絡は取り合うものの目に見えた進展は何もない。そんな二人を揺さぶるように時折耳にする風の便りも、元を辿ればフラれた相手の虚言だったり大きな尾ひれがついたものだったりと、噂の域を越えないもので。確かに最初は面食らった。が、そのうちそれが相手への連絡の口実になると思えば、今やどちらも真剣には捉えていない。

「くっだらねえ。おめーこそどうなんだ?」
「なにがよ」
「いいかげん、彼氏の一人もできねーのか?」
「いいでしょ、べつに」

 この言い分だと本当に付き合っている奴はいないらしい。端からわかっていたことだが、本人の口から聞く否定の言葉は何よりも心強いもので、知らぬうちに頬が緩むのを自覚して引き上げる。
 大学生にもなって寂しい奴めと茶化せば、いい人がいるなら紹介してよと返ってくる、これもいつものやり取りだ。無論、本気で紹介したい相手なんているはずもない。今、あかねの目の前に自分がいるというのに。

「そういうあんたは?」
「え?」
「彼女じゃなくても好きな人くらいはできた?」
「大きなお世話だっつーの」

 嘘は言っていない。これは嘘にはならないはずだ。
 好きな人なんて、そんなのずっと前から胸の中に居座り続ける相手がいる。それは超がつくほど鈍感で、素直じゃなくて、だけどどこにいても見つけてしまうくらいに特別な存在で。
 ふかふかの毛布に包むようにして大事にしてきた。ところがどうだ。自分の想いを悟られぬよう大事にするがあまり、グルグルに包み込んだ毛布は今や窒息寸前となって自身の胸を締め付ける。
 そんな二人は形式上、親の決めた許婚のままだった。


「ところで本当にどうしたの?」
「え?」
「乱馬がこんな場所にいるなんてめずらしいから。あんた、人混み嫌いっていつも言ってるじゃない」
「ああ、それは」
「もしかして誰かと待ち合わせ?」

 待ち合わせ。そっか。そうだよな。じゃなければこんな所にずっといる理由もない。
「まあな」と話を合わせれば、定型文のように「彼女だったりして」と言うが、本気で信じているわけでないのだろう。

「おめーは? 誰か待ってんのか?」

 ゆかやさゆりだろうか。いや、だけどあいつらだったら地元の駅ほうが都合がいいか。

「あのね、ゼミの先輩を待ってるの」
「ゼミの先輩?」
「うん。来年の専攻について話を聞かせてくれるって」

 嫌な予感がした。直感だった。
「それって男だろ」と軽く探りを入れる。案の定「他にも女の子だっているわよ」と返ってくるものの、こいつはちっともわかってない。男にとって、所詮本命以外なんて目に入っていないということを。

「まだ十分以上もあるのに早く着き過ぎちゃった」
「……ふーん」

 まさか、そいつと会うのが楽しみで早く家を出たとか言うなよ? まさかな。まさか。

「ねえ。それよりあんた、今日って──」

 あかねが何かを言いかけたその時だった。
 遠くから、だけど確かにこいつを呼ぶ声がする。浮かれた男の声で、“あかねちゃん”と。

「あら? 先輩も早いわね」

 いつもは遅刻ばかりなのにと訝しがるが、まったく相変わらずの鈍感め。予定よりも早く来るなんて、そんなの理由はわかりきっていて。大半の場合、好きな女と二人きりになるために違いない。
 ここ、ここ、と合図を送るようにあかねが手を振る。それを見た男がパッと顔を綻ばせ、こちらに向かってくるのが見えた。
 土曜日の渋谷駅前は人で溢れ返っている。黒い人波はまるで蟻のように列を成しながら、駆け寄りたくても簡単に横断するにはいかなくて。
 焦れったそうに、ほんの数メートル前で男が足踏みする。
 それは自分でも予期していない、咄嗟の衝動だった。

「──あかね。これ、要るか?」

 ポケットに手を突っ込み、くしゃくしゃになった飴の包みをあかねの目の前にやる。
 なに? と顔を上げたその距離は思いのほか近かったのだろう。だって仕方ない。人が多くて、自分の声がかき消されてしまうから。
 顔を上げたあかねの唇に乱馬の唇の表面が掠った。
 一瞬が永遠に引き伸ばされるような感覚。
 驚きで目を開けたままのあかねが乱馬の胸を押し、再び雑踏の中に引き戻される。こんな都会だ。街ゆく人は各々手に持った携帯や信号に目をやり、誰も自分達のことなど見ていない。あかねの言う、先輩を除いては。

「あ、あんた、一体なにして……っ」

 可哀想になるくらいに顔を赤くして、あかねが口元を手で隠す。その二メートルほど先では先輩とやらが呆然と立っていた。
 今、キスしてたよな? 
 そう責めるように。

「わりいわりい。ま、気にすんなよ」
「え?」
「べつに初めてキスしたわけじゃあるまいし、掠ったくらい大したことねーだろ?」

 大きな声は意識してのことだった。特に前半部分ははっきりと、男のほうに視線をやりながら嘯いてみる。そして再びあかねに視線を戻した瞬間、心臓がギクリと跳ねた。

「……バカっ! もう知らないっ!」

 肩で持ち替えた鞄は近付くなと言っているようだった。そのまま男のほうへ駆け寄り、そこへ一人の女が呑気に手を振ってやって来る。

「ごめんねー、お待たせ! ……ってあれ? あかね、どうかしたの?」
「っ、なんでもない。いいから行こ!」

 交差点に並ぶ人混みの中へ強引に友人の手を引っ張っていく。まるで自分の姿を隠すように背を向けたあかねは、信号が青に変わっても振り向くことはなかった。
 ピロピロと電子音が流れ、集団が一斉に反対側へ渡り出す。やがてメロディーが止み、苛々とクラクションを鳴らしかねないタクシーを横目に向かいから鉄砲玉のように人が走ってくる交差点でただ一人。
 乱馬だけはその場を動くことができなかった。
 
 *
 
 目的の店は駅に隣接した大型のビルにあった。あらかじめ取り置きしていた品を受け取り、そこを出るまで実に五分もあれば事足りてしまう。
(あかね……怒ってるかな)
 確かに自分の言い方は良くなかったかもしれない。けれど何もあんな態度をとらなくたっていいではないか。ちょっと唇の表面が触れただけで、許婚である以上、それより進んだ関係を想像されることだって日常茶飯事なのに。
 自身のしでかしたことも棚に上げ、開き直ってみる。あんなの、大したことじゃない。なんなら無防備に、距離も確かめないまま見上げるあかねに隙があるせいだ。そう、だから自分は悪くない。
 何度も言い聞かせる。その度、脳裏を過ぎるのは目の縁を赤く滲ませたあかねの顔で。

「…………くそっ!」

 今さら引き返したところで居るはずがない。わかっているのに、気付けば勝手に足が駆け出していた。
 
 


 一方であかねもまた、戸惑いを拭えずにいた。先程の件などなかったことにするように、いつにも増して馴れ馴れしい笑顔を男が向ける。が、どんなに笑い掛けられても、どんなに身振り手振りで話し掛けられても、あかねの気はそぞろだった。思い出したように愛想笑いを浮かべて相槌を打つ。けれど話の内容が頭に入ってこない。目の前の先輩は選択授業の課題がいかに過酷かを、眉を顰めて説明している。それに聞き入り、隣で大袈裟なくらいに頷く友人の存在がありがたかった。

「──あかねちゃん、聞いてる?」

 名前を呼ばれ、不意に顔を上げた距離の近さに驚いた。わざとだろうか? それとも偶然? 嫌でも思い出してしまうのは、唇に残った一瞬の余韻で。

「……ごめんなさい! あたし、やっぱり今日は帰ります」

 口にすると同時に鞄の取っ手を掴んでいた。ミルクティーのお代を置き、逃げるように店を後にする。
(バカ……っ! 乱馬のバカっ、なんで急にあんなことしたのよ!?)
 大したことないなんて、簡単に割り切れるはずもない。だってそうでしょう? あの時、確かに感じたのは──。
 くいっと指で押さえる唇。だけど何かが違う。決定的に足りないのは、唇に掛かる吐息の温度なのかもしれない。
(大したことないなんて言いながら、なんであんな顔するのよバカっ!)
 スカートが跳ね上がるのも構わず駅まで駆ける。
 だけど。
 そこに乱馬の姿は見当たらなかった。
 
 *
 
 家に着いた時にはとっぷり日も暮れていた。
 駆けずり回った足は棒のようになり、いつになくだるい。結局、あかねを見つけることは出来なかった。それも仕方のないことだろう。なんせ広い街で、あの人混みだ。会えると思うことのほうがおめでたいのかもしれない。
 それでも探さずにはいられなかった。駅、カフェ、ショッピングビル。目に付くところは闇雲に見て回った。ガラス張りの喫茶店の前を通る度、そこにあかねがいるような気がして目を凝らす。もちろん、一日に二度も偶然会うような奇跡か起こるはずもないのだが。
 あの騒がしい街のどこかに今もあかねはいるのだろうか。夕方のことをからかわれ、冗談じゃないと顔を真っ赤にしながら否定して。もしかしたら先輩に上手く丸め込まれ、酒でも飲みに行っているのかもしれない。さっきのことは忘れよう、と。

「あーあ…………。なにやってんだ、おれは……」

 ごろりと横になった部屋に、虚しく自分の声が響く。
 せっかく一カ月振りに会ったのに。いや、そもそも一カ月も会っていないからあの場所へ行ったのに、まさかこんな結果になるとは想像もつかなかった。
 唇の表面に指で触れる。硬い指はあかねの唇に似ても似つかず、はあ……と溜め息を落とす。それと玄関のブザーが鳴るのは同時だった。
(こんな時間に誰だよ…………クソっ)
 期待なんて全くない。ただ、何度もチャイムを鳴らされるのはごめんだ。
 とっとと追い返し一人になりたい、それだけで。
 不機嫌さを隠さないまま、乱暴に扉を開ける。その扉の向こうに立っていたのがあかねだなんて、一体誰が予測できただろう。乾いた冬の夜風に吹かれたのか、髪の毛の先が跳ねている。それを直すこともせず眉間に皺を寄せる姿は、探しても探しきれない五時間越しに目にする表情だった。

「あ、あかね!? おめー、なんでここに……!」
「あんたがそれを聞くわけ?」
「え、あの、」
「悪いけど勝手に上がらせてもらうわよ。お邪魔します」
「あっ、おい!」
「なに? もしかして彼女でも来るの?」
「バカっ、そんなんじゃ」
「ふーん。今日は来ないんだ」

 今日はって……。
 いねーよ。彼女なんているはずもない。
 つんと澄ました表情はまだ怒っているようで、なのにこの部屋に来たあかねの真意がわからない。

「洗面所、借りるから」

 電気の点いていない部屋の窪みで当然のように立つ後ろ姿だって、実際はこの部屋にあかねがやって来たことなんて片手で数えるほどしかなくて。しかもそういう時は決まって他に人がいた。ゆかやさゆり、ひろしに大介、おふくろに良牙とあかりちゃん……。それがなぜ今日に限ってあかね一人で来たというのか。
 ばしゃばしゃと水の跳ねる音が止む。きゅっと捻った蛇口が考える時間のタイムアップを告げた。
 

 向かい合って座る二人の間に遮るものは何もなかった。辛うじて背の低いセンターテーブルがあるものの、それだって片側を壁につけてしまっているから障害物にはなり得ない。
 どうしよう。予期しなかった展開に自身の心臓がものすごい勢いで早鐘を打つ。怒ってるんだろうか……。怒ってるんだろうな。だから怒鳴り込みに来たとか? いや、でもだったらなんであかねは黙ってるんだ? っていうか、せめてお茶くらい出したほうがいいんだろうか。うん。そうだよな。せめてそのくらいのことはしたほうがいい。あ、だけどあいにくペットボトルを切らしてたんだ。紅茶のティーバックは前にあかねが来た時以来、一度も封を開けていない。大丈夫だろうか。まだ香りはとんでいないだろうか。何はともあれ、湯を沸かそう。そういや来客用のカップってどこにしまったっけ。まあいいか、ちょっとちぐはぐだけど、いつも使ってるマグカップをこいつ用にして──

「ねえ」
「な、なに?」

 あかねの短い問い掛けに、自分でも笑ってしまうほど声が上擦る。そもそも、なぜあかねはこんなに落ち着いてるんだろう。これじゃあ、自分一人がひどく意識していると言っているようなもので、それでもきっちりと膝を合わせるあかねを前にすればいつものようにふざけて誤魔化すことも適わない。
 ちき……と、古いアパートの床が軋んだ気がした。

「さっき、なんであんなことしたの?」
「さ、さっきって……」

 責めるようにあかねの瞳が乱馬を見つめる。こういう時の女は強い。目を逸らすことを許さないというように、じっと見据える黒い双眼は有無を言わせぬ迫力があった。
 なのにどうしてだろう。久し振りに向かい合う表情は思っていた以上に異性を感じさせ、太鼓を叩くようにドクンと鼓動が跳ねる。
 ああ、やっぱりダメだ。あかねの前ではすぐに仮面が剥がれてしまう。かといってここでなんと言えばいいのか。あかねの警戒心を引き上げないようずっと守ってきた、情けない男の事情なんて聞かせられるはずもなくて。
 思わず視線を逸らし、畳の目を数える。

「あ、あんなことって、あれはその、偶然触れて……」
「嘘よ」
「え?」
「あの時の乱馬、絶対わざとだったもの」
「ち、違……っ、ホントに偶然、」
「嘘つき」
「あかね」
「…………だったらどうして最後、しっかりあたしに触れたのよ」


 ……………………そうだ。
 あの時、掠った唇の表面を最後に押し付けたのは乱馬で。
 それは紛れもなく、意図的で。
 ちりりと胸の奥で何かに火がついた。
 枯れ葉に燃え移るように、それは一瞬で炎を大きくする。


「聞いてるの? なんとか言いなさいよっ」
「……おめーこそ、今ここでそれを聞くのかよ」
「え?」

 “え”の形のまま、薄く開いた唇に自分のそれを重ねる。

「なっ、なにして、」
「わかんねえ?」

 もう一度触れる。
 今度はさっきより強く、しっかりと。

「やめ……っ、なに考えてるのよ!」

 さらにもう一回。
 いつの間にか、何度も唇を重ねていた。
 何度も、何度も。
 柔らかな弾力がふるんと離れ、はあ……と息をつく。その僅かな隙間から舌を滑り込ませ、呼吸困難になる寸前でまた離した。先程まで乾いていた薄皮の表面が、互いの唾液でしっとり濡れている。三年間保ってきた、リミットが外れるにはあまりにも呆気なくて。


「……あんなことがあったくせに」
「乱馬?」
「なのに一人暮らしの男の家にのこのこ来やがって」
「……だから?」
「それで期待しねえ男なんているわけねーだろうがっ」
「いつもそうやって女の子を口説いてるの?」
「は?」
「昼間言ってたじゃない。“こんなことくらい”って」

 ……ああ。そういえばそんなことも言ったっけ。
 だけどあかねだって本当はわかっているはずだ。
 乱馬が本気でそんなことをするはずないと。

「わ、悪いけどあたし、冗談でこんなこと出来ないからっ」


 どさりと音がした。
 大丈夫だろうか。
 頭を打たないよう支えたつもりだが、己の力加減に自信が持てない。
 視界が変わる。
 腕の下から見上げるのは、放射状に髪を広げた黒い瞳で。



「冗談じゃなきゃいいんだな?」


 かっこわりい。
 思わずごくりと喉が鳴りそうになるのを何とかこらえる。




「……言っとくけど、その気のない男の家になんて最初から来ないわよ」


 その唾を飲み込ませたのは、とんでもない殺し文句だった。






 予想していた初めてとは何もかもが違った。
 絨毯も敷いていない畳の上で覆い被さるように何度も口付け、なけなしの理性を総動員してベッドの上に抱き上げる。

「どうしてこんな手が熱いの?」
「そりゃおめーもだろうが」

 唇を離せば、沈黙を埋めるように発せられるなんでもない問い。
 多分、あかねも相当緊張している。それがたまらなく嬉しかった。

「どうしてそんな息が乱れてるの?」
「……なに? よく聞こえねえ」

 そんなの、一体なんて答えりゃいいんだよ。
 このやり取りが、まるで狼に食べられる直前のばあさんに質問を繰り返した とある童話を思わせる。
 逃げなきゃ食っちまうぞ。いいんだな? と。
 する前から滝のような汗が伝う。
 その背中に触れ、あかねが目を丸くした。

「ど、どうしてこんな汗かいてるの!?」

 今度ばかりは率直な疑問なのだろう。一瞬だけ、風呂にも入らず押し倒してしまったことを後悔した。が、今さらだ。どうせ汗をかいた姿なんて嫌ってほど見られている。
 そして何より、混ざり合う互いの汗の匂いすら幸せで。

「これは、その、」
「なに?」
「……あかねのこと、探して走り回ってたから」
「っ、……………………バカ」

 あ…………、笑った。
 やっと笑った。
 あかねが、この部屋で。

 着ていたカットソーを頭から引き抜く。
 バサリと音を立ててベッドの下に投げ捨てられるそれは冷えた汗で重く湿っていた。自分の濡れた素肌を擦りつけるよう、あかねの首筋に顔を埋める。恥ずかしそうに身を捩る、短い髪の毛が乱馬の額をこしょりとくすぐった。なんかもう、こんなことがたまらなく愛おしい。


「……なあ。さっきの、もう一回聞いて」
「え?」
「なんで息が乱れてんの? って」
「…………“なんで息が乱れてるの?”」
「あかねとこうしてんのが嬉しいから」


 こんなの自分の柄じゃないよな。
 ほんと、てんで柄じゃねえ。
 ほら見ろ、あかねだって驚いた顔してるじゃねえか。
 だけど腕の中で真っ赤に頬を染める、その表情は今にも蕩けそうで。


「あのね、乱馬」
「なに?」
「……………………あたしも、嬉しい」


 とびきりかわいい響きで囁き、おさげの先へキスする魔法にいよいよ理性が崩壊した。



 呼吸が早くなる。
 ドキドキ音を立てる心臓は胸を飛び出してくる勢いで、すっかり体を預けられた腕の中から「好き……」と聞こえた気がした。もしかして自分が発した言葉だろうか。甘いトーンで囁かれる度、オウム返しみたいに何度も何度も繰り返す。
 募った想いは硬い熱となり、柔肌を貫いて体の奥からあかねの存在を貪り食う。

「乱…っ馬…………っ」

 揺さぶられる髪の隙間から覗く耳朶は燃えるように赤い。それは天井の照明を落とした薄暗い闇の中でもわかるほどで、まるでこのまま発火してしまいそうな儚い有様だ。
「あかね」と呼ぶ声が劣情に濡れている。自分でも驚くほど掠れた声に、あかねが苦しそうに、それでも薄っすらと瞳を開けて乱馬に応える。
 頼りなさげに伸ばした、その手首を掴んでシーツに縫い付ける。なんとかついて来ようとするあかねに流されているのは、実は自分のほうなのかもしれない。
 溺れないように。なけなしのプライドで保っていたリミッターも振り切れ、もう気持ち丸ごと引き返すことなんて不可能で。
 体も心もひとつになる。
 一人暮らしの男の家を訪ねてきた赤ずきんは今や、汗を滲ませる狼の腕の中。初めて同士の慣れない手探りで、それでも頭の先から爪の先まで愛を持って食いつくす。
 白い肌に刻まれる薄紫色の花びら。
 最後の滾りを薄いラテックス越しに放った時、性の匂いに混じって微かに鼻を突くのは赤い喪失の香りだった。







「ところであんた、あんなとこで何してたの?」

 胸元まで布団を引き寄せ、瞳だけを上に向ける。これでしっかりと隠してるつもりなんだから余計に質が悪いが、それを言うのも憚られて肩を抱いた。

「だからその……ま、待ち合わせして人待ってたんだよ」
「嘘。だったらその待ち合わせの相手はどうしたのよ。わざわざあんな所で約束して、五分も経たないうちに“はい、さよなら”ってそんなわけないじゃない」
「なんで五分だけって決めつけんだよ」
「……だって見たもん。乱馬がすごい顔して走ってるとこ」
「な……っ!?」
「……………………嘘つき」
「う、嘘つきはおめーだろうがっ!」

 ってことはなんだ!?
 自分がわざとあかねにキスしたのも、家に来る彼女なんていないってことも、ずっとあかねを探して走り回っていたことも、全部はじめっからお見通しだったということか!?


「オオカミ少年」
「そりゃおめーのことだろ!? このオオカミ少女!」
「嘘をついたあんたが悪いんじゃない」
「嘘をつかせるような態度をとってるあかねがわりーんだろ!?」
「なによ、あたしのどこが悪いってわけ!?」

 剥き出しになった肩に歯を立てる。
 びくりと華奢なそこが跳ねるが、これはお仕置きだ。
 人をおちょくるばかりの無防備な赤ずきんを懲らしめる、心配性な狼からのペナルティ。

「…………おめーが他の野郎と楽しそうにしてるから」
「それってヤキモチ?」
「ちげえ」

 いや。違わなくはないのだが。

「あのね、あれはゼミの先輩。ただそれだけよ」
「ほー。あかねはただの先輩にあんな顔すんのか」
「しつこいわねぇ。やっぱりヤキモチ妬いてるんじゃない」
「ちが……っ、おれはただその、忠告としてだなぁ!」
「忠告?」
「男はみんな狼なんだぞ!?」
「……キッザ~」
「う、うるせえっ!」

 自分だってこんな使い古された台詞を言うとは思いもしなかった。これもそれも全てあかねのせいだということを、はたして本人はわかっているのだろうか。


「大体、おめーは隙があり過ぎんだよっ」
「はいはい」
「いいかっ!? 男に笑顔を見せるなんざ、狼の家にエサ背負って行くようなものなんだからな!? そこんとこ、ちょっとは自覚して──」
「じゃあこの部屋に来るのももうお終いね」
「へ?」
「だってそうでしょ。来ちゃダメってあんたが言うから」
「そ、そうじゃなくて、」

 なんなんだ。
 一筋縄ではいかない、この強気な姿勢はなんなんだ。
 じりじり押される乱馬の背中にじっとりと、先ほどとは違った汗が滲む。

「ここはその、いーんだよ」
「なんでよ」
「なんでって……」

(こ、こいつ、わざと言わせてーのか!?)

 沈黙は平行線。
 そして苦し紛れに放った言葉がこれだった。


「お、おれはその、狼じゃねーから」
「はあ? あんたね、この状況を見て言いなさいよ」

 そう。
 確かに二人とも、ベッドの上で裸なんだけど。
 なんなら途中から有無も言わせずあかねの服を剥ぎ取り、素肌を重ねたのは他でもない自分だったりするのだが。
 それでも断じて主張したいのは、他の男と一緒にするなの一点で。
 ううっと犬のように喉が鳴る。その唸りを聞き、あかねが乱馬の胸に手を置いた。

「……わかったわよ。じゃあ、狼じゃなく番犬ってこと?」
「番……!? ひ、人を犬呼ばわりするんじゃねーよっ!」
「なによ。狼じゃないっていうから譲歩してあげたのに」
「どこがだっ!」

 完全におちょくられてる。
 お互い生まれたままの姿で、初めて肌を重ねた後だというのに、だ。
 もう知らねーよと突っぱねてやれたらいいはずなのに、体がそれを許さない。それどころか、もぞりとあかねが姿勢を変える度、思わず追ってしまう自分の腕は恨めしいほどに正直で。
 なんとか相手をぎゃふんと言わせてやりたい。しかし、肝心の言葉が見つからない。
 顔を見たらダメだ。顔を見てしまえば一瞬で溶かされてしまいそうになるから、目を逸らしたまま冴えない頭で必死に考える。
 ──と、そんな乱馬の努力もむなしく、あかねがすりっと自分の頬を胸に寄せた。

「……これからはあたしの番、してくれるんじゃないの?」
「え?」
「たまには実家に帰って来てくれるとか」
「あかね?」
「……たまにはあたしの大学にも来てくれたりとか」
「……っ、」
「…………たまにはこうして、週末に泊まらせてくれたり、とか」


 ……………………ごめんなさい。
 完敗です。とても敵いそうにはありません。
 再びぎゅうぎゅうと、今までにないくらいの力で布団の上からあかねを抱きしめる。
 痛いと言われようが、苦しいと抗議をされようが、止めることなんてできない。先に嗾けたのは、あかねのほうなのだから。

「あーあ。あかねがそこまで言うならしょうがねーなぁ」
「ちょっと? あたしは譲歩してあげただけですからね」
「どっちだって似たようなもんじゃねーか」
「もうっ」


 すっかり牙を抜かれた野犬は、尻尾を振って纏わりつく。
 汗で湿った白い肌は、みっちり音を立てるほど自分の体に馴染んで心地よい。
 ふと頭に浮かんだのは、夕方見た茶色い犬の銅像だった。
 じっと前を見据え、ご主人様の言いつけを守って自分のテリトリーを守る、番犬のあるべき姿で。
 ああ、だけど忠実に仕えるにはそれ相応の褒美がなくちゃ無理かもしれない。



「ねえ。それにしても今日、どうしてあそこにいたの?」
「そんなに知りてえ?」
「うん」
「じゃあ先に褒美くれ」
「ちょ、ちょっと……、」
「質問するだけして終わりってわけにはいかねえだろ?」


 あかね、ごめん。
 鎖の外れた番犬は、時にオオカミになってしまうのも無理はない。
 けどまあ、三年も我慢したんだ。これって結構、褒めてもらっていい忍耐だと思うけど?

「あ、あたし、まだ大事なこと聞いてないんだけど……っ」
「大事なことって?」

 膨らみの先を口に含まれ、小さな喘ぎを漏らす。この状況でまだ抵抗できるなんて、自分の主人はなかなかの頑固者らしい。だけど。

「あ、んたの気持ち……、」
「おれ?」

 そんなの、聞かなくてもわかってるくせに。
 変なとこで言葉にこだわる唇を塞ぎながら、ありったけの想いを注ぐ。それが言葉になったかどうかは自信が持てないけれど、気持ちだけはまあ、そういうことだ。
 はむ……と食んだ上唇を離し、犬のように縁を舐める。

「……わかった?」
「…………わかんない」
「なんでい。にぶいのは相変わらずか」
「そんなの、ちゃんと言ってくれなきゃわかんないわよ」
「んじゃ、また今度な」
「ずるい」
「どっちが」

 心の中で問う。“あかね、知ってるか? 番犬ってのが絶対忠誠を誓うのは、世界にたった一人なんだぞ”、と。
 嫌と言っても、今さら手放してなんかやるものか。
 くんと仰け反る細い首。その美味そうな首根っこに歯を当て、ギリギリで力を制御してぺろりと舐めとる。根っからの番犬気質か、どうあっても痛い思いはさせられないらしい。一箇所だけは、例外だけど。
 
 動物が所有の香りを残すように肌を擦り合わせる。
 一人で過ごすには人肌が恋しくて、この温もりを知ってしまえばもう離れることなんてできないだろう。
 長い秋を耐え、ひとつの布団の下で絡まる二人。
 くっつく口実になるのなら、肌に触れる冷たい空気すらも愛おしい。
 言葉の代わりに体温で交わす会話は、小さな部屋を湿った吐息で満たしていく。
 はあっ、はあっと犬のような呼吸はどちらのものか。
 その合間に呼び合う互いの名前は魔法のように温かくて。


「あかね……」

 もしも運命なんてものがあるのならきっと二人は赤いリードで結ばれているに違いない。
 そんなバカなことを本気で考えてしまう自分はもう、一生番犬をやめられそうにない。
 



 < END >




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2018/12/03 Mon 13:14:40
Re: タイトルなし : koh @-
y~コメント主様

コメント主様らしい詩的で美しいお言葉ありがとうございます。
コメント主様はいつも私の作品を色で表してくれますよね。それがすごく新鮮で、そしてとっても嬉しいのです。ありがとうございます。
渋谷といったらかつての職場なので、週末のハチ公口前はそれはもう人、人、人というか、こんなに人が沢山なのに誰も周りのことなんか気に留めないし、交差点の真ん中でもれなく記念撮影している外国人の方はいるしで、あんまり乱馬とあかねがいるイメージってないんです。だけどなぜか夢で見てしまって。
我ながら、忠犬ハチ公の陰から覗く夢ってすごく新鮮でした笑。
その分、夢で答えの出なかったオチにはひぃひぃ苦しめられましたが…(^^;。
本当に書いている私自身も乱あ着地でマンネリなお決まりだと思うのですが、一周回って最近はそれが誇らしいんです。ってこんなことを言うと何様だ?って感じですが、私は乱あの関係が好きだし幸せな二人を見たくて書き始めたので、これでいいんだと。
これからもブレずのんびり、自分の好きを形にしていけたらと思います。
ありがとうございました。
2018/12/03 Mon 23:44:05 URL
Re: No title : koh @-
さ~コメント主様

コメントありがとうございます。
なんとなく渋谷のお話が続いてしまいましたが、かつての職場だったのでついつい分かり易いここになってしまいました(^^;。
自分でお話を書いていて思うのですが、携帯電話がまだ主流ではないあの時代っていいなぁと思うのです。
本当は原作が終わった年から逆算すると乱馬達が高校三年生の時は既にポケベルが主流で、大学生になったらPHSとかドコモの携帯も出始めてはいるのですが、でも携帯電話が出来てなくなった言葉が“すれ違い”だと知り、それもちょっぴり寂しいなと。
誰かを探して必死で駆けずり回ったり何時間でも探し回ったり。そんな二人が書きたくて、敢えて携帯電話は持たせませんでした^^。
(通常の大学生編などもつい当時の人気機種を調べて持たせてしまったりしますw)
それにしても三年間。よく我慢しましたよね~。でもきっと女のあかねちゃんだって待ち望んでいたはず!
彼女は出来た?と聞くあかねちゃんもまたドキドキしていたと思うとたまりません。
きっとこの後はあっという間に三年間分を取り戻していくと思います♡(何がとは言わない…)
2018/12/03 Mon 23:44:25 URL
Re: 追記です…(笑) : koh @-
さ~コメント主様

ありがとうございます!
まだ付き合ってなくて、さり気なくて相手の負担にならなくて日常使いできてでもちょっと特別で、自分だけがわかっている相手の好みのものをプレゼントにって難しいですよね。
それでいて乱馬でもすんなり買えるものといったら相当ハードルは高かったと思います笑。
でもいかにも格闘家らしい、それでいて一般の女の子受けとはちょっとズレた感覚が好きというか……万が一にも乱馬があかねちゃん意外とお付き合いするようなことがあれば一日で引かれちゃうような気もします笑。
目を隠してしまえばなんとかなる!の精神で少し甘くなってしまいました^^。
拍手までお付き合いいただき、ありがとうございました♡
2018/12/03 Mon 23:48:43 URL
Re: ありがとうございました!! : koh @-
m~コメント主様

さすが、コメント主様は侮れませんね!
実は今回、大学生編にしてはめずらしく一人称よりの三人称で書いてるんです。そうするとどうしても余所余所しさというか薄皮一枚挟んだような文面になるのですが、まだくっついていない不安な感じを出すのにいいかな、と乱馬一人称の文章と比べてこちらにしてみました。
なので最初は少し構えていただくような、そんな狙いがあったんです^^。
そして確かに「過去に狼事件があったのか…?」とも思えますね笑。
最初の部分に「なにも進展はない」「大事にし過ぎて窒息寸前」とあるので手を出していない前提ではあるのですが、いただいたコメントを見て「ああ~、そっちのほうも書きたい!」と悶えちゃいました♡(というより、実はあるんですよっ、ネタが!下書きがっ!先生、今度打ち合わせしましょう笑)
なんかもう、ギリギリな二人を書きたくて。溢れそうなコップの縁で表面張力みたいにこらえてこらえて、いざ決壊したら止まらない二人。だけどどんなに空白があっても気持ちが引き合う時って一瞬で、それはこの二人ならではというか……たまに無性に幸せなお話を読みたくなっちゃうことってありませんか?
元々ハッピーエンド主義な私ですが、最近タガが外れたように自給自足しています笑。だってこういう二人が好きなんですもの……。
リストバンドでもヘアバンドでも、どんな鎖より強い運命の糸で結ばれていると思うのであかねちゃんの願いは安泰です^^。
PS.コメント主様のお名前もmって押すと一発で変換されますよ~!
 ちなみにキーボードのmの隣が「、」なので、しょっちゅう話の途中にコメント主様のお名前が混ざっていて笑ってしまう私です…笑。
2018/12/03 Mon 23:59:11 URL
Re: 私もネコよりイヌ派です : koh @-
青~コメント主様

ええ、ええ、お気持ちわかりますとも!
うちなんて今年まさかの最下位ですよ!もうCSがとかそんなレベルじゃない。やはり投手陣が…って野球の話じゃないですね、すみません。
日常的に使えて乱馬でも買いやすく、その上ちょっとお揃い感覚も楽しめて喜んでもらえるもの……。
これ、乱馬張りに私もわりと真剣に考えてしまって、夢の中では限定で一組しか買えないリストバンドを片手ずつ分けて1/2だねってオチだったんですけど、流石にそれで会いに行く口実としては弱いと思い頭を捻りました^^。
そして乱馬に限らず二次ってわりと童話パロが多いですが、乱馬とあかねちゃん。特にあかねは一筋縄じゃ行かない気がして。一方的に食べられちゃうよりは狼を振り回す、見た目はかわいいのに実はあかねのほうが狼なんじゃないかっていうくらいが好きなんです。
なので表紙も素敵な素材をお借りしたのですが、敢えて獰猛なワンちゃんをベースに少し弄らせていただきました。
安泰している時は形式にこだわらないのに、危機感を覚えた途端動き出しそうなのがこの二人ですよね。
なのでモブ先輩、ありがとうございます笑。
またお隣シリーズもお読みくださってありがとうございました。
それにしても自分の過去作品を読み返す&手直しするとはなんたる拷問……。
あ、あと少し。仕事の合間に頑張ります!
2018/12/04 Tue 00:08:22 URL
: 憂すけ @-
拍手と一緒に堪能ですぅぅ~!!////
最初はね、意地のぶつかり合いの様な展開にね、ちょっとだけ・・ドキドキしました。
でもkohさんの書かれる2人をあたしは腹の底から信じているから、そのドキドキも”どんな種を明かしてくれるんだ!?”って言う・・・もはや謎解き目線状態に近いドキドキだったかもしれません。

言葉に出来ない気持ちと、それを背中から後押ししてくれるような二人の行動。
素直になるまでの焦れ焦れを!
そして素直になってからの破壊力激しいまでの幸せを!有り難うございます!!
寒空の下頑張ったご褒美として何度も堪能させていた来ます♡m(__)m
2018/12/11 Tue 13:59:41 URL
Re: タイトルなし : koh @-
憂すけさん

少し大人になった二人。
特別何かあったわけでもなく、関係がこじれたわけでもない。だけど相手が求めてこないと押すに押せず、もしかしたら家を出る時はこんな深刻に考えていなかった事態が離れているうちに物理的な距離に不安を覚えてしまうのかなぁとか。
思えば最初のスタートが許婚と同居という普通では考えられないところから始まっている分、普通の基準がわからなさそうですよね。だからこそ、お互い探り合いながら「昔みたいに軽口たたかなくっちゃ」って意地も働いているような気がします。
その分、なにかきっかけがあった時は大人なのでそりゃもう、です^^。
今回、敢えて三人称で書いてみたので序盤は少しいつもと空気が違ったのではないかと。
余所余所しいような、不穏な雰囲気というか。
今、色んな書き方を自分でも作中なのですが、沢山の発見と反省があってとっても楽しいです!
2018/12/11 Tue 21:40:55 URL

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